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アプリケーションノート 3615

DS3984/DS3988における複数ランプの駆動方式

要約:DS3984とDS3988は、マルチチャネルの冷陰極蛍光ランプ(CCFL)コントローラです。DS3984は最大4チャネル、DS3988は最大8チャネルに対応します。これらのコントローラはプッシュ/プル駆動アーキテクチャを使用し、DC電源電圧を、冷陰極蛍光ランプに電力を供給するのに必要な高電圧AC波形に変換します。このアプリケーションノートでは、チャネル当り複数のCCFLランプを駆動する方法を説明しています。

複数ランプの駆動方式

DS3984とDS3988の各チャネルは、特定のサポート回路を追加することで、2つ以上のCCFLを駆動することができます。図1は、「チャネル当り4ランプ」を駆動する配置方法を詳細に示しています。この配置を変更すれば、必要に応じてチャネル当り2、3、4、またはそれ以上のランプに対応することができます。

図1. チャネル当り4つのランプを駆動するアプリケーション例
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図1. チャネル当り4つのランプを駆動するアプリケーション例

ランプ電流モニタ

DS3984/DS3988 CCFLコントローラは、チャネル当り1つのランプ電流モニタ(LCM)入力を備えています。複数ランプを駆動するには、ランプ電流をワイヤードORで接続し、コントローラのLCM入力に供給する必要があります。報告されるランプ電流の精度に及ぶと考えられる直列の小信号ダイオードの影響を排除するため、「チャネル当り1ランプ」のアプリケーションに比べて大きなランプ電流フィードバック抵抗(図1では1000Ωに設定)を選択しています。図1のアプリケーションでは、公称ランプ電流5.0mARMSで5.0VRMS (7.07VPEAK)のレベルが生成されるようにランプ電流フィードバック抵抗を選択しています。ランプAとBの場合の、1000Ωフィードバック抵抗の両端の電圧波形を図2に示します。

図2の例は、単一チャネルで複数ランプを駆動することによって成り立つ妥協の1つについても実際に示しています。ランプBのフィードバック抵抗は、他のフィードバック抵抗よりも高電圧であり、また複数ランプで共用するパワーMOSFETのデューティサイクルを制御しているため、ランプBが、他のランプに供給される電力量を抑制することになります。結果として、図2に示すように、他のランプが受け取る量は目標の5mARMSよりも少なくなります。

図2. ランプのフィードバック抵抗の両端の電圧(2つのランプのみ表示)
図2. ランプのフィードバック抵抗の両端の電圧(2つのランプのみ表示)

図3は、ランプ電流フィードバック信号がDS3984とDS3988のLCM入力に移行するときの様子を示しています。「チャネル当り1ランプ」のアプリケーションと異なり、「チャネル当り複数ランプ」のアプリケーションは、LCM入力端においてAC結合コンデンサを使用しません。DS3984/DS3988コントローラは、LCM入力端で測定したピーク信号に基づいてランプ電流を制御します。AC結合コンデンサがない場合、ピーク制御レベルは、DCコモン電圧(1.35V)にランプレギュレーションのスレッショルド(1.0V)または2.35V (nom)を加算したものになります。したがって、ランプ電流フィードバック抵抗によって生成されたピーク電圧レベルは、デバイスがランプ電流を適切なレベルに制御することができるよう、LCM入力端で目標値の2.35VPEAKに減衰する必要があります。 例として、図1では、1000Ωのランプ電流フィードバック抵抗によって7.07VPEAKの信号を生成していますが、LCM入力に到達する前にこの信号を2.35VPEAKに減衰する必要があります。

信号が小信号ダイオードを通過すると、振幅が約500mV小さくなります。残りの減衰は、抵抗分圧器によって生じています。図1の例では、抵抗分圧器は8.2kΩと5.1kΩの抵抗器で形成されています。LCMピンの50kΩの内部入力インピーダンスによってわずかな減衰が生じます。50kΩの内部インピーダンスによって実効シャント抵抗は5.1kΩから4630Ωに低下するため、これによって減衰量が増大します。

図3. ランプ電流フィードバック信号の経路
図3. ランプ電流フィードバック信号の経路

過電圧検出

「チャネル当り1ランプ」のアプリケーションの場合と同様、各トランスによって生じる高電圧は、コンデンサ分圧器を通して検出されます。図1のアプリケーションでは、この分圧器は2次トランスの高電圧側にある10pF (3kV)と1nFの直列ペアによって形成されています。複数ランプのアプリケーションでは、コンデンサ分圧器はワイヤードORで接続された後、OVD入力に配線されます。「チャネル当り1ランプ」のアプリケーションに比べてコンデンサ分圧器を低く設定することによって、報告されるランプ電流の精度に及ぶと考えられる直列の小信号ダイオードによる影響の一部を排除することができるようにしています。図1の例では、コンデンサ分圧器は1:101 (10pF/1010pF)に設定しています。コンデンサ分圧器にはDCリファレンスがないため、下側コンデンサの両端に抵抗(図1の10kΩ)を追加して、DCリファレンスレベルを設けています。「この抵抗器」対「ランプ周波数における下側コンデンサのインピーダンス」の相対サイズに応じて、分圧器の有効比が変更されます。図1では、アプリケーションは68kHzのランプ周波数で動作するように設定されていますが、これは1nFのコンデンサのインピーダンスが約2.3kΩであることを意味します。10kΩの抵抗を並列に加えると、インピーダンスが1896Ωに降下するため、分圧器の有効分圧比が1:101から1:124に変化します。図4に示すように、コンデンサ分圧器の電圧は約7.2VRMSであり、これはランプの動作電圧が約893VRMSであることを表しています。図4の波形に見られるわずかな負のDCオフセットに注目してください。10kΩのシャント抵抗の値が変化すると、このDCオフセットの量が変化します。シャント抵抗を大きくするとDCオフセットが大きくなり、値を小さくするとオフセットも小さくなります。当然ですが、シャント抵抗の値を変更すると、分圧比にも影響します。

図4は、過電圧のフィードバック信号がDS3984またはDS3988のOVD入力に移行するときの様子を示しています。信号が小信号ダイオードを通過すると、振幅が約500mV小さくなります。残りの減衰は、抵抗分圧器によって生じています。図1の例では、抵抗分圧器は33kΩと5.1kΩの抵抗器で形成されています。OVDピンの50kΩの内部入力インピーダンスによってわずかな減衰が生じます。50kΩ内部インピーダンスによって実効シャント抵抗は5.1kΩから4630Ωに低下するため、これによって減衰量が増大します。

図4. コンデンサ分圧器の電圧とOVD信号の経路
図4. コンデンサ分圧器の電圧とOVD信号の経路

ストライクの失敗とオープンランプの検出

ランプ電流をワイヤードORで接続することによって、コントローラは、ある特定の動作点における最大電流を用いてランプを通過するランプ電流を調整することができるようになります。このような操作を行うと、定格値を上回る電流でランプが駆動されることはないため、ランプの最大輝度とランプの最大耐用年数が保証されます。

すべてのランプがストライクすることを確認するため、また通常動作時にランプが消えていないかどうかを検出するため、いずれかのランプが点灯していない場合にLCM入力をプルダウンするための特別な回路が必要です。この目的のため、LM339クワッドコンパレータを使用しています。1つのランプに各コンパレータが割り当てられます。4つのランプのすべてが点灯している場合、ランプ電流フィードバック抵抗の正の電圧スイングによって、ピーク検出器(ダイオード、470pFのコンデンサ、および330kΩの抵抗で形成される)は5Vリファレンス以上に充電されます。また、4つのすべてのコンパレータ(ワイヤードORで接続)のオープンコレクタ出力がオフになり、ランプ電流の信号がLCMピンに入力されるようになります。1つまたは複数のランプが消灯している場合は、そのランプに割り当てられたコンパレータがLCMピンをローにプルダウンして、DS3984/DS3988にランプが点灯していないことを通知します。

図5は、コンパレータの入力端に現れるピーク検出信号の状態を示しています。図6、図7、および図8には、通常時と異常時のストライクの状態を示し、またランプが開回路になったときの状態を示しています。

図5. ピーク検出信号
図5. ピーク検出信号

図6. 通常時のランプストライク
図6. 通常時のランプストライク

図7. ランプAを取り外してランプストライクを試みた状態
図7. ランプAを取り外してランプストライクを試みた状態

図8. 通常動作時にランプAを取り外した状態
図8. 通常動作時にランプAを取り外した状態


関連製品  APP 3615: Mar 22, 2006
DS3984 4チャネル冷陰極蛍光管コントローラ フルデータシート
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