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アプリケーションノート3804

ネットワークマイクロコントローラに関する「よくある質問(FAQ)」

要約:このアプリケーションノートは、ダラスセミコンダクタのネットワークマイクロコントローラに関するよくある質問(FAQ)を記載しています。この質問と回答は、DS80C400、DS80C410、またはDS80C411を使用してネットワーク対応のデバイスを作成するために使用するハードウェアとソフトウェアに焦点を絞っています。ネットワークマイクロコントローラについての一般的な質問にも回答しています。また、このアプリケーションノートの中では、さまざまなアプリケーションノート、テクニカルガイド、およびソフトウェアリソースについての参考資料を紹介しています。

1. 一般的な質問

1A. ネットワークマイクロコントローラとは何ですか?
1B. DS80C400、DS80C410、およびDS80C411の違いは何ですか?
1C. 64kBの内部SRAMはどのように使用するのですか?
1D. TINI® OSとは何ですか?
1E. Slushとは何ですか?
1F. ネットワークマイクロコントローラは、インターネットにどのようにインタフェースするのですか?
1G. ネットワークスタックとは何ですか?
1H. 今までにネットワークプロトコルを使用したことがありません。どのようにして始めればよいのでしょうか?
1I. どのような開発ツールが利用可能ですか?
1J. DS80C400、DS80C410、DS80C411用のインサーキットエミュレータ(ICE)は入手可能ですか?
1K. DS80C400とTINI OSのテクニカルサポートはどのようにして受けられますか?

2. ソフトウェアに関する質問

2A. シリアル/CAN/1-Wire-Ethernetブリッジとは何ですか?
2B. DS80C400はどのような方法でプログラム可能ですか? Javaでコーディングする必要はありますか?
2C. ダラスセミコンダクタのTCP/IPスタックを使用するのにロイヤリティを払う必要はありますか?
2D. ダラスセミコンダクタのMAC IDチップ(DS2502)を使う必要はありますか?
2E. C、Java™、TCPなどを用いたプログラミングに関する参考書籍はありますか?
2F. Cまたはアセンブリ言語で記述する場合、どのようにしてネットワークスタックにアクセスするのでしょうか?
2G. DS80C390用に書かれたコードをどのようにしてDS80C400に移植するのですか?
2H. 生産環境で、どのようにしてフラッシュとNV RAMをプログラムすればよいのでしょうか?
2I. 外部ファイルシステムとTINIを連動させることはできますか?
2J. TINIを使用して、ネットワークからストリーミング音声データを読み出して、ディジタルスピーカに出力することはできますか?

3. ハードウェアに関する質問

3A. TINI OSを使用してアクセスした場合、シリアルポートの最大スループットはどのぐらいですか?
3B. ソケットを使用したEthernetポートの最大転送レートはどのぐらいですか?
3C. 使用を開始するにあたって役に立つリファレンスデザインはありますか?
3D. Ethernetに接続するのに必要なインタフェースデバイスは何ですか?
3E. デバイスはどのようにしてインターネットのMACアドレスを取得するのですか?
3F. DS80C400は何ボルトの電圧を必要としますか?
3G. 最小メモリ構成はどのぐらいですか?
3H. プログラムメモリはどのようにしてDS80C400ベースの設計に読み込まれるのですか?
3I. DS80C400/DS80C410/DS80C411の評価キットで、より多くのIOを得るにはどうすればよいですか?
3J. TINIの評価キットをx4の逓倍クロックで実行することができないのはなぜですか?
3K. より多くのシリアルポートがアプリケーションで必要となりました。シリアルポートをTINIの評価キットに追加することができますか?
3L. Power-over-Ethernet (PoE)とは何ですか?

1. 一般的な質問

1A. ネットワークマイクロコントローラとは何ですか?
ネットワークマイクロコントローラを使用すると、設計者は、すばやく簡単に組込みシステムにEthernet/インターネットの接続機能を追加することができます。マイクロコントローラは、10/100 Ethernet MACに加えて、3つのシリアルポート、コントローラエリアネットワーク(CAN)の2.0Bコントローラ、および1-Wire®マスタネットワーキングの機能を備えています。ネットワークへのアクセスを可能にするため、アプリケーションでアクセス可能なTCP IPv4/6ネットワークスタック一式およびオペレーティングシステムがROMで提供されます。ネットワークスタックは、TINI OS用として最大20の同時TCP接続をサポートし、Ethernet MACを介して最大5Mbpsを転送することができます。

詳細については、以下のドキュメントを参照してください。
DS80C400データシート
高速マイクロコントローラのユーザガイド:ネットワークマイクロコントローラ補足
高速マイクロコントローラのユーザガイド
DS80C410およびDS80C411データシート
アプリケーションノート707:Using the DS80C400 to Maximize System Performance

1B. DS80C400、DS80C410、およびDS80C411の違いは何ですか?
DS80C400は、CANコントローラ、64kBのROMメモリ、8kBのネットワークSRAM、1kBのアプリケーションRAM、およびEthernet MACを搭載しています。DS80C410は、DS80C400に64kBのアプリケーションSRAMを搭載したバージョンです。DS80C411は、DS80C400に64kBの内部SRAMを搭載し、CANコントローラを取り除いたものです。

1C. 64kBの内部SRAMはどのように使用するのですか?
64kBの内部SRAMは、TINIm41x外部メモリと重複しています。これらのメモリのいずれを使用してもかまいませんが、両方を同時に使用することはできません(TINI OSは、この重複を認識していません)。

1D. TINI OSとは何ですか?
TINI OSは、より正確にはTINIランタイム環境と呼ばれるもので、マキシム/ダラスセミコンダクタのIP対応のマイクロコントローラ(DS80C400など)向けに「ネットワークを意識した」アプリケーションを開発するためのJavaランタイム環境です。IPネットワークが普及するようになったため、組込みシステムをネットワークに対応させることが必要になっています。しかし、ネットワークプロトコルはコーディングが複雑なため、長期にわたるテストサイクルが必要となるケースが多くなっています。TINIランタイム環境には、インターネット規格への準拠が検証済みのTCP IPv4/6プロトコルスタック一式が用意されています。ネットワークスタックは、マルチタスクのオペレーティングシステムであるTINI OSによって駆動されます。TINIランタイム環境と内蔵APIを使用することによって、開発者は、ネットワークを意識した組込みアプリケーションを即座に記述することができます。現在サポートされているネットワークプロトコルを表1に示します。

表1. TINIランタイム環境でサポートされるネットワークプロトコル
PPP DAD
IPv4/6 SMTP
TCP DHCP
UDP FTP
IGMP HTTP
ICMP TELNET

TINIランタイム環境の詳細については、以下のリンクを参照してください。

TINIインタフェースについては、アプリケーションノート708:Exploring Tiny InterNet Interfaces (TINI)
PPPについては、アプリケーションノート702:Using TINI Point-to-Point Protocol (PPP)
IPv4/6については、アプリケーションノート703:Embedded Networking with IPv6
TCPについては、アプリケーションノート196:Designing a Virtual Modem Using TINI
HTTPについては、TINIウェブサーバ(サンプルディレクトリtini_1.1x SDK内)

1E. Slushとは何ですか?
Slushは、シリアル(TTY)、Telnet、およびFTPサーバにUnix®に似たインタフェースを提供することを目的とした、小型のシステムシェルです。

Slushは、完全なオペレーティングシステムではありませんが、単純なシェル以上のものです。Slushによって、ファイルシステムの閲覧/操作と、ウォッチドッグタイマやネットワーク構成などのシステム機能の制御の両方が可能となります。

Slushに関するドキュメントは、以下で入手可能です。TINI SDKのtini1.1x\docディレクトリ
アプリケーションノート308:Modifying and Rebuilding Slush

1F. ネットワークマイクロコントローラは、インターネットにどのようにインタフェースするのですか?
10/100 Base-T Ethernet内部の媒体アクセス制御(MAC)モジュールは、マイクロコントローラとEthernetの間のデータインタフェースです。このモジュールは、Ethernetトラフィックのデータ規格に準拠するパケットにファイルやデータを変換します。

インターネットへの物理的な接続は、物理層インタフェース(PHY)を介して行われます。PHYは、マイクロコントローラの0~3Vの信号を、ハイの値を表す0Vと、ローの値を表す-2.05Vに変換します。PHYは、集積回路、トランス、および関連する補助回路で構成されています。システムのジャックに標準のCat5Eケーブルを接続し、次にこのケーブルを壁面のEthernetジャックに差し込みます。

1G. ネットワークスタックとは何ですか?
ネットワークスタックとは、連携して動作するTCP/IPプロトコル層のセットであり、インターネット上での通信を規定したものです。これらの層を処理するソフトウェアは、容易にアクセス可能なように内部ROMに保存されています。ユーザは、TINIを用いたプログラミングで自動的にスタックにアクセスすることが可能で、またユーザが記述したCやアセンブリ言語のルーチンからアクセスすることができます。TINIスタックを使用することで、ローカルエリアネットーワークとワイドエリアネットワークの両方にアクセスすることができます。Ethernetを直接サポートしているため、LANに接続した設計が可能となります。ポイントトゥポイント(PPP)によって、シリアル上IPが可能となり、ワイヤレス接続のネットワークやアナログモデムを用いた電話回線上のネットワークがサポートされます。

1H. 今までにネットワークプロトコルを使用したことがありません。どのようにして始めればよいのでしょうか?
TINIプラットフォームを使用するにあたって、Ethernetハードウェアやソフトウェアの専門家である必要はありません。DSTINIm400の評価モジュールとDSTINIs400ソケットボードを併せて使用することによって、ハードウェア開発プラットフォーム全体の基礎ができあがります。Javaでプログラミングを行えば、TINIプラットフォームで利用可能な豊富なソフトウェアライブラリを活用することができます。より上級のユーザにうれしいニュースは、BSDソケットを使用することで標準のソケットインタフェースが可能となるため、TINI開発環境でのプログラミングが簡単になるということです。

詳細については、リファレンスガイド:Getting Started with TINIおよびTINI Specification and Developer's Guideをお読みください。

1I. どのような開発ツールが利用可能ですか?
開発ツールを以下に示します。
DS80C400-KIT:このキットには、DS80C400マイクロコントローラを評価するために必要なハードウェアとソフトウェアの一式が含まれています。このキットは、DSTINIm400とDSTINIs400の評価基板、DB9ストレートシリアルケーブル、Ethernetクロスケーブル、Keilトライアル版Cコンパイラ、Keil Cライブラリ、およびTINI SDKで構成されています。

モジュールとソケットの基板は、製品や設計で使用することができるよう、個別に購入することが可能です。
DSTINIm400:評価モジュール、DS80C400を評価するドーターボード
DSTINIs400:ソケットボード、DSTINIm400用のマザーボード
DSTINIm410:DS80C410とDS80C411を評価するために使用する評価モジュール
Systronix社製TStik評価基板によって、開発者は、シングルボードコンピュータまたは評価基板の構成で、DS80C390またはDS80C400を使用することができます。

TINIソフトウェア開発キット(SDK)は、プログラミングAPIとTINI JAVAランタイム環境を組み込んだロイヤリティフリーの開発ツールで、サンプルとドキュメント一式も付属しています。

TINI SoM-400EM モジュールは、EMAC, Inc.から入手可能です。このモジュールは、DS80C400ネットワークマイクロコントローラに基づいたもので、DSTINIm400とピンコンパチブルとなるように注文することができます。

1J. DS80C400、DS80C410、DS80C411用のインサーキットエミュレータ(ICE)は入手可能ですか?
DS80C400用のICEは、Metalink CorporationPhytonから入手可能です。詳細については、直接お問い合わせください。

1K. DS80C400とTINI OSのテクニカルサポートはどのようにして受けられますか?
TINIディスカッションフォーラムが、ほとんどの質問に対する回答を得る最速の方法です。組込み開発コミュニティに属するダラスセミコンダクタの専門家や同業者が、頻繁にオンラインコミュニティを訪れます。これらのグループにおけるアクセス量は膨大であるため、ここに技術的な質問を投稿すると、以下に記載するサポートアドレスに電子メールで問い合わせるよりも早く回答が得られることもあります。Maxim/Dallas Semiconductor Discussion BoardにてTINIディスカッションフォーラムにご入会ください。登録を済ませると、よくある質問に対する回答のメッセージアーカイブを検索することができます。

マイクロコントローラ自体の固有の問題について、また、公の場でのディスカッションに不適切なトピックについては、電子メールにて、テクニカルサポートが利用可能です(英語のみの対応となります)。

2. ソフトウェアに関する質問

2A. シリアル/CAN/1-Wire-to-Ethernetブリッジとは何ですか?
多くの場合、システムは、通信プロトコル間の変換を必要とします。たとえば、工場機器は、シリアルRS-232インタフェースを備えていますが、Ethernetインタフェースを備えた監視用コンピュータとの通信が必要な場合があります。ネットワークマイクロコントローラは、これらのシステム間のブリッジを実現するのに理想的です。DS80C400をベースとした設計は、4つのシリアルポート、CANインタフェース、および1-Wireインタフェースを備え、さまざまな種類のネットワークの間でインテリジェントな高速ブリッジとして機能することが可能です。Ethernet-シリアル間ブリッジの例は、TINI -Tiny InterNet Interfaceで閲覧可能です。

アプリケーションノート2935:Design Considerations for CAN Bus and Asynchronous Serial
アプリケーションノート704:Asynchronous Serial-to-Ethernet Device Servers

2B. DS80C400はどのような方法でプログラム可能ですか? Javaでコーディングする必要はありますか?
ネットワークマイクロコントローラ用のコードは、Java、C、または8051アセンブリで記述することができます。TINIランタイム環境もDS80C400に対応しています。

Java
Sun MicrosystemsおよびBorlandが提供するJavaコンパイラには、互換性があります。すべてのEthernet機能を使用するのにJavaが必要となるわけではありませんが、Javaは、TINI環境でプログラミングするのに最も簡単で望ましい方法です。さらに、Java環境では、数多くのサポートツールとライブラリが利用可能です。コンパイラは、Java Technologyから入手可能で、特に、「Java 2 Platform, Standard Edition」(J2SE)パッケージのバージョン1.2.2、1.3.1、または1.4.1が仕様に合致しています。またJava Communications APIも必要となります。

Getting Started with TINI
アプリケーションノート614:Diagnostic Port for the TINIs400

C
SDCCKeil SoftwareからCコンパイラが入手可能です。従来の8051コンパイラも使用可能ですが、Keil Softwareが提供するPK51 Cコンパイラのみ、DS80C400の拡張アドレス空間とROMベースのネットワークスタックをサポートしています。TCP/IPv4/6ネットワークスタック一式と小規模なオペレーティングシステムが、DS80C400のROMに収められており、ユーザが記述したアプリケーションソフトウェアからアクセスすることができます。Cライブラリに関するホームページは、Dallas Semiconductor DS80C400/410/411で閲覧可能です。ここには、Keilツールで作成したライブラリとサンプルが収められています。

ドキュメント/サンプル
Keil、IAR、SDCC用のCライブラリ

アプリケーションノート613:Using the Keil C Compiler for the DS80C400
アプリケーションノート3362:Using the Keil µVision Debugger with the DS89C4x0
アプリケーションノート606:Configuring Keil PK51 Tools to Support 24-Bit Contiguous Addressing Mode
アプリケーションノート2777:TINIm400を用いてKeil MON390プログラムを使用する方法
アプリケーションノート3346:Using the SDCC Compiler for the DS80C400

2C. ダラスセミコンダクタのTCP/IPスタックを使用するのにロイヤリティを払う必要はありますか?
他のネットワークソリューションとは異なり、ダラスセミコンダクタは、内部ROMベースのTCP/IPスタックの使用に対してロイヤリティをいただいておりません。

2D. ダラスセミコンダクタのMAC IDチップ(DS2502)を使う必要はありますか?
いいえ、MAC IDを取得するのにDS2502を使用する必要はありません。MAC IDは、TINI OSを使用してソフトウェアによってデバイスにプログラムすることができます。ただし、使用許諾契約によると、「ソフトウェア製品」での使用を意図して作成された「プログラム」はすべて、Ethernetアドレスチップ(「DS2502」)またはその他の認可済みの代替品とともに実行することだけが許可されており、この場合、ダラスセミコンダクタの承認を表記することが条件となります。

2E. C、Java、TCPなどを用いたプログラミングに関する参考書籍はありますか?
多くの本が市販されています。マキシムの技術スタッフが推薦する書籍を以下に紹介します。

Don Loomis著The TINI Specification and Developer's Guide (Addison-Wesley、2001)。この本は現在、絶版となっていますが、中古本はオンライン書店にて入手可能です。また、PDF形式にて無料で入手可能です。 W. Richard Stevens著TCP/IP Illustrated, Volume 1: The Protocols (Addison-Wesley, 1994) Bruce Eckel著Thinking in Java (Prentice Hall PTR、2002)
具体的な技術に関する質問については、Jan Axelson著Embedded Ethernet and Internet Completeを参照してください。

2F. Cまたはアセンブリ言語で記述する場合、どのようにしてネットワークスタックにアクセスするのでしょうか?
ネットワークスタックとスケジューラは、64kBの内部ROMに収められており、BSDソケット層またはAPIとしてアクセスされます。ダラスセミコンダクタは、Cを用いたこれらのプログラミング用に、BSDソケットインタフェースを提供しています。

ネットワークスタックは、アセンブリ言語から呼び出すこともできます。マキシムは、TINI SDKの一部としてアセンブラを提供しています。プログラム名は、a390.exeです。スタックに接続するためのアセンブリ言語の実際の例は、アプリケーションノート609:Internet Speaker with the DS80C400 Silicon Softwareに記載されています。

2G. DS80C390用に書かれたコードをどのようにしてDS80C400に移植するのですか?
DS80C400は、DS80C390のアーキテクチャに基づいています。TINIランタイム環境は、両方のマイクロコントローラをサポートしています。これら2つのデバイスの最も大きな違いは、DS80C400には、Ethernet MACとダラスセミコンダクタの1-Wireインタフェースが搭載され、CANモジュールは1つしかないということです。DS80C390でCANコントローラを2つとも使用していない限り、マイクロコントローラは、ローダとアプリケーションの間で第1のフラッシュセクタを共有します。DS80C390は、TINI OS用(0~6)とアプリケーション用(7~)に固定セクタも使用しています。DS80C400は、TINIストリングのための検索機構を備えています(多くの場合、セクタは0x40~0x46と0x47~です)。チップセレクトは、異なります。DS80C400の方が多くのDPTRオプションを備えているため、アセンブリ言語のコードには役立ちます。

詳細については、Getting Started with TINI Guideを参照してください。

2H. 生産環境で、どのようにしてフラッシュとNV RAMをプログラムすればよいのでしょうか?
ネットワークブート(NetBoot)は、ダラスセミコンダクタのネットワークマイクロコントローラ(DS80C400、DS80C410、およびDS80C411)のROMに内蔵された機能です。NetBoot機能を使用すると、生産環境でフラッシュと不揮発性SRAMメモリを高速かつ簡単にプログラミングすることができるようになります。

アプリケーションノート3398:DS80C400/DS80C410/DS80C411 Network Boot

2I. 外部ファイルシステムとTINIを連動させることはできますか?
はい、できます。他のファイルシステムにアクセス可能なようにすることによって、TINIユーザは、処理することのできる情報の種類や量の制限を受けることが一切なくなります。TINIは、動作ヒープとしてRAMも使用しているため、リモートファイルシステムを使用すると、より多くのRAMをアプリケーションの実行に使用することができます。

アプリケーションノート709:Adding An External File System to TINI

2J. TINIを使用して、ネットワークからストリーミング音声データを読み出して、ディジタルスピーカに出力することはできますか?
DS80C400マイクロコントローラは、そのネットワーキング機能によって、Ethernet対応の単純なスピーカを設計するのにふさわしい選択となっています。プロセッサのROMに内蔵されたTCP/IPスタックを使用することによって、8051アセンブリで記述したアプリケーションは、簡単にネットワークからストリーミングオーディオデータを読み出すこともできれば、そのデータを使用して、ディジタル-アナログコンバータ(DAC)を駆動し、1組のスピーカにラインレベルの出力を提供することもできます。

アプリケーションノート609:Internet Speaker with the DS80C400 Silicon Software
アプリケーションノート3266:リモートオーディオ用にDS80C400/TINIm400を使用する方法

3. ネットワークマイクロコントローラのハードウェアに関する質問

3A. TINI OSを使用してアクセスした場合、シリアルポートの最大スループットはどのぐらいですか?
115,200bpsのボーレートと36MHzのシステムクロック周波数に設定したシリアルポートの場合、最大送受信レートは、約10kB/秒です。維持されるスループットは、CPUの負荷に大きく依存し、またアプリケーションによって異なります。最大ボーレートは、設計の動作周波数によって決まります。詳細については、アプリケーションノート2935を参照してください。

3B. ソケットを使用したEthernetポートの最大転送レートはどのぐらいですか?
システムクロック周波数が36MHzの場合、最大送受信レートは266kB/秒です。

3C. 使用を開始するにあたって役に立つリファレンスデザインはありますか?
ウェブサイトのTINI Boardにリファレンスデザインの回路図があります。

アプリケーションノート615:Design Considerations for DS80C400-Based TINI Systems
アプリケーションノート3478:DS80C400/410/411のフラッシュメモリの選択
アプリケーションノート2935:Design Considerations for CAN Bus and Asynchronous Serial

3D. Ethernetに接続するのに必要なインタフェースデバイスは何ですか?
マイクロコントローラ(および関連メモリ)をインターネットに接続するには、物理層インタフェース(PHY)デバイスを、10/100 BASE-Tやファイバなどのネットワークインタフェースに接続する必要があります。マキシムのリファレンスデザインでは、Intel LXT972ALCを使用していますが、メディア独立型インタフェース(MII)対応のPHYであれば、いずれも使用可能です。また、マキシムのリファレンスデザインは、トランスにBelfuse S558-5999-T7を使用しています。

3E. デバイスはどのようにしてインターネットのMACアドレスを取得するのですか?
DS80C400は、ブート時に自動的に外部1-Wireバスを検索し、外付けのDS2502-E48デバイス(別途販売)を見つけます。DS2502-E48が見つかると、DS2502-E48は一意のIEEE Ethernet MACアドレスをDS80C400に与えます。ユーザアプリケーションのソフトウェアを用いてEthernetのMAC物理アドレスをプログラムすることも可能です。

3F. DS80C400は何ボルトの電圧を必要としますか?
DS80C400は、1.8Vと3.3Vの両方の電源を必要とします。デバイスのI/Oパッドは3.3Vの電源によって駆動されるため、デバイスは3.3Vのロジックとインタフェース接続することができるようになります。マイクロプロセッサの5V耐性のI/Oは、5Vの周辺機器とインタフェース接続することができます。VCC1とVCC3のシーケンスの順序は重要ではありません。DSTINIm400は、MAX1792低ドロップアウトリニアレギュレータを使用して、3.3Vの電源から1.8Vを生成しています。

3G. 最小メモリ構成はどのぐらいですか?
最小のネットワーク対応システムは、64kBのSRAMを必要とします。アプリケーションコードは、ネットワークからSRAMにダウンロード可能です。ネットワークの初期化(Netboot)は、ネットワークに接続したブランクユニット上で実行することができます。不揮発性プログラムメモリを希望する場合は、外部フラッシュ/EPROMを使用することができますが、必須ではありません。

メモリのアクセス速度は、動作周波数と基板設計によって決まります。例として、しばしば挙げられますが、36MHzで動作するシステムには70nsのRAMとフラッシュが必要です。フルスピードで動作するには、15nsまたはより高速のRAMを使用する必要があります。

アプリケーションノート3478:DS80C400/410/411のフラッシュメモリの選択
アプリケーションノート1087:Micro Tutorial 1: Understanding DC Electrical Characteristics of Microcontrollers

3H. プログラムメモリはどのようにしてDS80C400ベースの設計に読み込まれるのですか?
マイクロコントローラは、特定のマイクロコントローラの機能を設定することのできるROM(ブートストラップ)ローダを搭載しています。このROMを使用すればソフトウェアをNV SRAMに読み込むこともできます。これによって、NV SRAMをプログラムメモリとして使用することができます。ROMは、ユーザの個別設計における速度やサイズ/フォーマットの要件を満たすAdvanced Micro Devicesのフラッシュメモリデバイスであれば、いずれのデバイスも読み込むことができます。ユーザの設計の中でROMローダを有効にするための詳細については、高速マイクロコントローラのユーザガイド:ネットワークマイクロコントローラ補足の173ページに記載されています。

ROMローダは、外部クロックソース(水晶または発振器)によってクロック制御される内部カウンタを使用することによって、入力シリアルストリームに対して自動ボーを試みます。自動ボー機能は外部クロックソースに依存するため、x4モード付きの18.432MHzの水晶を使用し、約73MHzで動作させることをお勧めします。この周波数を使用すると、自動ボールーチンによって、広範囲の標準ボーレートに対して同期をとることができるようになります。

3I. DS80C400/DS80C410/DS80C411の評価キットで、より多くのIOを得るにはどうすればよいですか?
TINIm400リファレンス基板とTINIs400ソケットを組み合わせることで、DS80C400の評価キットは、TINIランタイム環境を評価してTINIベースのアプリケーションを開発するための優れたプラットフォームとなっています。TINIm400/TINIs400のペアの短所は、汎用IO (GPIO)ピンの数が限られていることです。TINIs400ソケットには、GPIOとして簡単に使用可能なピンがわずかしかありません。ソケット上のIOピンのほとんどは基板全体に散在しており、他の機能で使用されるものです(たとえば、J27上のI²CピンやJ4上の外部割込みピン)。

アプリケーションノートでは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)を使用したハードウェア設定の方法と、32のGPIOピンをTINIs400ソケットボードに追加するために必要なソフトウェア開発の方法を、順を追って示しています。アプリケーションノート3364:Expanding TINI's IO Capabilityを参照してください。

3J. TINIの評価キットをx4の逓倍クロックで実行することができないのはなぜですか?
DS80C400が世に出る前は、TINIシステムの動作は、最大40MHzに限定されていました。この制限は、DS80C390プロセッサの最大速度によるものです。DS80C400では75MHzが保証されているため、最速の水晶逓倍器でシステムを実行することができるようにするためのサポートがTINIファームウェアに追加されました。しかし、システムを手頃な価格にするため、TINIリファレンスデザイン(TINIm400とTINIs400)は、このような高速度で動作するようには設計されませんでした。開発者の多くは、TINIをx4の水晶逓倍器設定で動かすことを試みましたが、最終的には、TINIが完全に停止するということに気付きました。この失敗は、DS80C400プロセッサではなく、フラッシュがこの速度に対応することができないために生じたものです。結果として、高速TINIシステムでは、ファームウェアの保存や実行のため、高速のRAMを備えたカスタムボードが必要となります。

アプリケーションノート3413:Initializing High-Speed TINI Systems

3K. より多くのシリアルポートがアプリケーションで必要となりました。シリアルポートをTINIの評価キットに追加することができますか?
はい、できます。TINI OSバージョン1.1xが実行されているDSTINIs400ソケットボード上で外部シリアルポートを実装することができます。以下のアプリケーションノートを参照してください。

アプリケーションノート3412:TINIS400 External Serial Port Reference Design
アプリケーションノート2380:Using TINI's Serial Ports

3L. Power-over-Ethernet (PoE)とは何ですか?
Power-over-Ethernet (PoE)とは、最近、IEEE規格802.3afとして承認された配電の手法です。PoEでは、Ethernetと呼ばれるユビキタスで普遍的なネットワークによって、データパケットとともにDC電力を伝達することができるようになります。つまり、IP電話、ワイヤレスアクセスノード、およびウェブ監視カメラなど、継続的な電源を必要とするすべてのネットワーク付属デバイスにとって、ローカルのAC電力が必要でなくなるということです。また、これらのデバイスを壁のコンセントの近くに配置する必要がないということであり、さらには電源ケーブルをなくすことができるということでもあります。

アプリケーションノート3363:New Ethernet Systems Distribute DC Power with Data

1-WireはMaxim Integrated Products, Inc.の登録商標です。
JavaはSun Microsystems, Inc.の商標です。
TINIはMaxim Integrated Products, Inc.の登録商標です。
UNIXはThe Open Groupの登録商標です。


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その他の情報  APP 3804: Jul 01, 2008
DS80C400 ネットワークマイクロコントローラ フルデータシート
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DS80C400-KIT DS80C400の評価キット フルデータシート
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DS80C410 EthernetおよびCAN付きネットワークマイクロコントローラ フルデータシート
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DSTINIM400 ネットワークマイクロコントローラの評価基板 フルデータシート
(PDF, 876kB)
DSTINIS400 DSTINIs400/DSTINIs-00xソケットの評価ボード フルデータシート
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