リファレンスデザイン4320
に含まれる内容: 試験済み回路 回路図 部品表 説明 テストデータ レイアウト
MP3プレーヤドッキングステーション用のD級、2.1チャネル、オーディオアンプのリファレンス設計
要約:このリファレンス設計は、ステレオオーディオ、ドッキングステーションアプリケーションにおけるD級オーディオアンプMAX9736の使用法を示すものです。MAX9736の2.1デモボックスは、2つのMAX9736 ICを使用して、2つの2インチのサテライトスピーカと1つの5インチのサブウーファで構成される3チャネルスピーカシステムを駆動する完全なパワードスピーカドックです。このリファレンス設計は、ポータブルオーディオプレーヤを主な音楽ソースとして使用することを意図しています。ソリューション全体のサイズは非常にコンパクトであり、アクティブイコライゼーション、電源モニタリング、およびサブウーファのダイナミックイコライゼーションを特長としています。
重要な設計上の特長
コンパクトなオールインワン設計
単一の12V~20VのDC電源で動作
小型の筐体で高SPL出力
高効率のD級設計
ダイナミックバスイコライゼーションを含むアクティブEQ
コスト効率の高いドライバにて優れた音質
部品表
Designator
Qty
Description
U1, U2
2
Maxim MAX98400AETX+ (6mm x 6mm x 0.75mm, 36-pin TQFN), stereo high-power Class D amplifier
U3–U5, U100
4
Maxim MAX4234 (TSSOP-14), high-output-drive, 10MHz, 10V/µs, rail-to-rail I/O op amps
U6
1
Maxim MAX809LEUR (SOT-23),microprocessor reset circuit
U7
1
Fairchild™ H11F1SM, Opto-FET (DIP6-SMT)
U8
1
Maxim MAX5084ATT+ (6-TDFN-EP) 65V, 200mA, linear regulator
C1
1
560µF ±20% 35V aluminum electrolytic capacitor Panasonic® EEU-FM1V561L
C11, C15
2
220µF ±20% 35V aluminum electrolytic capacitor (10mm x 12.5mm) Panasonic EEUFM1V221
C16
1
10µF (1206), 50V
C80
2
10µF (1210), 50V
C2–C5, C10, C12–C14, C19, C305, C307, C321
12
0.1µF ceramic capacitor (0603), X7R, 50V
C8, C17–C18, C9, C122–C123, C222–C223, C309–C312
12
1µF ceramic capacitor (0603), X7R, 16V
C106, C109–C111, C114, C206, C209–C211, C214
10
OPEN
C117–C119, C217–C219
6
10nF ceramic capacitor (0603) X7R, 50V
C76
1
10µF ceramic capacitor (0805), X5R, 10V
C200–C201, C100–C101
4
2.2µF ceramic capacitor (0805), X7R, 25V
C204, C120–C121, C220–C221, C203, C301, C103–C104, C314–C315
11
100pF ceramic capacitor (0603), COG, 50V
C215, C208, C202, C112, C300, C102, C108, C212, C115, C322
10
33pF ceramic capacitor (0603), COG, 50V
C113, C213
2
4.7nF ceramic capacitor (0603), COG, 50V
C303
1
0.33µF ceramic capacitor (0603), X7R, 50V
C7
1
OPEN
C306, C308
2
15nF ceramic capacitor (0805), COG, 50V
C205, C105
2
68nF ceramic capacitor (0805), X7R, 25V
C107, C207
2
150pF ceramic capacitor (0603), COG, 50V
C302
1
0.47µF ceramic capacitor (0603), X7R, 50V
C316–C317
2
0.1µF ceramic capacitor (0603), X7R, 50V
R1
1
10kΩ (0805)
R27–R28
2
680Ω (1206), 500mW
R2, R24, R317
3
1kΩ (0603)
R4
1
4.22kΩ (0603)
R5
1
220Ω (0603)
R6, R8–R12, R14–R15, R17–R19, R22, R26, R100, R110, R113, R200, R210, R213
19
OPEN
R13, R20, R105, R21, R16, R23, R205, R25
8
0Ω (0603)
R107, R109, R207, R209
4
1MΩ (0603)
R111, R112
2
10.5kΩ (0603)
R103–R104, R203–R204
4
39.2kΩ (0603)
R131–R132, R231–R232
4
3.32kΩ (0603)
R202, R101, R206, R108, R208, R102, R3, R106, R201, R300–R301, R318–R319
13
10kΩ (0603)
R115, R215
2
30.1kΩ (0603)
R114, R214
2
137kΩ (0603)
R130, R230
2
100Ω (0603)
R112, R212
2
150Ω (0603)
R302
1
2kΩ (0603)
R304
1
7.15kΩ (0603)
R305
1
14.7kΩ (0603)
R306
1
12kΩ (0603)
R307
1
3.3kΩ (0603)
R308
1
3.24kΩ (0603)
R309, R311–R312, R314
4
11kΩ (0603)
R313, R310
2
24.3kΩ (0603)
R315–R316
2
2.2kΩ (0603)
R7
1
100kΩ, PVG3A104C01R00, surface mount potentiometer, 3mm
R303
1
20kΩ, PVG3A203C01R00, surface mount potentiometer, 3mm
L100–L101, L200–L201, L300–L301
6
Ferrite bead (1206), 3A
FB1
1
Ferrite bead (1206), 6A
J1
1
Power jack, right angle, Switchcraft® 722RA
J2
1
Dual RCA® jack, 161-4220-E
J3
1
6-pin male header
J4
1
Header, Hirose DF3A-2P-2DSA
J10, J20, J30
3
Header, 26-60-4020
D1
1
Green LED (0603)
D3
1
Zener diode (SOT23), BZX84C5V6
D5
1
Blue LED (0603)
D6
1
Dual diode (SOT23), common cathode, MMBD4148CC
Q2
1
NPN transistor, MMBT3904
X1–X2
2
Screw terminal
SPK1, SPK2
2
2in full-range loudspeaker Tymphany® Peerless Gold PLS-P830970 830970
SPK3
1
5.25in subwoofer loudspeaker Tymphany Peerless Gold SLS-P830945
設計の詳細
このリファレンス設計は、すべての電子回路とスピーカハードウェアを内蔵した、単一の、入念に調整されたボックスエンクロージャで構成されています。システムを完成させるために他に必要となるのは、外部電源と信号ソースのみです。
この設計は、左右チャネル用の2つの2インチラウドスピーカドライバと、サブウーファ用の5インチラウドスピーカを備えています。左右チャネル用に一つのMAX98400Aをステレオモードで使用し、サブウーファチャネル用にもう一つのMAX98400Aをモノラルモードで使用しています。以下の詳細説明は、電子回路の説明とスピーカ/物理エンクロージャの説明の2つのセクションに分かれています。
電子回路の説明
リファレンス設計の電子回路は、左右チャネルとサブウーファの2つのセクションで構成されています。それぞれのセクションは、入力段、EQ段、およびパワー段の3つの段を備えています。図1 を参照してください。
図1. D級オーディオアンプMAX98400を使用した電子回路のブロック図。入力段、EQ段、パワー段を備えた設計になっています。
入力段
入力段は、左右チャネルとサブウーファの両セクションに共通です。ステレオ、対数テーパのポテンショメータを音量制御に使用して、プリアンプへの信号レベルを調整します。グランドループを防止するため、入力の検出は差動で行っており、RCA入力コネクタは直接システムグランドには接続されていません。100Ωの抵抗を使用して、コモンモード電圧を低下させています。U3-AとU3-D (下図参照)が利得2倍で差動からシングルエンドへの変換を行います。入力段の出力は、U100-Aを使用してバッファされるパワーアンプU2のリファレンス電圧VREF が基準になります。
EQ段
入力段の次に、左右の信号はU3-B (左用)とU3-C (右用)を中心に構成された2段のパラメトリックEQに渡されます。それぞれのパラメトリックEQは、オペアンプのジャイレータを使用してLC直列共振回路のインダクタをシミュレートします。この直列回路は、減衰またはブーストのための2つのアクセスポイントを備えており、それらのアクセスポイントは異なる2つのコンデンサによって実現されます。たとえばC105とC106は、左チャネルの第1のパラメトリックEQ帯域のためのブーストおよび減衰ポイント用です。C106のみを使用した場合(そしてC105を実装しなければ)、共振回路と直列抵抗R105 (10kΩ)との組み合わせによって分圧器が形成され、共振周波数が減衰します。逆に、C105のみを使用した場合は、フィードバックが減じられ、結果として共振周波数においてブーストされます。どちらのコンデンサも使用しない場合、その帯域はディセーブルされます。
共振周波数f0 は、次式を用いて計算することができます。
f0 = 1/(2 × π × √(L0 × C0 ))
ここで、
L0 = R108 × C107 × R107
C0 = C105
Q値は次の通りです。
Q0 = √(L0 /(C0 × R0 ²))
シェルビングフィルタを実現する第3のEQ帯域が追加されており、それに必要となるのは1つのRC、すなわち1つのコンデンサ(ブースト時はC113、減衰時はC114)と1つの抵抗(R111)のみです。
このリファレンスデザインでは、オペアンプU100-BおよびU100-Cが、左右チャネルの二次ハイパスフィルタ形成のために使用されています。
パワー段
この設計では3チャネル分のスピーカのパワーアンプを備えています。MAX98400は左右のスピーカを駆動するためにステレオモードに設定されており、8Ωに対して20W × 2を提供します。第3のチャネルについては、MAX98400Aがモノラルのサブウーファのアンプとして設定されています。
モノラルモードでは、MAX98400Aの2つのD級出力が並列に接続され、より高い出力パワーを可能にします。サブウーファチャネルはモノラルモードで4Ωに44Wを供給可能です(VDD = 18V)。サブウーファチャネルの入力段は、左右チャネルに使用しているものと同じです。入力段のあとで、U5-Bを使用して左右の信号が加算され、モノラルのサブウーファチャネルが生成されます。R303を使用して、加算アンプでのサブウーファチャネルの利得を設定します。
非常に低い周波数まで最大限にフラットな応答を可能とするため、このシステムではサブウーファに6次フィルタアラインメント構成を使用しています。この方式は、ベント付きスピーカの4次ハイパス応答を、アクティブ回路による2次の電気的ハイパスで補足するものです。U5-Bを使用して、サブウーファ用の非反転サレンキー型、2次ハイパスフィルタを実現しています。
このシステムで要求される高いQ値は、40Hzで13dBのブーストにつながります(
図2 )。スピーカとアンプの過負荷を防止するために、スライディングハイパスとして動作するようにサレンキー型フィルタがセットアップされています。このフィルタは、アンプの出力が限界に近づくにつれて動的に動作します。入力抵抗R305の値が(光結合
FET 、U7を使用して)自動的に減少して、フィルタのQ値が0.5に低下し、結果としてまったくブーストなしになる値に設定されています。
サブウーファ用アンプU2のピーク出力電圧によって、光FETへの信号が制御されます。D6とC16がピーク検出器を形成し、高速なアタックタイムの出力ピークレベルを検出します。ピーク検出器の動作スレッショルドは、R7を実装するかR8/R9を実装するかによって、可変または固定にすることが可能です。この制御回路の作動時には、LED D5が点灯します。
図2. サブウーファチャネルのダイナミックバスブーストのシミュレーション結果。サブウーファのレベルが限界に近づくにつれて、ハイパスフィルタのQ値が低下するとともに、カットオフ周波数も高くなっています。
2つのオペアンプU5-CおよびU5-Dは、左右チャネルに使用されるハイパスフィルタを補完する4次のローパスサブウーファフィルタとして構成されています。
J1は電源入力コネクタであり、標準的なラップトップタイプの同軸ソケットが選択されています。一般的なラップトップ用電源の出力電圧は19V前後であり、ドッキングシステム用の電源として良好に機能します。C1とC2によってある程度フィルタ処理された電圧はPVDDと名づけられており、電源が供給されているときはD1が青に点灯します。
両方のアンプチップとも、単純なリセット回路(U6経由)を使用し、パワーアップ時とパワーダウン時に両ICをシャットダウンしています。この処置によって、入力回路のセトリングに起因する出力過渡ノイズを防止することができます。シャットダウン制御のスレッショルドは、R3とR4の抵抗分圧器によって約10Vに設定されています。
MAX98400は、インダクタベースの大きなフィルタを不要にするフィルタレス変調方式を特長としています。出力に必要となるのは単純なフェライトビーズ(L100~L301)のみです。
スピーカおよび物理的エンクロージャ
サブウーファに使用するラウドスピーカは、Tymphany製の5インチ径のモデル(型番:SLS-P830945)で、公称インピーダンス4Ω、共振周波数47.4Hzです。左右チャネルに使用している2インチのラウドスピーカもTymphany製で、モデルPLS-P830970です。これらのラウドスピーカは、公称インピーダンス4Ω、共振周波数147.5Hzです。
音響系は35Hzという低いf3 を目標としているため、6次のアラインメントを使用しています。このアラインメントには、アクティブクロスオーバ内の2次のハイパスフィルタが含まれています。システム全体は、3つのラウドスピーカ、チューンドポート、および回路PCBを単一のボックスエンクロージャに収容したものになっています。ボックスサイズを最小限に抑え、圧縮負荷によって効率を向上させるため、サブウーファは下向きにマウントされています。結果のボックス容積は約3.79l、ベントポートは54Hzにチューニングされています。ボックス全体の外形寸法は、約355mm × 180mm × 120mmです。スピーカクロスオーバイコライゼーションは、250Hzにおける4次のリンクウィッツライリー型として設計されています。サテライトのスピーカイコライゼーションは、f = 500Hz、利得 = +6dB、Q値 = 0.5のパラメトリックEQと、f3 = 3.8kHz、利得+5.8dBのシェルビングフィルタで構成されています。図3 に、システムの応答を示します。
図3. システム全体のシミュレーションで、40Hzまで最大限にフラットな応答が示されています。
この文書に含まれている機械設計図は、プロトタイプモデルの製作に使用したもののコピーです。プロトタイプの作成には1/4インチ厚の透明アクリル板を使用し、ビスとアクリル用接着剤、8.5 x 2.5インチのポートチューブを使用して組み立てました。コンシューマ製品版には、木、MDF、ABSなど、よりコスト効率に優れた材質を使用して作成することも可能です。
回路図
詳細画像(PDF, 335kB)
詳細画像(PDF, 329kB)
詳細画像(PDF, 343kB)
PCBレイアウト
機械設計図
詳細画像(PDF, 72kB)
詳細画像(PDF, 56kB)
詳細画像(PDF, 52kB)
詳細画像(PDF, 48kB)
システムの写真
FairchildはFairchild Semiconductor Corporationの商標です。 MaximはMaxim Integrated Products, Inc.の登録商標です。 PanasonicはPanasonic Corporationの登録商標および登録サービスマークです。 RCAはRCA Trademark Managementの登録商標です。 SwitchcraftはSwitchcraft, Inc.の登録商標です。 TymphanyはTymphany Corporationの登録商標です。
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APP 4320: Jul 02, 2009
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