要約:MAX5074の回路は、36V~72Vのソースで動作する絶縁出力を備えた、5V、3A、DC-DCステップダウンパワーコンバータの参照設計として機能します。このアプリケーションノートでは、詳細な回路図、メーカの製品番号を記載した全部品リスト、および平面トランス設計の例を紹介します。変換効率は、48Vの入力で、1.5A~2.5Aの負荷範囲について84.5%を超えます。1A負荷の過渡応答は、20mV未満で、100µsで整定されます。リップルは、2.5Aの負荷と60Vの入力において8mVP-Pです。ソフトスタートでは、ターンオン時間は5msになります。
概要
この参照設計は、MAX5074の評価キットに基づいています。この評価キットは本来、36V~72Vの入力電圧範囲で12V、1.2Aを供給するために設計されたものです。簡単な非同期アーキテクチャを維持しながら、5Vにおける効率は、大部分の出力電流範囲内で、48Vにて84%を超えます。危険な電圧に該当する警告、および基板の概要については、MAX5074の評価キットのデータシートを参照してください。
このアプリケーションノートには、5V出力のアプリケーションの部品リストを記載し、性能データを示します。また、基本的な5層平面トランスを設計し、そのレイアウトを参考として記します。
特長
- 絶縁15Wフォワード型DC-DCコンバータ
- 36V~72Vの入力範囲
- 5V出力で最大3Aを供給
- 48Vと2.5Aで84.5%の効率
- ブリックモジュールの実装面積が8分の1
- サイクルごとの電流制限保護
- プログラム可能な障害保護内蔵
- スイッチング周波数:250kHzにプログラミング済み
- サーマルシャットダウンを内蔵
- 基本的な1次側/2次側絶縁
- ソフトスタート
部品リスト
| DESIGNATION |
QTY |
DESCRIPTION |
| C1 |
1 |
4.7µF ±10%, 16V X7R ceramic capacitor (1206) TDK C3216X7R1C475K |
| C2 |
1 |
100pF ±5%, 50V COG ceramic capacitor (0603) TDK C1608COG1H101K |
| C3, C13 |
2 |
1µF ±20%, 16V X7R ceramic capacitors (0603) TDK C1608X7R1C105M |
| C4, C6 |
2 |
220pF ±10%, 50V X7R ceramic capacitors(0603) TDK C1608X7R1H221K |
| C5, C7, C17 |
3 |
0.1 µF ±10%, 50V X7R ceramic capacitors (0603) TDK C1608X7R1H104 |
| C8 |
1 |
1.0µF ±10%, 50V X7R ceramic capacitor (1206) TDK C3216X7R1H105K |
| C9 |
1 |
1.0µF ±20%, 100V X7R ceramic capacitor (1210) TDK C3225X7R2A105M |
| C10, C11 |
2 |
0.01 µF ±10%, 100V X7R ceramic capacitors (0805) TDK C2012X7RZA103K or Murata GRM21 BR72A103K |
| C12 |
1 |
0.33µF ±10%, 16V X7R ceramic capacitor (0603) TDK C1608X7R1C334K |
| C14 |
1 |
2.2µF ±20%, 16V X7R ceramic capacitor (0805) TDK C2012JB1C225M |
| C15, C16 |
2 |
150µF, 6.3V ESR < 12mW Panasonic EEFUE0J151R |
| C18 |
1 |
0.0047µF ±10%, 250VAC X7R ceramic capacitor (2220) Murata GA355DR7GC472K |
| C19 |
1 |
100µF, 100V ESR < 0.15W BC Component 2222 13669101 |
| C20 (R8 position) |
1 |
1nF ±10%, 50V X7R ceramic capacitor (0603) TDK C1608X7R1H102K |
| C21 |
1 |
180pF ±5%, 50V COG ceramic capacitor (0603) TDK C1608COG1H181J |
| D1, D2 |
2 |
100V, 1A schottky diodes (SMA) SS1H10 Vishay |
| D3, D4 |
2 |
40V, 2A, schottky diodes (SMB) MBRS240LT3 ON-Semiconductor |
| L1 |
1 |
10.2µH, 4.7A inductor Panasonic ETQP6F102HFA ESR < 14mW |
| R1 |
1 |
30.9kW ±1 % resistor (0603) |
| R2 |
1 |
10.2kW ±1 % resistor (0603) |
| R3 |
1 |
182W ±1 % resistor (0805) |
| R4a, R4b |
2 |
0.15W ±1 %, 0.25W resistor (0805) CRL1220 Megitt CGS |
| R5 |
1 |
316kW ±1 % resistor (0603) |
| R6 |
1 |
14.7kW ±1 % resistor (0603) |
| R7 |
1 |
1.78kW ±1 % resistor (0603) |
| R8 |
1 |
Fitted with C20 |
| R9 |
1 |
Not installed, resistor (0603) |
| R10 |
1 |
1MW ±5 % resistor (0603) |
| R11 |
1 |
200kW ±1 % resistor (0603) |
| R12 |
1 |
100W ±1 % resistor (0603) |
| R13 |
1 |
604W ±1 % resistor (0603) |
| R14 |
1 |
15W ±5 % resistor (0603) |
| R15 |
1 |
7.5kW ±1 % resistor (0603) |
| T1 |
1 |
20W Custom Planar Transformer with ER23 ferrite core |
| U1 |
1 |
MAX5074AUP (20-pin TSSOP-EP) |
| U2 |
1 |
30V, 100% to 200% CTR optically isolated error amplifier (8-pin SO) Fairchild Semiconductor FOD2712 |
| None |
1 |
MAX5074 PC board |
MAX5074のEVキットの変更
100µFの電解コンデンサ(C19)を入力に追加します。コンデンサの値は33µFに下げることが可能ですが、入力リップル電流による損失を減少させるために、低ESRを満たすことが重要です。テストした部品(BC Components 2222 13669101)の定格は、ESR < 0.15 です。
トランスは、ER23のフェライトセットを用いています。これは数社のメーカから入手することができます。フェライト材料は、3F3、N49、またはその相当品で、250KHz以上で低いコア損失を示します。
巻線は、5つの層の70µm銅で作成され、80µmの誘電体層で分離されています。5つの層のみを使用し、補助巻線の帰線(ピン6)は、エナメル線ストラップで最上層に接続します(図3を参照)。
1次の巻数は11で、測定したESRの値は225m です。2次の巻数は4で、ESRは25m です。補助巻線の巻数は4で、必要なESRは1 未満になります。
1次インダクタンスの測定値は340µHですが、1次漏洩インダクタンスはわずか430nHです。これは、平面構造の直接的な利点です。1次と2次の間の寄生容量は110pFです。
出力フィルタは、より低い出力電圧用に変更します。すなわちインダクタL1は10.2µHとなり、合計の出力容量は300µFです。
内蔵している障害保護の遅延を増大し、C3は1µFに等しくなります。
クランピングダイオードのD1とD2は、SSH10 (またはその相当品) 100V 1Aのデバイスに置き換えます。これによって、異常な負荷やトランスの欠陥が存在する場合に、順方向瞬間電圧が減少します。
R1 = 30.9KおよびR2 = 10.2Kによって出力電圧を5Vに設定します。
180pFのコンデンサ(C21)をR1の両端に追加し、閉ループ回路の反応速度を向上します。
7.5Kの抵抗(R15)をC13とともに挿入し、高周波誤差アンプの利得 = 1に設定します。
R8を1nFのC20に置き換えて高周波残留を除去します。
R3を180Wに低減し、オプトカプラの最大LED電流を21mAに設定します。
これらの変更に合わせるため、補償極を移動させます。したがってC3、C13、およびC14はそれぞれ、1µF、1µF、および2.2µFとなります。
SMBの場合、出力整流器のD3とD4を大電流の40Vのショットキデバイスに置き換えます。
寄生インダクタンスがより大きいトランスを使用する場合は、出力整流器を電圧オーバシュートから保護する必要があります。
最大入力電圧が72Vの場合、整流器で確認される反射電圧はわずか26Vです。このヘッドルームがあるため、適切な極性で33V±5%のツェナーを整流器の両端に接続することによって整流器を保護することが可能です。
当初の評価キットは、大出力電流を取り扱うことを予定していなかったため、ヒートシンクを熱伝導性の接着剤でU1上部に接着しています。これによって、ヒートシンクがない状況に比べて、効率が0.6%向上します。
U1は、エクスポーズドパッド付きの20リードTSSOPパッケージで提供されます。このため、PCBを慎重にレイアウトし、広い電源プレーンと多数のビアを通じて熱を拡散させることによって、ヒートシンクを省くことができます。
効率の測定

図1. さまざまな入力電圧値における、出力電流と効率の関係
 大きな画像を見る
図2. MAX5074の5V、3A電源の回路図

図3. 平面技術を用いたトランスの実現例
 図4. 1Aピークトゥピークの過渡応答
 図5. I = 2.5A、VIN = 60V、BW = 20MHz、50Wの場合の出力電圧リップル

図6. VIN = 48V、1.8Wの抵抗負荷でのターンオン波形
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APP 3581: Feb 17, 2006
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