リファレンスデザイン4380
に含まれる内容: 試験済み回路 回路図 説明 テストデータ レイアウト
3S3Pリアコンビネーションランプ(RCL)用LEDドライバ
筆者:
Jim Christensen, Strategic Applications Engineer
要約:このアプリケーションノートは3直列3並列(3S3P)構成のリアコンビネーションランプ(RCL)用LEDドライバのリファレンス設計を提供します。リニアドライバのMAX16823と外付けのBJTを使用して、この設計はストリング当たり200mAおよび増強された熱消費を提供します。また、テールライト入力用のPWM調光回路およびブレーキライト用の最大輝度も含まれています。ダブルバッテリおよびロードダンプ条件が考慮されています。
概要
このリファレンスデザインは3チャネルリニアLEDドライバのMAX16823 および外付けのBJT を使用して、3S3PのRCLドライバ回路を実現しています。図1 と図2 はPCBおよびそれに取り付けられたヒートシンクの画像を示しています。図3 はこの設計のレイアウト図を示しています。図4 はこの回路の回路図を提供します。
このリファレンスデザインは、以下の主要回路ブロックの解析、設計仕様、および性能データによって、詳細に論じられています。
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図1. PCBおよび取り付けられたヒートシンク
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図2.取り付けられたヒートシンクの側面からの画像
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図3. LEDドライバのレイアウト
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図4. LEDドライバの回路図
設計解析
設計は4つの主要ブロックで構成されます。入力保護と入力セレクタ、10%デューティサイクル発生器、ロードダンプおよびダブルバッテリ検出、およびLED駆動回路です。
入力保護
入力保護は主としてメタルオキサイドバリスタのMOV1とMOV2によって提供されます。この設計では、Littlefuse社のV18MLA1210Hを使用しました。(EPCOS社のQuality MOVも利用可能です。)環境に応じて、MOV のジュール定格はより大きいまたは小さいものが要求されます。
入力セレクタ
入力セレクタは電圧がテールライトのノードで利用可能な場合に、そのノードから電源を引き込むように設計されています。ただし、電源がブレーキ/ターン入力から利用可能な場合は例外です。電源がブレーキ/ターン入力から利用可能な場合は、必ずセレクタがアクティブにテールライト入力からの電流を遮断します。この方法ではおよそ600mAがブレーキ/ターン入力から流れ、それはRCLが機能していることを示します。LEDドライバまたはLEDそのものでフォルトが起こった場合、MAX16823はすべてのLEDを完全にオフにし、その結果、ブレーキ/ターンソースからの電流は5mA以下になります。ランプ出力回路はこの小さい電流の検出に成功し、サービスを要求する警告フラグを発行します。
テールライト入力が9Vを超えるか、またはブレーキ/ターン入力がグランドレベルか、またハイインピーダンスの場合に、D5とR16の組合せがQ4を増強するための検出回路を提供します。この電圧はLEDドライバの主電源であるVIN に給電するために、D3に印加されます。ブレーキ/ターン入力がテールライト電圧の2V以内である場合、Q4は導通せず、VIN はその場合、D4から供給されます。R17はグランドに対して2.1kΩの抵抗を提供し、このことによってこのノードの最大インピーダンスが保証されます。R17は0.5Wの抵抗でなければなりません。それはダブルバッテリ状態(24V)では、この抵抗が270mWを消費するからです。この回路の主な制限はブレーキ/ターン電圧とテールライト電圧の両方がアクティブである場合、ブレーキ/ターン電圧がテールライト電圧の2V以内であるという条件です。
10%のデューティサイクル発生器
10%のデューティサイクル発生器回路は10%のデューティサイクルの矩形波を提供し、それはLEDを調光するために、LEDドライバのMAX16823に供給することができます。これはテールライトソースが入力電圧を供給する場合は必ず生じます。R10とD2によって、U3 (ICM7555ISA)用の5.1V電源が作成されます。R10は0.25Wの抵抗でなければなりません。それはダブルバッテリ状態の間は、電力消費は44mWにもなるからです。タイマーU3はD1とR11を通したC6の充電によって決定されるオン時間(tON = 0.693 x R11 x C6 = 0.418ms [typ])およびR12を通してC6を放電することによって決定されるオフ時(tOFF = 0.693 x R12 x C6 = 3.8ms [typ])の非安定発振器で構成されます。このオン時間とオフ時間を合わせると、9.9%のデューティサイクルのおよそ237Hzの矩形波になります。図5 はデューティサイクルを図示しています。
抵抗R13によって電流が制限され、このスイッチングノードから発生するEMI 放射を低減します。物理的にR13をU3に近く配置すると、EMIが低減されます。10%の矩形波はD7とR14を通してU1に結合されます。D7によってOR回路が提供され、ブレーキ/ターン入力が利用不可の場合は必ず、10%のデューティサイクルの伝播が可能になります。この構成によって、テールライトが入力電源である場合は、LED輝度が下がります。しかし、ブレーキ/ターンソースが入力となる場合は、D7はその電圧をDIM1、DIM2、およびDIM3入力に受け渡し、その結果、100%のLED動作になります(より明るい輝度)。LEDGOOD信号は6Vを超えることができないため、R14は電流を2mA以下に制限して、D9とD2が電圧クランプを提供して、そのノードへの高電圧を阻止します。R15は電圧がD7のいずれのアノードにも存在しない場合にプルダウンとして働きます。400kΩの抵抗を使用すると、R15は1.5µAものシンク電流でも、DIMノードを0.6V以下に維持して、これはDIM入力からのソース電流の0.1µAに対して十分に余裕があります。
図5. 発振器出力
ロードダンプおよびダブルバッテリ検出
ロードダンプおよびダブルバッテリ検出回路はORになった入力電圧が21Vよりも大きくなるかどうかを決定します。21Vよりも大きい電圧はロードダンプ状態(400ms)またはダブルバッテリ状態(無限の時間)であることを示し、そのことによって、3つのLEDドライブトランジスタに過剰な消費が起こります。したがって、検出回路はDIMx入力をローに強制して応答し、そのことによって出力ドライバをオフにします。さらに、発生する可能性のあるエラー検出をディセーブルにするために、検出回路はLGCコンデンサ(C2)をローに強制します。DIMxおよびLGC端子は10V以下に制御される電圧であるため、Q5とD6の電圧定格は厳しくはありません。検出レベルはD8のブレイクダウン電圧とR18のグランド間の電圧の合計であり、それはおよそ22Vです。R9を20kΩとすると、それは漏れ電流を流し、20µAになるまで、Q5はオンになりません。
3S3PのRCL用LEDドライバ回路
このリファレンス設計のコアICはLEDドライバのMAX16823ATEであり、このため、そのIN端子は最大45Vの耐圧があります。このICはOUTxの各端子からの電流を提供して各LEDを駆動します。電流は電流検出抵抗によって測定されて、MAX16823はCS端子を203mVに維持するために、必要に応じて各OUTx端子の電流を調整します。IC自体は出力当たり70mAしか供給できないため、外付けドライバを追加してLEDストリング当たり200mAを供給し、かつその結果生じる大きな熱を消費させています。トランジスタQ1、Q2、およびQ3 (ZXT690BKTC)が必要とする電流利得を提供します。これらのトランジスタはTO-262パッケージで利用することができるため、ダイからの有効な熱の放散が可能です。
Q1、Q2、およびQ3は45V、2AのトランジスタでIC /IB の利得が200で、200mV以下の非常に小さいVCE(Sat) を備えています。VCE(Sat) 定格は重要あり、それは最小入力電圧(9V)と最大のLEDストリング電圧(3 x 2.65V = 7.95)の差がわずかに1.05Vだからです。Q4とD3での電圧降下、およびQ1、Q2、およびQ3のVCE(Sat) を満たすためにヘッドルームは十分でなければなりません。設計の詳細は付属のスプレッドシート を参照してください。
R1/R2、R3/R4、およびR5/R6の抵抗分圧器の組み合わせによって、最低5mAが各OUTx端子から引き出されて、ICの安定性が保証されます。この設計方法ではトランジスタのベースを流れる最小と最大の電流を解析して、その電流を直列抵抗のR1、R3、およびR5に印加します。抵抗の両端間の電圧降下の和、トランジスタのVBE 、および各電流検出抵抗の両端間の電圧降下がR2、R4、およびR6の両端間の電圧を提供します。それらの各抵抗の電流にベース電流を加算したものが最低5mAになるように、各抵抗の大きさを決めます。この反対の極値では、OUTxの電流は70mA (定格電流)以下でなければなりません。詳細は付属のスプレッドシートを参照してください。
熱について
この設計ではパストランジスタに6Wまでの電力を消費できます。このレイアウトでは、トランジスタのパッドを複数のサーマルビアを用いてPCBのボトム表面に接続して、押し出し成型のアルミニウムヒートシンクに対して電気的に絶縁(しかし、熱的に伝導)した粘着パッドを通してその熱を伝えて、トランジスタの温度上昇の低減をしています。このヒートシンクでは6Wの伝達でおよそ31℃の温度上昇になります。Zetexのトランジスタは接合部とケース間の熱抵抗を仕様化しませんが、他のメーカーのTO-262パッケージがそれをおよそ3.4℃/Wと仕様化しています。この熱抵抗ではトランジスタ当たり、ケース温度よりも5.4℃の温度上昇があることを意味します。全体として、ワーストケースの状態では周囲温度よりも35℃~40℃の温度上昇が予想され、事実、サンプル基板では、およそ30℃と測定されました。
過渡応答
図6 と図7 はテールライトが電源である場合のトランジスタの過渡応答を示すオシロスコープ写真を提供します。これが生じる場合、10%のデューティサイクル発振器のパルス幅がMAX16823を変調して、ドライバが外付けトランジスタをオンとオフにします。図6では、アンダーシュートの期間がおよそ3µsで、図7ではオーバーシュートがおよそ100µs続いています。いずれも問題はありません。
図6. トランジスタがオンになったときのトランジスタQ1のコレクタ(VIN = 12.5V)
図7. トランジスタがオフになったときのトランジスタQ1のコレクタ(VIN = 12.5V)
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APP 4380: Jul 17, 2009
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