要約:このアプリケーションノートでは、高輝度LEDを駆動する簡単な回路を紹介します。この回路は、最小限の外付け部品でリニア調光とPWM調光の両方を実現するものです。Osram、Lumileds、Cree、およびNichia製のLEDに最適です。
概要
フライバックLEDドライバは、アプリケーションの入力電圧が、必要な出力電圧よりも大きい場合、あるいは小さい場合に使用することができるため、多方面に使用されています。さらに、不連続なインダクタ電流モードで動作するようにフライバック回路を設計するときには、簡単な回路構成で、追加の制御ループを使用せずにLEDの電流を一定に保つことが可能です。このアプリケーションノートで説明する回路は、MAX16802の高集積PWM LEDドライバICをベースにして設計されています。
アプリケーション
LEDトラック照明
汎用LEDの照明アプリケーション
特長
- 入力電圧範囲:10.8V~24V
- 3.3Vの単一LEDに350mA(typ)を供給(他のLED構成については、設計手順にしたがってください)
- アノード端子-グランド間の最大開放電圧:29V(typ)
- スイッチング周波数:262kHz
- サイクルごとの電流制限
- オン/オフ制御入力
- 低周波PWM調光を実現可能
- 直列接続または並列接続による複数のLED構成に対応可能
標準動作回路

注意:LEDを+VLED、-VLED間に接続しない状態では通電しないでください。
部品リスト
| Designation |
Qty. |
Description |
| C1 |
1 |
1nF ±10%, 50V X7R ceramic capacitor (0603) TDK C1608X7R1H102K |
| C2 |
1 |
220pF ±10%, 50V X7R ceramic capacitor (0603) TDK C1608X7R1H221K |
| C3, C4, C7 |
3 |
0.1µF ±10%, 50V X7R ceramic capacitor (0603) TDK C1608X7R1H104 |
| C5 |
1 |
10µF ±10%, 25V X7R ceramic capacitor (1206) TDK |
| C6 |
1 |
10µF ±10%, 16V X7R ceramic capacitor (1206) TDK C3216X7R1C475K |
| D1 |
1 |
40V, 1A Schottky diode (SMA) CMSH1-40M Central Semiconductor |
| L1 |
1 |
10µH inductor Coilcraft DO3308P-103 |
| Q1 |
1 |
40V, 0.045W MOSFET Vishay Si2328DS |
| R1, R3 |
2 |
499k ±1% resistor (0603) |
| R2 |
1 |
22.1k ±1% resistor (0603) |
| R4 |
1 |
73.2k ±1% resistor (0603) |
| R5 |
1 |
100k ±5% resistor (0603) |
| R6 |
1 |
150 ±1% resistor (0603) |
| R7 |
1 |
100 ±1% resistor (0603) |
| R8 |
1 |
10 ±5% resistor (0603) |
| R9, R10 |
2 |
1 ±1% resistor (0805) |
| R11 |
1 |
1 ±1% resistor (0805) |
| U1 |
1 |
PWM IC Maxim: MAX16802AEUA (8-pin µMAX®) |
回路トポロジ
開ループで非絶縁型のフライバックLEDドライバは、汎用性に優れ、簡単に使用することができます。また、極めて魅力的な一連の利点を提供します。以下に利点のいくつかを挙げます。
- LEDの電流レギュレーションを行うのに特別な制御ループが不要
- 不連続なインダクタ電流の結果としてEMI放射が低減
- ダイオードの逆回復損失がない
- スイッチのターンオン損失が低減
- 回路と設計手順が簡単
- 入力電圧よりも大きな、または小さなLED電圧に対応可能
- 入力電圧の動作範囲が広い
- 調光PWM信号の適用が比較的容易
ただし、この容易性を得るためには、以下の犠牲を伴います。
- LEDの電流は、インダクタなどの部品の許容誤差と電流検出コンパレータの伝播遅延によって左右されます。
- 不連続なインダクタ電流の動作によって、このトポロジは低電力のアプリケーションに適したものになります。
設計手順
最重要なパラメータはLED電流です。高輝度LEDは数百mAで動作します。LEDの寿命のためには、この電流を一定に保つ必要があります。すなわち、電源は本質的に電流ドライバでなければなりません。これを実現するにはいくつかの方法があります。簡単で低コストな方法は、MAX16802などの専用の電流モードPWMコントローラICを使用するというものです。このデバイスの利点は、以下のとおりです。
- 高集積化―最少限の外付け部品
- 262kHzの高スイッチング周波数
- 超小型の8ピンµMAXパッケージ
- 小電流検出スレッショルドにより低損失
- 発振器の周波数が比較的正確なためLED電流の変動が低減
- 内蔵の電圧フィードバックアンプを使用して開放出力電圧を制限可能
所定のLEDパラメータは、以下のとおりです。

ステップ1:最小入力電圧で必要となる、最適な「オン」デューティサイクルの概算値を計算します。

ここで、Rbは、アプリケーション回路図のR11と同じ安定抵抗器であり、このアプリケーションでは1 に設定されています。VDは整流ダイオードD1の順方向ドロップです。
上式に既知の値を代入すると、次の値が得られます。

ステップ2:必要なピークインダクタ電流の概算値を計算します。

ここで、kfは非クリティカルな「誤差」であり、この例では1.1に設定されています。
上式に既知の値を代入すると、次の値が得られます。

ステップ3:必要なインダクタの概算値を計算し、この計算値より小さくて最も近い標準値を選択します。

ここで、Lはアプリケーション回路図のL1で、fは262kHzに等しいスイッチング周波数です。
上式に既知の値を代入すると、次の値が得られます。

上の値より低くて最も近い標準値は10µHです。
ステップ4:フライバックプロセスによって出力回路に伝達される電力は、以下のとおりです。

出力回路で消費される電力は、次のようになります。

節電のためには、上記の2式が等しいこと、また必要なピークインダクタ電流についてより正確な値を解くことが必要となります。

ここでLは、選択した実際の標準インダクタ値です。
上式に既知の値を代入すると、次の値が得られます。

ステップ5:R9およびR10の並列結合からなる電流検出抵抗の値と、R6およびR7からなる電圧検出用分圧器の抵抗値(必要な場合)を計算します。
MAX16802の電流制限スレッショルドは291mVです。したがって、ステップ4で計算したインダクタピーク電流を生成するようにR9、R10、R6、R7の値を選択します。
以上で完了です。アプリケーション回路図には、12Vで350mAを生み出す値が示されています。寄生容量があるため、抵抗値(R7)を微調整して所望の電流を得ることが必要となる場合があります。
ステップ6:部品R1とR2はオプションであり、+VLEDノードを29Vに調整するために使用しています。これは、出力端子が誤って開放状態になった場合に有効です。上記の部品によってもたらされる電圧のフィードバックがなければ、出力端子電圧は、おそらく破壊レベルに達することでしょう。
部品C1とR5もオプションであり、電圧フィードバックループを安定化するために使用しています。このタイプのアプリケーションでは、これらの部品は省くことが可能です。
低周波PWM調光
LED光源の輝度レベルを制御する最良の方法は、LED電流を低周波PWMでパルス駆動する方法です。この方法では、電流定数の絶対値を保時しつつ、さまざまなデューティサイクルでLED電流をパルス駆動します。この方法では、デバイスから放射される光の波長は、調光範囲の全体にわたって変化しません。
PWM調光を実現するには、以下の回路を使用します。

性能曲線


プリント回路基板


µMAXは、Maxim Integrated Products, Inc.の登録商標です。
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APP 3639: Mar 14, 2006
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