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SEPICバックライトLEDドライバ

筆者: Jim Christensen, Strategic Applications Engineer
Oct 19, 2009

要約:これは70mA/ストリングの8つのWLED (白色LED)の8並列ストリング用のSEPIC/リニアLEDディスプレイバックライトドライバのためのリファレンスデザインです。調光比は4000:1です。入力電圧は50Vトランジェント耐圧で16V~36Vです。この設計は適応型フィードバックを使用するSEPICスイッチング電源と大きい調光比用のリニア電流シンクを組み合わせたものです。16チャネルLEDドライバのMAX16809が使用されています。

概要

このリファレンスデザインは12インチTFTディスプレイ用のLEDバックライトドライバです。電気的入力要件および出力性能は次の通りです。
  • VIN (電源):
    16V (1092mAの場合)~36V (476mAの場合)、50Vトランジェント耐圧
  • VBIAS
    3.3V (50mAの場合)
  • PWMIN
    250Hzのパルス列、1µs (min)のパルス、> 3.1Vで0mA、< 0.3Vで10mA
  • VLEDの構成:
    直列に8つのLED (2.9V~3.75V) (31V (max))、8並列ストリング、ストリング当たり70mA
図1. ドライバ基板にはMAX16809を搭載
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(PDF、51.64kB)
図1. ドライバ基板にはMAX16809を搭載

図2. ドライバ設計の回路図
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(PDF、14.83kB)
図2. ドライバ設計の回路図

簡単な回路の説明

このリファレンスデザインはSEPIC電源および16ポートLEDドライバ用に主コントローラとしてMAX16809を使用しています。16ポートはペアにグループ化されて、複数LEDの8並列LEDストリングを駆動します。SEPIC電源では入力電圧を出力電源よりも大きくも小さくもすることが可能です。車載環境のLEDでは、入力と出力電圧の変動が起こるため、これは好ましいトポロジです。SEPIC電源は200kHzの周波数で動作します。それはパワー部品の小型化のために充分に速く、しかもスイッチングMOSFETの過熱を防止するためには充分に遅い周波数です。Coilcraft®社製の結合インダクタL1はSEPIC電源に必要な1次と2次のインダクタンスを備えています。結合インダクタを使用すると、インダクタンスを2つの個別インダクタを使用する設計の半分にすることが可能です。

PCBはリードを備えた低ESR電解コンデンサの使用に変更されています。これらのコンデンサはPWM信号がシャットダウンしたときの電源の誘導エネルギーを吸収するために必要です。LEDストリング用の出力電圧は2つの8ピンヘッダから利用可能です。VLED+はヘッダの外列にあり、VLED-ピンはヘッダの内列にあります。必要があれば、出力フィルタコンデンサ用のパッドを利用可能ですが、この設計では実装されていません。Q2-D2-R8の回路は電流モードPWMコントローラ用のスロープ補償を提供します。この回路はRTCTランプ電圧に追従しますが、R7に電流を注入してランプ電圧を生成し、デューティサイクルが50%を超えたとき(入力電圧が最低の場合)に、コントローラのサブハーモニック発振を防止するために役立ちます。

SEPICのフィードバック経路はアダプティブとレスティングの2つのモードを備えています。アダプティブモード(PWM信号がハイの場合)では最低のドライバ電圧(最大の直列LEDストリング電圧)がおよそ700mVにレギュレートされるように各出力が「ダイオードOR接続」されます。このことにより、LEDドライバが正常な動作をするための十分なヘッドルームが与えられます。その他のLEDストリングはより小さい直列電圧となり、したがってこれらのドライバはより大きいヘッドルームを持つことになります。アダプティブモードではリニアLEDドライバによる電力消費が最小になります。LEDの絶対順方向電圧が問題とならないで、この方法が有効であるためには、各LED間の相対順方向電圧は相互に200mV以内で一致しなければなりません。熱を消費するためには、MAX16809はパッケージのエクスポーズドパッドの下に熱ビアを使用して、大きい銅プレーンに対する良好な熱接続を備えなければなりません。この基板では、底プレーンがICに対する冷却を提供しますが、より大きい表面積の複数プレーンのグランドを使用すると、熱をより良く消費します。

レスティングモード(PWM信号をローにした場合)では、VLEDは従来の電源と同様にレギュレートされ、電圧は非常に短いパルスに対する動作を保証する値に上昇します。電源の磁気回路は短いパルスに対して急速に充電不可能であるため、すべてのエネルギーは出力コンデンサから供給しなければなりません。レスティングモードでは、磁気回路が応答可能になるまで、コンデンサがこのエネルギーを維持するために十分に充電されることが保証されます。

ツェナーダイオードのD10は回路に対する過電圧保護を与えます。LEDストリングが切断された場合、適応型電圧制御は700mV要件を満たすために、VLEDを大きくしようとします。D10によって出力電圧は35.5Vに制限されます。この電圧は回路に損傷を与えませんが、その場合のLEDドライバの電力消費によってMAX16809を過熱します。チップの内部回路はその場合、温度が低下するまで、ドライバの電源を切断します。その結果の影響はLEDの点滅です。

LEDドライバはR5 (511Ω)によって35mAに設定されています。LEDストリングあたり2つのドライバを並列に接続して、ICはストリングあたり70mAを供給します。

シュミットトリガインバータのU2は発振器として構成されていて、MAX16809のSPI入力に対するクロックを供給します。DINはハイの接続になっているため、「1」の列が内部レジスタにクロック入力されて、すべてのLEDドライバはイネーブルになります。U2はまたPWM信号を反転して、MAX16809のOE#入力要件を満たします。

Q3-D11-R16の回路はMAX16809のPWMコントローラに対する入力電源をプリレギュレートします。この単純なリニアレギュレータによって入力電圧は12Vに低減されて、そのことにより、完全なICの動作とMOSFETのゲート駆動が可能になります。ICのLEDドライバ用の入力電源(V+)は外部の3.3V電源から供給しなければなりません。(これは元のPCBからの変更です。)各LEDドライバは最大負荷の50mAを提供します。

試験と性能の結果

図3. VIN = 18VおよびVIN = 36VとしたMOSFETの電流と電圧
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(PDF、34.14kB)
図3. VIN = 18VおよびVIN = 36VとしたMOSFETの電流と電圧

図4. 1µsのパルスと2msのパルスでのVLED。VLEDはレスティングモードとアダプティブモードの間で切り替わります。
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(PDF、34.23kB)
図4. 1µsのパルスと2msのパルスでのVLED。VLEDはレスティングモードとアダプティブモードの間で切り替わります。

図5. 1.5msおよび3.5msのパルスとした場合のLEDドライバ電圧、VLED電圧、およびMOSFET電流。VLEDがアダプティブモードに達するまではLEDドライバ電圧はハイです。
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(PDF、40.38kB)
図5. 1.5msおよび3.5msのパルスとした場合のLEDドライバ電圧、VLED電圧、およびMOSFET電流。VLEDがアダプティブモードに達するまではLEDドライバ電圧はハイです。

温度測定

以下の温度は負荷として8つの400Ω抵抗を使用して測定されました。

VIN
Ambient
16VDC
+20°C
TU1 +59°C
TQ1 +56°C
TL1 +65°C
TQ3 +46°C
TD1 +60°C

VIN
Ambient
36VDC
+20°C
TU1 +54°C
TQ1 +48°C
TL1 +61°C
TQ3 +57°C
TD1 +56°C

電源投入手順

  1. 8つのLEDのストリングを各出力に取り付けます。LEDストリングの正側は出力ヘッダの出力側のピンに取り付けなければなりません。LEDストリングの負側は出力ヘッダの内側ピンに取り付けなければなりません。
  2. 電源を投入していない3.3V電源をJ5に取り付けます。極性が正しいことを確認してください。
  3. 電源を投入していない18V~36V (定格2A)を入力のワイヤループに取り付けます。極性が正しいことを確認してください。
  4. 回路への電源をオンにします。そのシーケンスは重要ではありません。
  5. 250Hzのパルス波をJ4に印加します。パルス波は0V~3.3Vに可変で、デューティサイクルは0.1%~100%に可変でなければなりません。
  6. 電流検出抵抗R3のいずれかの側の大きいビアによって、接地したコイルとシングルエンドのスコーププローブを使用すると、低ノイズが可能です。


CoilcraftはCoilcraft, Incorporatedの登録商標です。



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