要約:このアプリケーションノートでは、ワイドバスケーブルおよびホストバスアダプタ(HBA)の終端のためのSCSIターミネータの接続方法について説明します。
はじめに
SCSI (Small Computer System Interface:小型コンピュータシステムインタフェース)バスシステムの性能については、多くの説明がなされています。しかし、新規ユーザのための、物理的なバス接続に関する説明はほとんどありません。このアプリケーションノートでは、システムレベルの説明から開始して、実際のピンレベルの接続に至るまでの説明を行います。この記事の目的は、一般的なワイドバスアプリケーションにおいて、DS2125ターミネータを接続するために必要な詳細情報を新規のSCSIユーザに提供することです。
SCSIネットワークアプリケーション
図1 は一般的なSCSIネットワークアプリケーションを示しています。この図は、SCSIバスに接続可能なさまざまなデバイスを実際に示したものです。図では、ワークステーションがメインコントローラとしての役割を果たしています。このため、ホストバスアダプタ(HBA)カードがオンボードでSCSI終端を備え、ワークステーションのエンクロージャ内に収められてコンピュータのマザーボードに接続されます。またSCSIハブがバスの末端の終端を備え3つ以上のポートを経由して別のSCSIネットワークに分岐されます。
図1. 一般的なSCSIネットワークのアプリケーション
ただし、この構成では、小さなサブシステムを共有ネットワークバスに接続可能であるかどうかは明らかではありません。たとえば、RAID (Redundant Array of Independent Disks)ドライブには、RAIDエンクロージャ内に複数のSCSIドライブが接続されている可能性があります。RAIDエンクロージャにはRAID自身のSCSI終端が設けられています。同様のことがサーバのサブシステムにも当てはまります。
図2 において、ディスクのサブシステムを詳しく見てみましょう。前述のように、HBAカードはマザーボードに接続されています。この図は、HBAからn+ディスクまでのデイジーチェーンによる接続を示しています。Ultra3やその他のワイドバスアプリケーションでは、HBAカードを含めて最大16のデバイスを1つのSCSIバスに接続することができます。
図2. 一般的なSCSIディスクドライブのシステム
以下の例は、HBAカードとSCSIケーブル上での終端を示しています。したがって、必要なターミネータは2つだけです。1つがHBA上のバスの先頭にあり、もう1つがケーブルの末端にあります。場合によっては、ケーブルで終端する代わりに、最後のディスクドライブに終端を接続することができます。ただし、いかなる場合でも、ディスクドライブとケーブルの両方を終端してはなりません。余分な終端はシステム性能を低下させるおそれがあり、場合によっては、データ完全性の限界損失を招くおそれがあります。
DS2125は、15ラインのLVD/SE SCSIターミネータICであり、シングルエンド(SE)と低電圧差動(LVD)の両方の信号に適切なインピーダンスレベルを供給します。すなわち、SEモードでは15ライン、LDVモードでは15ペアを使用して、適切なラインインピーダンスを供給します。
図3a. DS2125 Ultra3 LVD/SEマルチモードSCSIターミネータのブロック図
図3b. DS2125 Ultra3 LVD/SEマルチモードSCSIターミネータの機能ブロック図
一般的なアプリケーションでは、図4 に示すように、SCSIデバイスはデイジーチェーンで接続されています。DIFF_CAP信号はDIFFSENSラインを監視してデバイスの適切な動作モードを決定します。また、DIFFSENSEピンは、SCSI DIFFSENSライン(MSTR/SLV = 1のとき)を駆動してSCSIバスの動作モードを決定することもできます。DS2125は、DIFFSENSの駆動と検出を行うことで、LVD終端とSE終端の両方を併せ持っています。
図4.一般的なDS2125 SCSIバスの接続
バンドギャップリファレンスは、2つのアンプに供給され、LVDモードで1.25Vリファレンス電圧、およびSEモードで2.85Vリファレンス電圧を生成します。同じ制御ロジックによって並列抵抗の組み込みをオン/オフして、各モードに応じて終端抵抗の値を変化させています。SEモードでは、RxPピンはグランドに切り替わります。
DIFFSENSE回路は、3段階のロジックを復号します。SCSI DIFFSENSの制御ラインには、3つの電圧のうちの1つが存在します。電圧が0.6V未満である場合、SEモードが選択されます。DIFFSENSが2.15Vを超える場合、HVDモードが選択されて、DS2125そのものがバスから切り離されます。DIFFSENSラインが0.6V~2.15Vの間にある場合、LVDモードが選択されます。図4で示すISO入力ピンは、すべてのデバイスをバスから切り離すために、HBAによってハイにプルアップされる場合があります。
図5 は、SCSIワイドバスアプリケーションの全体配線図です。この図は、68ピンのP型コネクタに接続されているバス終点のアプリケーションを示しています。ワイドバスの各終点は2つのDS2125 SCSIターミネータを必要とするため、図4に示すように、経路を終端するのに合計4つのデバイスが必要です。バスの各終点で1つのデバイスがマスタとして選択されていることがわかります。MSTR/SLVピンをハイにプルアップすると、DIFFSENSEピンが該当するモードのレベルを出力し、DIFF_CAPピンによって検出されます。
図5.一般的なSCSIワイドバスのピン接続
LVD/MSEのピン配置 ― Pケーブル
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