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アプリケーションノート3517

トリクルチャージャのリアルタイムクロックのスーパーキャパシタのバックアップ時間を推定する方法

要約:マキシムのリアルタイムクロック(RTC)ファミリには、トリクル充電回路を内蔵した製品が多数含まれています。このトリクルチャージャ(充電器)を使用して、2次電池やコンデンサを充電することができます。VCCの供給電圧がなくなると、クロックの動作を維持するためにバッテリやコンデンサが使用されます。コンデンサに蓄えられたエネルギは、一定時間クロックの動作を維持しますが、この時間はいくつかの要因によって決まります。このアプリケーションノートでは、コンデンサのサイズに基づいて、バックアップ時間を計算するための方法について説明します。

アプリケーションノート3816も参照してください:Selecting a Backup Source for Real-Time Clocks (English only)

充電回路

標準的なトリクルチャージャの回路図を図1に示します。トリクルチャージャレジスタ上位ニブルの特定の4ビットパターンを使用して、トリクルチャージャをイネーブルにします。下位4ビットは、電圧降下ダイオードや電流制限抵抗を選択するために使用します。以下の図では、充電パスにダイオードを1つ挿入することもできれば、まったく挿入しなくてもかまいません。選択可能な抵抗値は、250Ω、2kΩ、または4kΩです。ダイオードと抵抗をさまざまな構成にすることが可能なデバイスもあります(詳細については、デバイスのデータシートを確認してください)。コンデンサは、VBACKUPとグランド間に接続します(図2)。

図1. 標準のトリクル充電回路
図1. 標準のトリクル充電回路

図2. 標準回路
図2. 標準回路

ダイオードと抵抗の選択は、コンデンサの充電に必要な最大電流に応じて決定します。充電電流の制限値については、コンデンサの製造業者に問い合わせるか、コンデンサのデータシートを確認してください。

充電電流の計算

最大充電電流は、次のようにして計算することができます。まず、3.3Vのシステム電源がVCCに印加されて、かつダイオードが無くて抵抗が2kΩの構成でトリクルチャージャをイネーブルにしているものと仮定します。コンデンサの電圧が0のときの最大電流は、次のように計算されます。

IMAX = (VCC - diode drop)/R2
= (3.3V-0V)/R2
(3.3V-0V)/2kΩ
1.65mA

VBACKUPの電圧が増大するにつれて、充電電流は減少します。

バックアップ時間の計算

まず、必要なコンデンサの大きさを決定する必要があります。所望のバックアップ時間を想定した場合、コンデンサの開始と終了の電圧、コンデンサから引き出される電流、およびコンデンサのサイズなど、パラメータを知っておく必要があります。

RTCが動作中にVBACKUPから一定の電流を消費するものと仮定すると、ワーストケースのバックアップ時間(単位:時間)を計算するには、次式を使用します:

C(VBACKUPSTART - VBACKUPMIN)/IBACKUPMAX/3600

ここで、Cはコンデンサの値(ファラッド)です。

VBACKUPSTARTは、初期電圧(ボルト)です。VCCに印可される電圧からダイオードによる電圧降下分を減じた値が(もし存在すれば)充電回路で使用されます。
VBACKUPMINは、終了電圧(ボルト)です(発振器の最小動作電圧)。
IBACKUPMAXは、データシートの最大VBACKUP電流(アンペア)です。

C = 0.2F、VBACKUPSTART = 3.3V、VBACKUPMIN = 1.3V、およびIBACKUPMAX = 1000nAであれば、
時間 = 0.2(3.3-1.3)/(1e-6)/3600 = 0.2(2.0)(1e-6)/3600 = 111.1になります。

標準的なバックアップ時間を調べたい場合は、IBACKUPの最大値の代わりにIBACKUPの標準値を使用します。

したがって、VBACKUPが3.3V (typ)でIBACKUPが600nA (typ)のとき、
時間 = 0.2(3.3-1.3)/(600e-9)/3600 = 0.2(2.0)(600e-9)/3600 = 185.2になります。

上記の計算は、VBACKUPの電圧に関係なくIBACKUPが一定であることを前提にしています。ダラス/マキシムのRTCで動作する発振器は、抵抗のように振る舞う傾向があるので、バックアップ電圧とともにバックアップ電流は減少する傾向があります。したがって、より現実的なバックアップ時間を計算することができる必要があります。

基本的な電気工学から、任意の時刻におけるコンデンサ両側の電圧を求める式は、次のようになります(以下の放電回路を使用した場合):

V(t) = E(e-tau/RC)

図3. 放電回路
図3. 放電回路

ここで、tauは時間(秒)です。
Eは初期電圧(ボルト)です。
Vは終了電圧(ボルト)です。
Rは抵抗負荷(Ω)です。
Cはコンデンサの値(ファラッド)です。

式を並べ替えてtについて解くと、次のようになります:

-ln(V/E)(RC) = t

RTCのデータシートから、発振器の最小動作電圧および最大VBACKUP電流(IBACKUP)が得られます。負荷抵抗Rを推定するには、データシートのVBACKUPの最大値をIBACKUPの最大値で除算します(ワーストケースの電流は最大入力電圧で生じるため)。この例では、VBACKUPの最大値が3.7V、IBACKUPの最大値が1000nAとなり、3.7/1e-6すなわち3,700,000Ωとなります。コンデンサの値が0.2Fで3.3Vに充電されていて、そしてIBACKUPの最大電流値が1000nA、発振器の最小動作電圧が1.3Vと想定すると、バックアップ時間は次のように計算されます:
-ln(VBACKUPMIN/VBACKUPMAX)(VBACKUPMAX/IBACKUPMAX) =
-ln(1.3/3.3)(3,700,000*0.2) =
689,353秒、すなわち191.5時間


Cの値を変更することによって、バックアップコンデンサで動作するおおよその推定動作時間を求めることができます。

これらの計算は、オンライン計算機を使用して行うことができます。

スーパーキャパシタの計算機は、上記の3つの式を実行します。

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