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ラップトップのVGA信号切替えのリファレンスデザイン

筆者: Fred Zlotnick
Jul 09, 2009

要約:このアプリケーションは、低容量VGAスイッチMAX4885Eを使用してラップトップコンピュータでの切替え機能を実現する方法を示すものです。MAX4885Eは消費電流がほぼゼロであり、4mm x 4mmのパッケージに封止され、ディスクリート実装で使用されるスイッチと能動部品のほとんどが組み込まれています。デバイスのすべての出力が±15kV Human Body Model (HBM)まで保護されているため、設計者は多数のESD部品を省略することが可能で、コスト削減と基板スペースの節約になります。アプリケーション回路で、MAX4885Eを使用したラップトップとドッキングステーションの間のVGA信号切替えを示します。

はじめに

1987年にIBMがPCを発表して以来、アナログVGA信号は常にPCの世界の一部でした。現在、ほとんどのビジネス指向ラップトップは、ドッキングステーションおよび膨大な数の既存のプロジェクタとの組み合わせで動作する必要があります。ほとんどすべてのプロジェクタがVGAポートを備えており、標準的なユーザにとってはそれがラップトップを接続する唯一の一般的な方法になります。DVI™やHDMI™などのディジタル接続も登場していますが、プロジェクタの大半は依然としてVGAのみをサポートしています。

ドッキングステーションおよびVGAポート経由でVGAをサポートするという要件は、単一のディジタル規格がほとんどのラップトップが採用している青いVGAコネクタに完全に取って代わるまで、今後も長年にわたって存続すると思われます。マキシムはその切替え機能を実現するための低容量VGAスイッチMAX4885Eを発売しました。

MAX4885Eは消費電流がほぼゼロであり、4mm x 4mmのパッケージに封止され、ディスクリート実装で使用されるスイッチと能動部品のほとんどが組み込まれています。デバイスのすべての出力が±15kV HBM (ヒューマンボディモデル)に対して保護されているため、設計者は多数のESD部品を省略して、コストを削減し、基板スペースを節約することができます。

VGA切替えに最適化されたMAX4885E

RGB切替え

RGBの切替えには広帯域のスイッチが必要です。MAX4885Eは、50Ωで900MHz以上、ビデオでより広く使用される75Ωで600MHz以上の帯域幅を示す3つのSPDTスイッチを内蔵しています。QSXGAフォーマット(2560 x 2048)では3次高調波を通過させて波形品質を維持するために最大500MHzの帯域幅が要求されます。設計者によっては、より旧式の「バススイッチ」を使用することもありますが、MAX4885Eが6pFであるのに対してそれらの容量は12pFもあります。しかも、それらの旧式のバススイッチはESDダイオードを必要とするため、帯域幅がさらに減少し、システムのコストも増大します。

DDC切替え

DDCの切替えもMAX4885E上で行われ、2つのSPDT nチャネルFETを使用してSDASCLの切替えを行っています。実際に出力を切り替えることによって、使用中のモニタにだけシステムを接続することができます。出力を切り替えることによって、1度に1つのデバイスだけが接続されていることになるため、DDC回路から見たときの容量も減少します。さらに、ここでもすべての出力が±15kV (HBM)に対して保護されているため、ESDダイオードを追加する必要がありません。FETのゲートは、電圧レベルVLにスイッチングされます。この電圧は、通常はGPU I/O (2.5V~3.3V)と同じです。DDC信号は実際にはI²C信号であり、スイッチの両側にプルアップ抵抗が付いています。モニタへの信号は最大で5.5Vに達する可能性があるため、GPUの保護とレベルシフトが必要になります。スイッチFETのゲートをGPUと同じ電圧にバイアスすることによって、FETはVLを上回る信号からGPUを保護します¹。2つのSPDT nチャネルFETを使用することによって、GPUの容量性負荷が1つだけになり、高電圧およびESDイベントから保護されます。

水平および垂直のレベル変換とバッファ処理

水平および垂直の同期信号は、GPUとフルTTLレベルの信号とのインタフェースが要求されます。実際これらの信号は、モニタのプルアップによって+5.5Vに駆動される可能性があります。MAX4885Eは0.8V~2Vの信号を入力としてそれをフルTTL出力に変換する2つのレベル変換バッファを備えています。このデバイスは±8mAを供給可能であり、VESA仕様に適合しています。出力は5V基準であるため、電圧の互換性に関する問題は生じません。ここでも、水平および垂直出力は±15kV (HBM)のESD保護を備えているため、ダイオードの追加は不要です。

高調波安定性のための内蔵LCフィルタ

MAX4885Eでは、一般的にVGA切替えに使用されるすべてのキースイッチ、FET、およびバッファが4mm x 4mmの小型TQFNパッケージに集積化されています。しかし、多くのシステムでは高調波の輻射を防ぐために何らかの帯域幅制限フィルタが要求されます。MAX4885Eには、そのためのフィルタ機能は内蔵されていません。受動部品では値が大きすぎ、アクティブフィルタはかなりの電流を必要とします。MAX4885Eにトリプルアンプ/フィルタを集積化することも可能だったでしょうが、その場合はデバイスが最大100mAを消費することになります。これはラップトップでは許容できない大きな値です。代わりに、このデバイスのLCフィルタは電流を消費しないことで、同じ課題を達成しています。MAX4885Eはアイドル時で5µA以下、水平および垂直バッファによるモニタ駆動時でも数mAしか消費しません。

高い集積度による部品数の削減

表1に示すように、MAX4885Eによって14もの標準デバイスが代替されます。MAX4885Eは16mm²のパッケージ内に収まっていることを忘れないでください。

表1. MAX4885Eによって除去することが可能な部品
  Quantity Component Function Package Size
(mm²)
  1 74FST3257 R,G,B 16-TSSOP 35
  2 74LVC1G125 H,V SC70 8
  4 2N7002 DDC SOT23 24
  7 NUP2301 ESD SC88 28
Total
Savings
14       95

これらの標準的で安価なデバイスの集合は、95mm²を必要とする14の標準部品がMAX4885Eによって代替されることを示しています。より特殊な集積化されたデバイスを使用することによって、部品数を恐らく10、50mm²に削減する方法があるかも知れませんが、その結果、部品のコストは確実に増大します。

MAX4885Eの販売価格は、これらの多数の部品の合計コストを下回るように設定されています。このように、MAX4885Eによって基板スペースとその基板コストが削減され、RGBスイッチの信頼性と高周波数アナログ性能が向上します。

アプリケーション回路

図1の回路は、ラップトップ用のドッキングステーションアプリケーションにMAX4885Eを使用した例を示しています。すべての重要な部品が存在しています。ESDの問題もすべて対策されており、ドックと内部コネクタを選択する1つの制御ビットだけが必要になります。この回路の消費電流は、アイドル時でわずか数µA、水平および垂直バッファへの信号供給時でも数mAです。

図1. VGAスイッチMAX4885Eを使用した、ラップトップとドッキングステーションの間のVGA接続のアプリケーション回路。ドッキングステーション用のコネクタのピン割当ては設計者が決定します。この設計は1つの構成例を示すものに過ぎません。
図1. VGAスイッチMAX4885Eを使用した、ラップトップとドッキングステーションの間のVGA接続のアプリケーション回路。ドッキングステーション用のコネクタのピン割当ては設計者が決定します。この設計は1つの構成例を示すものに過ぎません。



¹Herman Schutte, "Bi-directional level shifter for I²C-bus and other systems," Philips.

HDMIはHDMI Licensing LLCの登録商標および登録サービスマークです。



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