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アプリケーションノート 1124

AMPSパワーアンプ(PA)が50%のPAEを実現

要約:MAX2251は、TDMA/AMPSデュアルバンドシステム用に設計された低電圧のリニアパワーアンプ(PA)です。このデバイスは、2.06mm x 2.06mmのチップスケールパッケージで提供されるので、プリント基板のスペースが貴重となるポータブル機器にとってまさに理想的です。このアプリケーションノートでは、AMPSモードシステム用にデバイスを最適化して動作させることで、ほぼ50%のPAEが帯域全体で実現可能であることを実証しています。

追加情報

概要

MAX2251は、TDMA/AMPSデュアルバンドシステム用に設計された低電圧のリニアパワーアンプ(PA)です。このデバイスは、2.06mm x 2.06mmのチップスケールパッケージで提供されるので、プリント基板のスペースが貴重となるポータブル機器にとってまさに理想的です。このアプリケーションノートでは、AMPSモードシステム用にデバイスを最適化して動作させることで、ほぼ50%のPAEが帯域全体で実現可能であることを実証しています。

目的

MAX2251標準評価キットをAMPS専用に最適化して、セルラバンド全体(824~849MHz)で50%のPAEを得る。

方法

図1は、実施するすべてのテストで使用する基本セットアップを示しています。標準評価キットを用意して、AMPSの初期性能を測定します。「開梱直後」の初期測定結果を表1に示します。

図1.
図1.

表1. 「開梱直後」の測定結果
Parameter Measured Value Units
FIN 836 MHz
POUT 30 dBm
PIN 2.36 dBm
Gp 27.64 dB
ICC 791 mA
VCC 3.3 Vdc
PAE 38.2 %

MAX2251評価キットは、AMPSとTDMAの両方のモードで最適に動作するよう製作され、テストされています。TDMAにおける直線性の要件は、PAの中間段が飽和せずに動作しなければならないというものです。これはAMPSには当てはまらないので、AMPS専用のシステムで最適な効率を実現するために回路を再調整しても問題ありません。この目的のため、最初に出力マッチングネッチワークを調整しました。EV (評価)キットでは、これはプルアップインダクタ、PCBマイクロストリップ、及びシャントコンデンサだけで構成できます。マイクロストリップに沿ってシャントコンデンサの位置を変更するとマッチングを調整することができます。この位置は、PCBのシルクスクリーン上に参照用としてマークが付けられています。表1のデータは、#1というマーク位置(ICに最も近い位置)にシャントコンデンサ(C12)を配置して得られた値です。

標準評価キットを測定した後、C12をICから次第に遠ざけて配置することで出力マッチングを調整した結果、最適な位置がほぼ#3.5のマーク位置にあることがわかりました。さらに、実験によって、C12の値を設計値の10pFから9.1pFに減少するべきであることが明らかになりました。これによって、中間バンドでかなりの効率(約48%)を実現しました。

出力マッチングを最適化した後は、段間マックングに注力しました。出力段と同様、段間マッチングもEVキット上でスライド可能なシャントコンデンサ(C5)を用いて行います。実験から、最適な位置はICから約0.100インチ(2.54mm)離れた位置にあることがわかりました(出力と違って、中間段のストリップラインにはマークはありません)。この調整により、中間バンドで若干の向上を実現できました。

MAX2251の再調整で採用した3番目の手法は、2つの段のそれぞれに最適なバイアス電流を求めることです。このデバイスは、オンチップのバンドギャップリファレンスを利用しているので、各段で独立した外部バイアス制御が可能です。これは、各段に外付け抵抗(R3及びR4)を使用するか、段の各バイアスポートに電流を集めることで達成できます。バイアス電流の理想的な組み合わせを決定するため、に示す配置を使用しました(図1のセットアップはそのままで、追加部分のみ記しています)。

図2.
図2.

上記の構成を用いると、各段のバイアス電流を調整でき、リアルタイムで結果を確認することができます。最適な性能の設定が見つかった時点で、各キャリブレータの電圧を書き留めました。結果として、キャリブレータAは1.9Vdcを供給するように設定し、キャリブレータBは1.69Vdcに設定しました。Bias1とBias2における実際のバンドギャップ電圧を測定することで、各ポートに流れる電流の概算が可能となります。
VA = 1.9Vdc
Vbias1 = 1.266Vdc
R3' = 47.5kΩ
R3 = 47.5kΩ
R3'を流れる電流は、以下のとおりに算出されます。
IR3' = (VA - Vbias1) / R3' = (1.9Vdc - 1.266Vdc) / 47.5kΩ
IR3' = 13.347µA
また、R3を流れる電流は、以下のとおりに算出されます。
R3 = Vbias1 / R3 = 1.266Vdc / 47.5kΩ
IR3 = 26.936µA
次に、Bias1に流れる実際の電流は、以下で求められます。
Ibias1 = IR3 - IR3' = 26.936µA - 13.347µA
Ibias1 = 13.589µA
最後に、R3の新しい抵抗値を選定します。
R3new = Vbias1 / Ibias1 = 1.266Vdc / 13.589µA
R3new = 95.3kΩ
すなわち、R3として95.3kΩの抵抗を使用し(入手できる最も近い値)、R3'は取り除きます。

R4とR4'についてもこの手順を繰り返します。
VB = 1.69Vdc
Vbias2 = 1.148Vdc
R4' = 11kΩ
R4 = 11kΩ
R4'を流れる電流は、以下のとおりに算出されます。
IR4' = (VB - Vbias2) / R4' = (1.69Vdc - 1.148Vdc) / 11kΩ
IR4' = 49.273µA
また、R4を流れる電流は、以下のとおりに算出されます。
IR4 = Vbias2 / R4 = 1.148Vdc / 11kΩ
IR4 = 104.364µA
次に、Bias2に流れる実際の電流は、以下で求められます。
Ibias2 = IR4 - IR4' = 104.364µA - 49.273µA
Ibias2 = 55.091µA
最後に、R4の新しい抵抗値を選定します。
R4new = Vbias2 / Ibias2 = 1.148Vdc / 55.091µA
R4new = 20.838kΩ
R4として20kΩと800Ωの抵抗を直列で使用し、R4'は取り除きます。

図3.

結果

出力マッチング、段間マッチング、及び第1段と第2段のバイアス抵抗を調整した後の最終結果を表2にまとめています。

表2. 最終結果
Parameter Measured Value Units
FIN 824 836 849 MHz
POUT 30 30 30 dBm
PIN 3.22 4.0 5.38 dBm
Gp 26.78 26 24.62 dB
ICC 620 609 604 mA
VCC 3.3 3.3 3.3 Vdc
PAE 48.7 49.6 50 %

上の表からわかるように、MAX2251は、回路設計をほんのわずか調整するだけで、AMPS環境で利用できます。必要な配慮を行えば、PCBのスペース、バッテリ寿命、設計時間、及び最終的には製品コストを節約できる実用的なソリューションとなります。


関連製品  APP 1124: Aug 13, 2003
MAX2251 +2.8V、単一電源、セルラ帯域リニアパワーアンプ フルデータシート
(PDF, 136kB)

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