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アプリケーションノート 1106

周波数プランと評価ツール

要約:このアプリケーションノートでは、無線周波数プランに使用するExcelスプレッドシートについて説明します。このスプレッドシートはダウンロードして利用可能で、セルラとPCS電話機の設計に対応しています。ここに挙げる例は、IS-136 TDMA無線機の設計用です。受信IFと送信IFの周波数の差は45MHzにしています。これによって、単一のRX IFと単一のTX IFをセルラとPCSの両方の動作で使用できるようになります。稼動中のソフトウェアのスクリーンショットを用いて、このソフトウェアの使用方法を説明しています。

追加情報 あらゆる無線周波数(RF)のトラシーバの設計において最も重要なステップの1つは、周波数プランの正しい選択です。周波数プランの実行においても基礎となるのは、ミキサ動作に関する、よく知られた以下の公式です。
fsp = m × frf ± n × flo¹
fspは、スプリアス出力周波数です。
frfは、RF信号です。
floは、LOすなわち局部発振器の周波数です。

現代のマルチバンドのセルラ電話では、単純と思われる事柄でもかなり複雑な問題を伴います。設計者は、以下の問題を解決するための最適なソリューションを考える必要があります。
  • 性能の問題:適切な中間周波数(IF)を決定し、帯域内スプリアス信号(特にレシーバの自動ミューティングを起こす可能性のあるもの)を排除する
  • コストの問題:IFフィルタの数を最小限にする
  • TDMAシステムの性能の問題:ハーフIF (オフセット)問題を軽減する
  • 設計の実現性とコストの問題:主要な電圧制御発振器(VCO)の周波数振幅を確定する
設計者にとって有効なソフトウェアは多数存在し、後は、インターネットからこれらをダウンロードするだけです。これらのプログラムの中には、出力リストを表にするものがありますが、冗長なだけのものです。また、出力をグラフ化したプログラムもあり、これは設計内容を高度に表現する場合には強い印象を与えることができますが、詳細を理解する場合にはあまり役立ちません。

このアプリケーションノートで用意したExcel スプレッドシートは、理解しやすく使いやすいツールです。これはシングル及びマルチバンドトランシーバの周波数プランに使用します。本来、このスプレッドシートはセルラとPCSの電話アプリケーション用に考案したものです。セルラやPCSのチャネル番号を入力すると、スプレッドシートは入力されたレシーバIFに基づいて、トランスミッタ出力、レシーバ入力、主要な局部発振器の周波数、及びトランスミッタIFを自動的に計算します。同時に、任意の数のプランを検討することも可能です。デフォルトのスプレッドシートの例では、3つのレシーバIFを評価しています。このスプレッドシートには、IS-136 TDMA無線機の設計という別の目的もありました。この理由のため、PCSバンド内でRX IFとTX IFの差を45MHzに選択しました。このソリューションは、セルラバンドとPCSバンドの両方に単一のRX IFと単一のTX IFを使用することで、ハードウェアのコストを大幅に削減しています。

このスプレッドシートを利用するにあたって、いくつかの留意点を以下に示します(図1を参照)。
  1. 紫色のセルに1か2を入力して、LOがハイサイドかローサイドを選択します。
  2. 黄色のセルに1、2、3のいずれかを入力して、その下のセルの中からRX IF周波数を選択します。これらの周波数は、必要に応じて手動で変更することができます。
  3. 青色のセルを使用して、評価する周波数チャネルを入力します。
  4. RXまたはTX帯域内にスプリアス応答があれば、そのスプリアスの周波数が自動的に赤色で強調表示されます。
  5. 無効なチャネル番号を入力すると「Ch# Error」と表示されます。
図1. 周波数プランスプレッドシートは、黄色、紫色、及び青色のセルに適切な値を入力することで操作します。
図1. 周波数プランスプレッドシートは、黄色、紫色、及び青色のセルに適切な値を入力することで操作します。

2つ目の表である「VCOプラン」では、評価した周波数プランにおいて、VCOにどれだけの周波数範囲が必要であるかを調べます。図2にこのサンプルを示します。この表は、セルラバンドでの稼動時に、VCO出力上で2分周を使用することを基本にしていることに留意してください。

図2. VCOの最大同調範囲の計算
図2. VCOの最大同調範囲の計算

参考資料

  1. Bullock, Scott, Transceiver System Design for Digital Communications, Tucker, GA.:Noble Publishing, 1995, section 3.16.1, pp. 124-128.


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