アプリケーションノート4147

DS3994のソフトスタートプロファイルの変更方法

筆者: Shoumin Liu
May 21, 2008

要約:このアプリケーションノートは4チャネル冷陰極蛍光ランプ(CCFL)コントローラのDS3994で使われる、各ランプバーストの開始時点にMOSFETのデューティサイクルを漸増させるソフトスタートプロファイル(SSP)について述べたものです。この論文はアプリケーションで必要とする立上り時間に適合するようデバイスのデフォルトのSSP値をカスタマイズする方法を説明します。

はじめに

DS3994は液晶表示(LCD)のバックライトとなる冷陰極蛍光ランプ(CCFL)用の4チャネルのコントローラです。ランプを調光するためにバースト調光を使用する場合、DS3994は可聴トランスノイズを最小化するためにランプの各バーストの開始時点でソフトスタートを使用します。DS3994のソフトスタートプロファイル(SSP)は4つのソフトスタートプロファイルレジスタ(SSP1/2/3/4)によって制御されます。SSPの各レジスタは出荷時に設定され、そのデフォルト値はたいていのアプリケーションに適合します。しかし、カスタマイズされたSSPを得るためにI²Cインタフェースを使ってSSPレジスタの値を変更することができます。このアプリケーションノートはその変更方法について説明します。

DPWMソフトスタート

効率的で正確なランプ調光を提供するためにDS3994はディジタルパルス幅変調(DPWM)信号(22.5Hz~440Hz)を使用します。PWMサイクルのハイ期間の間、CCFLはオンになり、ランプ周波数で動作します。この部分は「バースト」期間と呼ばれます。PWMサイクルのロー期間の間、CCFLはオフになり、ランプ電流は流れません。PWMパルスのデューティサイクルを調整すると、CCFLの輝度を増加させたり、減少させたりすることができます。

各ランプバーストの初めにDS3994はMOSFETのゲートドライバのデューティサイクルを緩やかに増加(つまり、「ランプアップ(ramp up)」)するソフトスタートを提供します。緩やかな立上りとすることによって、トランスの一次側の電流サージによって生じる可能性のある可聴トランスノイズの可能性が最小になります。ソフトスタートの立上りプロファイルは4つのSSPレジスタ(SSP1/2/3/4)によって制御されます。各SSPレジスタによって8種の異なったMOSFETゲートデューティサイクルの設定が可能となります。そして各設定サイクルは2回繰り返されるため、合計で16回のランプサイクルとなります。ソフトスタートの長さは16ランプサイクルに固定されていますが、ソフトスタートの立上りプロファイルは設定可能であり、アプリケーションに対して変更可能です。

各SSPレジスタのデフォルト値

DS3994のソフトスタートの立上りプロファイルをカストマイズする場合、8種のドライバのデューティサイクルの中から選択します。4個のSSPレジスタ(SSP1/2/3/4)のおのおのは2つの4ビットコードを備え各DPWMバーストの初めに2つのランプサイクルの間のMOSFETのデューティサイクル(MDC)を決定します。表1は各コードに対応するデューティサイクルを示しています。ソフトスタートのゲートサイクルは直近のランプデューティサイクルのパーセントで表されています。

表1. 使用可能なMOSFETのデューティサイクル(MDC)プロファイル
MDC Code MOSFET Duty Cycle—Percentage of the Most Recent Control Value (%)
0h 0
1h 25
2h 37.5
3h 50
4h 62.5
5h 75
6h 87.5
7h 100
8h-Fh Reserved

表2は各SSPレジスタのアドレスとデフォルト値を示しています。

表2. SSPレジスタアドレスとデフォルト値
SSP# Address Default MSB   LSB
7 6 5 4 3 2 1 0
SSP1 F0h 21h Lamp Cycles 3 and 4 Lamp Cycles 1 and 2
SSP2 F1h 43h Lamp Cycles 7 and 8 Lamp Cycles 5 and 6
SSP3 F2h 65h Lamp Cycles 11 and 12 Lamp Cycles 9 and 10
SSP4 F3h 77h Lamp Cycles 15 and 16 Lamp Cycles 13 and 14

ソフトスタートプロファイルの変更

SSPレジスタによってソフトスタート期間の間の16個のMOSFETのデューティサイクル(MDC)を決定して、これらのMDCが0からその直近の値(または公称値)まで漸増することが保証されます。MDCがこの立上りを完了する時間はランピング(ramping)時間と呼ばれます。ランピング時間は2つのランプサイクルの増加単位で0~16ランプサイクルに設定可能です。ランピング時間が短いほど、電流エンベロープの傾斜が急峻になります。

表3はさまざまなランピング時間に対するSSPレジスタの推奨する値を示しています。ユーザは所望のランピング時間を得るために適切なSSPレジスタの値を選択することができます。DS3994のデフォルトのSSPは12ランピングサイクルです。

表3. さまざまなランピング時間に対して推奨するSSPレジスタの値
Number of Ramping Cycles SSP Register Values
SSP1 (F0h) SSP2 (F1h) SSP3 (F2h) SSP4 (F3h)
0 77h 77h 77h 77h
2 73h 77h 77h 77h
4 42h 77h 77h 77h
6 31h 75h 77h 77h
8 21h 54h 77h 77h
10 21h 43h 76h 77h
12 21h 43h 65h 77h
14 11h 32h 54h 76h
16 11h 32h 43h 65h

DS3994のソフトウェアをSSPレジスタの設定に使用することができます。ソフトウェアはダウンロードして使用することができます。ソフトウェアインタフェースが図1に示されています。ユーザはSSPレジスタ値を調整するためにByte Read/Writeセクションを使用することができます。

Figure 1. DS3994 software interface where users can program the SSP registers.
図1. ユーザが各SSPレジスタを設定することができるDS3994のソフトウェアインタフェース

図2図3、および図4はランピングサイクル数と表3の推奨するレジスタ値を用いるソフトスタート期間に測定されたCCFL電流波形を示しています。図3は12ランピングサイクルのSSPを示しています。これはDS3994のデフォルト設定です。図2と4はおのおの、8および16ランピングサイクルの場合のSSPに対応しています。

Figure 2. Lamp current waveform, 8 SSP ramping cycles.
図2. 8 SSPランピングサイクルの場合のランプ電流波形

Figure 3.  Lamp current waveform, 12 SSP ramping cycles.
図3. 12 SSPランピングサイクルの場合のランプ電流波形

Figure 4.  Lamp current waveform, 16 SSP ramping cycles.
図4. 16 SSPランピングサイクルの場合のランプ電流波形

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