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ワイヤレス、RF、およびケーブル
キーワード:
rf, rfic, ケーブル, catv, モデム, docsis, ケーブルic, テレフォニー, rf ic
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APP 1015: Jul 09, 2003
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アプリケーションノート1015
MAX3509 +68dBmV CATVケーブル電話アップストリームのソリューション
要約:本アプリケーションノートは、MAX3509ケーブルアップストリームアンプからの出力信号を増大させ、回路切替えのケーブルテレフォニシステムをサポートする設計変更について述べています。アンプは66dBmVを生成するのに十分なゲインを備えています。出力リターンロス、熱に対する信頼性、および高調波歪みに対応するための詳細についても述べてあります。
追加情報
ワイヤレス製品ラインページ
MAX3509のクイックビューデータシート
アプリケーションテクニカルサポート
はじめに
回線交換型のケーブル電話アプリケーションでは、カプラの損失に打ち勝つような大きなアップストリーム信号が必要となります(
図1
)。MAX3509は、低高調波歪みを確保し、さらにDOCSIS (Data Over Cable Service Interface Specification)への準拠を維持しながらも高出力電力を駆動することができます。
図4
は、MAX3509 EVキット(評価キット)を改造して高電力を得られるようにしたものです。
図1. ケーブル電話のブロック図
MAX3509の概要
MAX3509は、CATVアップストリームアプリケーション用のプログラマブルパワーアンプです。この製品は、3線デジタルシリアルバスによって制御された可変利得アンプを特長としています。利得は1dBステップで制御できます。このデバイスは、5~65MHzの周波数範囲で動作します。MAX3509には送信ディセーブルモードがあり、TDMAシステムのバースト間でデバイスをハイアイソレーション状態にできます。このモードでは、すべてのアナログ機能がオフにされ、出力ノイズと消費電力が最小限になります。送信ディセーブルモードの入出時のトランジェントは、最大利得時で25mV (公称)です。また、消費電流は7.8mAに低減されます。
このパワーアンプには、計装用アンプとして構成されている2つの電流フィードバックアンプを備えています。この構造は、偶数次の高調波歪みに対して優れた性能を示しますが、シングルエンド出力に変換するための外付けのトランスが必要です。送信ディセーブルモードでは、パワーアンプへのバイアスが最小限に低減されるので、入出力間のハイアイソレーションと低出力ノイズを実現することができます。
MAX3509には、34dBmVの入力信号で駆動したときに66dBmVの出力レベル(1:1トランス)を生成するだけの十分な利得が備わっています。定格性能はこの入力レベルで達成されます。これより低い入力レベルが存在すると、最大出力レベルはこれに比例して低減され、出力の直線性が向上します。34dBmVを超える入力レベルを使用した場合、歪み性能が劣化します。
出力の反射減衰量
DOCSISでは、5~42MHzのアップストリーム経路で6dBの反射減衰量が要求されます。カプラを使えば、これは容易に満足できます。反射減衰量は、アップストリームアンプの出力インピーダンスがどうであろうと、7dBのカプラですでに14dBになります(図1)。
MAX3509は、送信モードで1.2Ω、送信ディセーブルモードで170Ωの出力インピーダンスになります。この出力インピーダンスは、MAX3509出力トランス(このケースでは、Toko 458PT-1087)により、1:4のインピーダンス比(N = 1:2電圧)で変換されます。MAX3509の等価ソースインピーダンスと出力トランスは、図4を調べて計算することができます。送信モードでは、1.2Ωの出力インピーダンスは、47Ωの抵抗に直列に接続された4.8Ω、すなわち51.8Ωに変換されます。送信ディセーブルモードでは、170Ωの出力インピーダンスは、47Ωの抵抗に直列に接続された680Ω、すなわち727Ωに変換されます。
安全動作領域
電流フィードバックアンプは、出力電圧を維持するのに必要なだけの電流を駆動します。これは、動的負荷での低歪みを達成できるというメリットがあります。ただし、低インピーダンス負荷は、より多くの電流をアンプから引き出します。したがって、消費電力や電力損失に注意しておく必要があります。デュプレックスフィルタの最初の構成要素は通常、出力負荷インピーダンスを低減するシャントコンデンサであり、電流消費を増大します。アップストリームアンプが駆動する最小インピーダンスは、デュプレックスフィルタの帯域エッジ42MHzにて生じるものと思われます。
MAX3509の連続電力損失は、+70℃で2200mWであり、70℃を超えると27mW/℃の割合で低減します。これは、JEDEC相当のPCBに基づいたものです。85℃、V
CC
= 9VにおいてJESD51-7相当のPCBで引き出せる最大I
CC
は、(2200 - (85 - 70) 27)/9 = 199mAとなります。
ボードレイアウトと出力負荷によっては、ヒートシンクを使用して最大電流消費(ICC)を安全に増大することができます。MAX3509の最大接合部温度の限度は、+150℃でありΘjc = 2.43℃/Wです。
図2. 電力損失
たとえば、MAX3509が、42MHz、70dBmV出力、周囲温度85℃において、230mAを消費していることがわかった場合、ヒートシンクの要件は次のように計算できます。
Pd = V
CC
× I
CC
= 9V × 230mA = 2070mWを求めます。次にΘjc + Θca = (Tj - Ta)/Pd = (150 - 85)/2.070 = 31.4C/Wを計算します。Θjcを減算してΘca = 28.97C/Wが得られます。Θca は、ヒートシンクの熱放散になります。ヒートシンクは、ほとんどの場合、周囲が金属のシャーシで設計されています。熱流の95%は、MAX3509の底部にある露出パドルを通過します。ヒートシンクまで延びた、露出パドルの真下にある熱プレーンは最も効果的に熱を放散する部品です。さらに、熱プレーンからグランドプレーンへのビアは、熱プレーンの表面積を拡大することで、熱放散を増大することができます。ケースの温度測定(Tc)により適正なヒートシンク設計を確認することができます。できるだけ露出パドルの近くで温度を測定することでケースの温度を求めることができます。注意が必要なのは、MAX3509の上部の熱伝導は極めて低いということです。したがって、製品の上部にヒートシンクを置いても効果はありません。
MAX3509の電力損失を低減するには、次の3つの基本的な方法があります。
低い出力電力で動作させる
大きな出力インピーダンスで動作させる
低いV
CC
で動作させる
この設計では、3つのすべてを利用しています。第1に、+67dBmVという低い出力電力で動作しています(
図6
を参照)。第2に、47Ωの直列出力抵抗を追加して出力インピーダンスを増やしています。第3に、データを8.3Vで取り出すことにより(9V未満のダイオードドロップ)、高調波に大きな影響を及ぼすことなく100mWの省電力を達成しています(
図10、11
を参照)。
性能を犠牲にすることなく製品を動作させるには、ヒートシンクの使用が最良の選択肢です。
システム設計
最終目標は、DOCSISに準拠するということです。主な障害の1つは、スプリアス発射の要件です。
図3
は、DOCSISの総合スプリアス発射の制限値を示しています。克服すべき過酷な動作条件は、54~60MHzと60~88MHzの周波数帯域における全電力(+58dBmV)のスプリアス発射制限値です。図3は、それぞれ93dBcと98dBcの抑制が必要であることを示しています。帯域内スプリアス発射制限値(5~42MHz)は-47dBcであるため、帯域内と帯域外の両方でアンプから-50dBcの高調波を受けることは極めて一般的です。このためデュプレックスフィルタを使用して帯域外の高調波を減衰しています。デュプレックスフィルタを設計するためには、デュプレックスフィルタの減衰量の設計目標を決定するため、アップストリームアンプ(MAX3509)の2次及び3次の高調波歪みデータとシステム仕様(DOCSIS。図3を参照)が必要です。
MAX3509などの差動バイポーラ製品では、2次高調波歪みに比べて、3次高調波歪みが制限要因となりやすくなります。3次高調波歪みの2つの限界点は、fo = 18MHz (54MHzの3次)とfo = 20MHz (60MHzの3次)になります。
図6
は、22MHzの3次高調波歪みを示しています。これはあらゆる実用上、18MHzと20MHzに十分近い値です。
図3. DOCSISの総合スプリアス発射制限値
図5~8
は、9MHz、22MHz、33MHz、及び42MHzの高調波歪み対出力電力を示しています。60MHzは、DOCSISの仕様が-40dBmVすなわち98dBc (58-(-40))にドロップするポイントです。MAX3509は、Pin = 33dBmVにおいて、fo = 22MHz (66MHzでの3次高調波)で-53dBcとなります(図6を参照)。デュプレクサは、60MHzで45dBc (98-53)を必要とします。デュプレクサのもう1つの限界領域は、DOCSIS制限値が-35dBmVである54MHzにあります。18MHzの3次高調波が54MHzです。したがって、54MHzでの必要なデュプレクサの挿入損失は40dBc (58+35-53)になります。3次高調波が制限要因であることに留意してください。最適な入力電力は、33dBmV、またはおそらくそれ未満になります。
テスト条件
すべてのテストは室温にて実施する。
出力トランスはToko 458PT-1087 N = 1:2とする。
図4. テスト条件の図
図5は、9MHzの基本入力周波数についての2次と3次の高調波歪みのデータを示しています。このグラフは、Pin = +33dBmVにおいて帯域内高調波が59dBcより良好であることを示すのに有効です(3次高調波が制限直線性になります)。これは、DOCSISの47dBc要件を上回ります。
図5
図6は、22MHzの基本入力周波数についての2次と3次の高調波歪みのデータを示しています。このグラフは、Pin = +33dBmVとPout = +67dBmVにおいて帯域外高調波が53dBcより良好であることを示すのに有効です(3次高調波が制限直線性になります)。
Figure 6
図7は、33MHzの基本入力周波数についての2次と3次の高調波歪みのデータを示しています。このグラフは、Pin = +33dBmVとPout = +67dBmVにおいて帯域外高調波が51dBcより良好であることを示すのに有効です(3次高調波が制限直線性になります)。
図7
図8は、42MHzの基本入力周波数についての2次と3次の高調波歪みのデータを示しています。このグラフは、Pin = +33dBmVとPout = +67dBmVにおいて帯域外高調波が50dBcより良好であることを示すのに有効です(3次高調波が制限直線性になります)。
図8
図9
は、いくつかの基本入力周波数についての3次高調波歪みのデータを示しています。このグラフは、周波数に対する3次高調波の性能を示すのに有効です。
図9
図10は、V
CC
を8.3Vに低減することによる3次高調波歪みのデータの変化を示しています。
図10
図11は、V
CC
= 8.3Vを使用することによる100mWの省電力を示しています。
図11
図12
は、V
CC
= 8.3Vを使用することによる100mWの省電力を示しています。
図12
図13
は、V
CC
の少しの変化はI
CC
にあまり影響しないことを示しています。
図13
結論
MAX3509は、カプラ損失に打ち勝ってDOCSISの電力レベルを満足するよう構成することができます(図4を参照)。このソリューションは、次の手順を合わせたものです。
1:2出力トランスを使用して6dBだけ電圧を増大します。
適正な熱抵抗を備えたシャーシに熱の層を追加します。これにより、MAX3509は、SOAでの高度な直線動作を確保するだけの電流を消費できます。
入力駆動を+33dBmV未満に低減し直線性を増大します。
直線性を得るため、出力電力を+67dBmVまで低減します。
直列出力抵抗を追加し、MAX3509の電力損失を制限します。
付録
JEDEC熱テストボード仕様の概要(JESD51-7)
この仕様に記載された熱テストボードは、マキシムICのアプリケーションに最もよく適しています。
材質:FR-4
層:2信号(前面と裏面)及び2プレーン(内部)
仕上がり厚:1.60±0.16mm
金属厚
前面と裏面のトレース:2オンス銅(仕上がり厚0.070mm)
2内部プレーン:1オンス銅(仕上がり厚0.035mm)
誘電体層の厚み:0.25~0.50mm
ボードサイズ:76.20mm × 114.30mm±0.25mm (1辺27mm未満のパッケージ用)
部品面のトレース設計
:トレースは、テストデバイスがボードの中央にくるようレイアウトしてください。トレースは、パッケージ本体の端から25mm以上、引き出す必要があります。トレース幅は、0.5mmピッチ以上のパッケージに対して0.25±10%になるものとします。ピッチがこれより微細なパッケージについては、トレース幅はリード幅と等しくなるものとします。トレースのパターンとトレースの終端についての要件は、JESD51-7に規定されています。
裏面のトレース設計
:スルーホールビアで終端処理した部品面のトレースは、トレースまたはワイヤ(22AWGまたはそれより細い銅線)によってエッジコネクタに接続することができます。JESD51-7には、ワイヤの各サイズに対する電流制限値が規定されています。
電源プレーンとグランドプレーン
:電源プレーンとグランドプレーンは、ビアによる絶縁間隔パターン以外は、途切れてはなりません。プレーンは、エッジコネクタのパターンから9.5mm以内にあってはなりません。その他の要件については、JESD51-7に規定されています。
参考資料
マキシム
MAX3509データシート
マキシム
MAX3509評価キットのデータシート
JESD51-7 (リード付き表面実装パッケージ用の高効率熱伝導テストボード)」
http://www.jedec.org/DOWNLOAD/search/default2.cfm
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