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[ホットスワップおよびパワースイッチング回路 ]
[回路保護 ]
キーワード: MAX5953A, 非絶縁型, 電源IC, パワーIC, パワーICソリューション, 受電機器, PD, Power over Ethernet (PoE), 検出および分類シグネチャ, IEEE 802.3af, バックコンバータ
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APP 3912: Feb 29, 2008
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リファレンスデザイン3912
12Vバックコンバータを含んだ受電機器向けの低コストで完全な電源ソリューション
要約:MAX5953Aは、Power over Ethernet (PoE)システムの受電機器(PD)向けに、シンプルかつ安価、それでいて完全な非絶縁電源ソリューションを提供します。この回路は、IEEESM 802.3af規格に準拠した検出および分類シグネチャに加えて、プログラマブルな突入電流制御、一体化されたパワースイッチ、PWMコントローラ、および一体化されたハイ/ローサイドスイッチをPDに提供します。バックステップダウンコンバータは、80%以上の変換効率を持ちながら、12Vで0.85Aを供給する能力を備えています。
図1 の回路は、12Vで最大0.85Aを供給するDC-DCコンバータを備えた、完全な受電機器(PD)です。MAX5953A にはハイサイドとローサイドの両方のスイッチングFETが含まれていますが、内蔵のローサイドFETを同期キャッチダイオードとして設定することはできません。そのため、バックコンバータはハイサイドのFETのみを使用します。IC内の電流制限回路は、ローサイドFETを流れる電流から得られる電圧降下情報を使って動作するため、この回路には自動的な電流制限機能は含まれていません。搭載されたヒューズF1が、起動時の短絡防護を提供します。
図1. 12V、0.85Aバックコンバータを備えたPDの回路図
MAX5953Aは、次のような特徴を備えています。
TVSダイオードD1が、過渡電圧スパイクおよび逆電圧アプリケーションからの保護を行います。
この回路は、入力電圧に応じて、PD検出シグネチャ、PD分類、およびPDパワーの3つのモードで動作します。すべての電圧スレッショルドは、オプショナルなダイオードブリッジの有無を問わず動作し、IEEE 802.3af規格に準拠しています。
PD検出モードでは、給電機器(PSE)は1.4V~10.1Vの範囲の最小間隔1VでVIN に2つの電圧を印加し、その2点での対応する電流の測定値を記録します。次にPSEはΔV/ΔI
を計算し、25.5kΩのシグネチャ抵抗R1の存在を確認します。MAX5953Aの内部回路の大部分はオフであり、オフセット電流は10µA以下です。
分類モードでは、PDが要求する消費電力に基づいてPSEがPDを分類します。抵抗R2 (255Ω)は、このPDがクラス3動作を行い、最大出力が6.49W~12.95WであることをPSEに伝えます。
VIN がUVLOスレッショルドである38Vを超えると、MAX5953Aはパワーモードに入り、徐々に内蔵MOSFETをターンオンして突入電流を制限します。
低速ターンオンが完了し、VOUT - VEE = 1.23Vになると、PGOODがオープンドレインモードに移行します。ソフトスタート用コンデンサC15が内部の33µAプルアップ電流から充電し、DC-DCコンバータのソフトスタートを提供します。抵抗分圧器R6/R7と1.33VのDCUVLOスレッショルドによって、DC-DCコンバータはVOUT = -30V (V+に対して)になるまで動作を抑止されています。
クラス3のパワー上限は12.95Wであるため、パワー変換効率80%のとき負荷は12Vで0.85Aまでに限られます。
ホットスワップ回路の説明
デフォルトのUVLOターンオン電圧は38.6V、デフォルトのターンオフ電圧は約30Vです。UVLOターンオンとターンオフは、V+とVEE の間に抵抗分圧器を接続し、タップをUVLOに接続することによって、12V~67Vの任意の値に設定することができます。
ひとたびUVLOに達すると、10µAの電流でFETのゲートに充電することによって、内蔵のFETが徐々にターンオンします。この低速ターンオンによって100µFのC6の充電電流が最小化されます。この回路において、OUTのホットスワップ出力電圧は910mV/msの速度で低下し、入力に電圧が印加された8ms後から降下が始まります。図2 をご覧ください。
図2. ホットスワップターンオンと立上りタイミング CH1 = VSS , CH2 = VOUT
PWM回路の説明
DC-DCコンバータは、内蔵のハイサイドFETと外付けのショットキーキャッチダイオードを使用する標準的なバックコンバータです。動作可能な入力範囲は30V (DCUVLOの抵抗分圧器で設定)から60Vです。この範囲が、最小2.5:1から最大5:1までのステップダウン率に対応します。結果のデューティサイクルは20%~40%です。スイッチング周波数はR4とC4によって532kHzに設定され、最小幅420nsのONパルスを提供して低いスイッチング損失を維持します。
OPTOにおけるフィードバック電圧がCSS の電圧より1.45V以上高くならないように制限し、かつ内部の33µA電流ソースによってCSS のコンデンサを充電するという、タイミング動作の組み合わせによってソフトスタートが提供されます。CSS は、最初はPGOODによってGNDにクランプされますが、OUTがVEE から1.2V以内になってホットスワップ機能が完了すると、PGOODは解放されます。この手順によって、起動時のフィードバック信号の緩やかな立上りが可能になり、デューティサイクルが徐々に増大して出力電圧オーバシュートを防ぎます。ソフトスタート機能は、起動時のOPTO端子のスロープに明瞭に現れており(図3 )、高負荷時を図4 に、低負荷時を図5 に示すように、VOPTO が2Vに達した時点で立上りは動作状態になります。
図3. ソフトスタートのタイミング CH1 = VOPTO , CH2 = VCSS ; CSS = 470nF
図4. PWMの制御は、OPTOにおけるフィードバック電圧をRAMP電圧と比較することによって行われる。
CH1 = VOPTO , CH2 = VRAMP , ILOAD = 400mA
図5. 低電流負荷条件下での、PWM立上りとOPTOにおけるフィードバック電圧との比較。
CH1 = VOPTO , CH2 = VRAMP , ILOAD = 50mA
コントローラは電圧モードで動作し、R3とC3で電圧フィードフォワード立上りが設定される。OPTOの信号がRAMPの電圧と比較される。
起動時の出力電圧オーバシュート
ソフトスタート用コンデンサ(CSS )の470nFという値は、図6 に示すようにオーバシュートを1%以下に最小化します。図7に示すように、これより小さなCSS の値を使用しても、ターンオン時の出力電圧オーバシュートを制御する上では穏やかな効果しかありません(図7 ではCSS = 100nFのときオーバシュートは7.7%になっています)。CSS の値が小さければより高速な起動が可能になりますが、ターンオン時の出力オーバシュートが増えるという犠牲が伴います。
図6. 起動時の出力電圧オーバシュート
CH1 = VOUT , CH2 = VCSS , CSS = 470nF, RLOAD = 30Ω (IOUT = 400mA at 12V), Overshoot ≈ 0
図7. 起動時の出力電圧オーバシュート
CSS = 100nF
電流制限
MAX5953にはハイサイドとローサイド両方のFETが集積化されていますが、ローサイドFETはトランス結合で絶縁されたフォワードまたはフライバック回路用です。ハイおよびローサイドFETは同時にオンになり、通常はローサイドFETでの電圧降下を検出することによって電流検出が提供されます。この回路ではローサイドFETを使用していないため、電流検出は行われません。短絡発生時にMAX5953とその内部パスFETをダメージから保護するために、ヒューズが設けられています。しかし、DC-DCコンバータが起動した後は、出力の短絡に対する保護という点で、ヒューズには限られた効果しかありません。これは、ヒューズの熱的タイムラグの間にパスデバイスが破損する可能性があるためです。
負荷トランジェント
図8 は、1/2負荷と全負荷の間でスイッチングが行われるときの負荷トランジェントを示しています。固定の400mAの負荷が存在し、出力にパルス状の400mAの負荷が並列に追加されます。図8のように、負荷が0mAから400mAにパルス状に変化する場合、負荷トランジェントは著しく増大します。しかし、図9 に示すように負荷トランジェントは低く、50mA以上のDC負荷電流とはほぼ無関係です。
図8. 1/2負荷から全負荷への負荷トランジェント
CH1 = VOUT , CH2 = ΔIOUT , Transients = 1.2%, IOUT = 800mA 400mA 800mA
図9. ゼロから1/2全負荷への負荷トランジェント
CH1 = VOUT , CH2 = ΔIOUT , Transients = 5% to 10%, IOUT = 400mA 0mA 400mA
変換効率
変換効率は、250mAの負荷電流における71%から、1Aの負荷電流における80.5%まで変化します。図10 は、850mA全負荷時に効率が80%以上であることを示しています。
図10. VIN = 48Vにおける変換効率
ループ安定性
電圧モードの制御ループでは、4.1kHzのLCOUT (L1, C9)共振に2つのポールが現れ、COUT の小さなESRにより4MHz以上にゼロが現れます。タイプ3のループ補償を使用して、LCOUT の共振より上でユニティゲイン帯域を可能にしています。LCOUT の共振が持つ2つのポールを補償するため、2.1kHz (R9、C14)と4.1kHz (R11、C15)に2つのゼロが設けられています。2つのポールは20kHz (R9, C13)と125kHz (R10, C15)に配置されています。図11 に示した制御ループのクローズドループボード線図から、ユニティゲイン周波数19.4kHz、位相マージン59°であることが分かります。
図11. クローズドループボード線図
アプリケーション
この単純なバックコンバータは、低コストなトランス結合の構造が、短絡条件下における回路故障の可能性よりも重要になるPDアプリケーションに最適です。
MAX5953Aの部品表
Qty
Description
Designator
Part Number
1
Capacitor, ceramic, X7R, 68nF, 10%,100V, 1206
C1
TDK C3216X7R2A683K Vishay VJ1206Y683KXB
1
Capacitor, ceramic, X7R, 22µF, 20%,16V, 1812
C10
TDK C4532X7R1C226M
1
Capacitor, ceramic, X7R, 1µF, 10%, 16V, 0805
C11
TDK C2012X7R1A105K
1
Capacitor, ceramic, X7R, 2.2nF, 10%, 25V, 0805
C12
TDK C2012X7R2A222K Vishay VJ0805Y222KXX
1
Capacitor, ceramic, X7R, 15nF, 10%, 25V, 0805
C13
TDK C2012X7R2A153K Vishay VJ0805Y153KXX
1
Capacitor, ceramic, NPO, 150pF, 5%, 50V, 0603
C14
TDK C1608COG1H151J Vishay VJ0805Y151JXA
1
Capacitor, ceramic, X7R, 470nF, 10%, 50V, 0805
C15
TDK C2012X7R2A474K Vishay VJ0805Y474KXA
1
Capacitor, ceramic, X7R, 4.7nF, 10%, 25V, 0805
C2
TDK C2012X7R2A472K Vishay VJ0805Y472KXX
1
Capacitor, ceramic, NPO, 100pF, 5%, 50V, 0603
C3
TDK C1608COG1H101J Vishay VJ0805Y101JXA
1
Capacitor, ceramic, NPO, 39pF, 5%, 50V, 0603
C4
TDK C1608COG1H390J Vishay VJ0805Y390JXA
1
Capacitor, ceramic, X7R, 1µF, 10%, 100V, 1210
C5
TDK C3225X7R2A105M
1
Capacitor, al. elec., 100µF, 20%, 80V, SM 10 x 10mm
C6
Panasonic EEV-FK1K1010
1
Capacitor, ceramic, X7R, 2.2µF, 20%, 100V, 1812
C7
TDK C4532X7R2A225M
1
Capacitor, ceramic, X7R, 220nF, 10%, 50V, 0805
C8
TDK C2012X7R1H224K Vishay VJ0805Y224KXX
1
Capacitor, ceramic, X7R, 2.2µF, 20%, 50V, 1210
C9
TDK C3225X7R1H225M
1
Diode, TVS, 64V, SMA
D1
Vishay SMAJ64A
1
Diode Schottky 90V, 1A , SMB
D2
ON Semi MBRS190T3
1
Fuse, 1/2A, 1206
F1
Littlefuse 0433.500
1
Inductor, 68µH, 1A, 10 x 10mm
L1
TDK SLF10145T-680M1R2
1
Resistor, thin film, 25.5kΩ, 1%, 0805
R1
1
Resistor, thin film, 14.3kΩ, 1%, 0805
R10
1
Resistor, thin film, 4.99kΩ, 1%, 0805
R10
1
Resistor, thin film, 402Ω, 1%, 0805
R11
1
Resistor, thin film, 17.4kΩ, 1%, 0805
R12
1
Resistor, thin film, 2.00kΩ, 1%, 0805
R13
1
Resistor, thin film, 255Ω, 1%, 1206
R2
1
Resistor, thin film, 210kΩ, 1%, 0805
R3
1
Resistor, thin film, 28.0kΩ, 1%, 0805
R4
1
Resistor, thin film, 3.9kΩ, 5%, 0805
R5
1
Resistor, thin film, 316kΩ, 1%, 0805
R6
1
Resistor, thin film, 14.7kΩ, 1%, 0805
R7
2
Resistor, thin film, 10.0kΩ, 1%, 0805
R8 R9
1
IC, Controller, Power device +DC-DC converter TQFN50P700X700X48-EP
U1
MAX5953AUTM+
1
IC, Reference, 1.24V 1% SO-8
U2
TI TLV431ACDBV
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