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バッテリ管理
キーワード:
チャージャ, 高速チャージャ, リチウムイオンバッテリ, NiMHバッテリ, NiMHバッテリチャージャ, リチウムイオンイオンバッテリチャージャ, 充電式バッテリ, NiCdバッテリ, NiCdバッテリチャージャ, スタンドアロンチャージャ, スタンドアロン高速チャージャ, アルカリバッテリ検出
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APP 3999: Jul 17, 2007
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アプリケーションノート3999
充電式バッテリおよびスタンドアロン急速チャージャの概要
要約:このアプリケーションノートは、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル水素(NiMH)、およびリチウムイオン(Li-Ion、Li+)充電式バッテリの概要を示し、それらの特性を紹介して、監視用マイクロコントローラを使用せずにスタンドアロン構成でNiMHおよびリチウムイオン充電式バッテリを安全に急速充電する方法を説明します。
はじめに
充電式バッテリは、今日の製品、特にノートブックコンピュータ、携帯電話、およびディジタルカメラなどのポータブル機器用の標準的な電源です。電力レベルは低下していても、充電式バッテリが消費する電力量は上昇しています。その理由としては、機能統合(ディジタルカメラ付きの携帯電話など)の進展、ノートブックコンピュータの演算速度の向上、および大型カラーディスプレイが手ごろになったという複数の理由があります。ポータブル機器におけるこうした高水準の電力消費の結果として、充電式バッテリの使用は標準バッテリの使用に比べコスト効率と環境への配慮が向上しています。
このアプリケーションノートでは各種充電式バッテリの概要を示し、それらの標準的な特性とバッテリタイプを選択するための重要な考慮事項について詳述します。続いて、この記事では、マイクロコントローラや電力サージ保護付き電源アダプタを使用せずにスタンドアロン構成でNiMHおよびリチウムイオン充電式バッテリを安全に急速充電する方法について説明します。
充電式バッテリタイプ
DECT電話、カセットプレーヤ、および電気シェーバなどの1980年代中頃のポータブル機器は、主にニッケルカドミウム(NiCd)充電式バッテリから電源供給されました。ニッケル水素(NiMH)およびリチウムイオン(Li-Ion)充電式バッテリがその後出現し、1990年代の末期頃に大規模な市場が登場しました。
NiCdバッテリはNiMHおよびリチウムイオンバッテリに比べ安価であるため、低コストアプリケーションで特に普及しました。NiCdは最高レベルの放電電流を供給するため、短い間、高レベルの電力を必要とするアプリケーションでも使用されました。
その一方、NiCdバッテリは、バッテリ容量を減少するいわゆるメモリ効果の影響を以前は受けました(現在のNiCdではメモリ効果の影響はほとんどなし)。こうしたNiCdバッテリが完全放電前に再充電されると、活物質(アノードのカドミウム側に100µm程度)が未使用状態で残り、結晶化されるため、化学作用によって除去されます。(新品バッテリのアノードにあるカドミウム水晶は、約1マイクロメートル厚です)。
メモリ効果の結果、バッテリの容量と端子電圧が低下し、NiCdバッテリは所定時間よりも早く最低有効端子電圧(シャットオフポイント)に達します(
図1
)。NiCdバッテリのもう1つの短所は、活物質内の有害なカドミウム(Cd)です。このため、European Regulation 2000/53/EGは、2005年12月31日付けでNiCd充電式バッテリの販売を禁止しました。
NiMHバッテリはNiCdに比べ地球にやさしいですが、コストも上昇します。その放電電流はNiCdに比べ低下していますが、レイジ効果の影響を受けます。この効果はNiCdバッテリのメモリ効果よりも弱い効果です。このレイジ効果は、ニッケルの一部の水晶化によって発生します。メモリ効果と同様に、レイジ効果は充電式バッテリ全容量の使用を妨げますが、放電機能を持つチャージャを使用することによって、両方の効果をともに排除することができます。
図1. NiCdのメモリ効果とNiMHのレイジ効果の比較
リチウムイオン充電式バッテリは高コストになりますが、十分に高いエネルギー密度を備えているため、任意のサイズでより高い性能を提供することができます。その結果、この性能のため、リチウムイオン充電式バッテリは超小型のポータブル機器に最適です。
表1
は、各バッテリタイプの主要特性の概要を示しています。
表1. 充電式バッテリタイプの概要
NiCd
NiMH
Li-Ion
Energy Density
Average
Average
High
Memory Effect or Lazy Effect
Memory effect
Lazy effect
No
Costs
Cheap
Average
Expensive
Self-Discharge, % per Month*
~ 25
~ 25
~ 8
Maximum Discharge Current
> 5C
< 3C
< 2C
*常温において
C = バッテリ容量
NiMH充電式バッテリ用のスタンドアロン急速チャージャ
リチウムイオンバッテリを選好する人たちにとっても、NiMHバッテリは人気があります。というのは、NiMHバッテリはリチウムイオンバッテリよりかなり安価であり、MP3プレーヤ、フラッシュ装置、およびサイクルランプなどの機器によく設置される標準的なAA (単3)およびAAA (単4)サイズで利用可能であるためです。
NiMH充電式バッテリの温度と端子電圧は、バッテリが充電されるにつれて持続的に上昇し、バッテリがフル充電されると急変します(
図2
)。このため、NiMHチャージャの主な作業はこの変曲点を識別し、充電を中断することであり、また急速充電からトリクル充電に切り替わることができます。さらに、独立した温度および電圧(2次的)監視を定期的に行うことで、充電プロセス中の安全性が向上します。
図2. これらの曲線は、NiMH充電式バッテリの充電時の電圧(上部)および温度(下部)の標準的な時間変動を示しています。
DS2711/DS2712
ファミリ内のチャージャは、これらの機能を備えています。また、これらのチャージャは独立して動作するため、マイクロコントローラやマイクロプロセッサの監視は不要です。これらのチャージャは、標準的な単一のAAまたはAAA充電式バッテリ、あるいは直列または並列構成のペアのバッテリを充電するように設計されています。DS2711はリニアコントローラとして動作し、DS2712はスイッチングコントローラとして動作します。それらの動作寿命を最大限に伸ばし、バッテリを温存するために、これらのチャージャは、プリチャージ、急速充電、トップオフ充電、および保守(トリクル)充電の4種類の充電モードを備えています。たとえば、トップオフモードでは、バッテリがフル充電された直後に充電レートはより低いレート(DS2711の場合は25%)に切り替わります。
DS2711/DS2712チャージャは前述した監視機能のほかに、内部タイマを内蔵しています。このタイマによって、外付け抵抗をTMR端子に接続すると、最大充電時間を設定することができます(たとえば、急速充電モードでは0.5~10時間)。その場合、トップオフ充電時間(0.25~5時間)は、設定済みの最大充電時間の半分の長さです。任意の概算充電時間(T
APPROX
)に関する抵抗値は、以下の通りです。
R = 1000T
APPROX
/ 1.5
(式1)
急速充電モードにおいて最大充電時間を過ぎると、チャージャは急速充電からトップオフ充電に切り替わり、タイマをリセットします。続いて、タイマはトップオフ充電時間をカウントダウン(逆カウント)します。その時間を過ぎると、チャージャはトップオフモードから保守(トリクル充電)モードに切り替わります(
図3
)。
図3. この標準動作回路では、DS2711バッテリチャージャICは2個の直列NiMH充電式バッテリを充電します。
コネクタVP1およびVP2は電圧を監視し、THM1およびTHM2は(サーミスタを使って)各充電式バッテリの充電温度を監視します。端子TMR (タイマ)およびR
SNS
(センサ抵抗)は、充電時間と充電電流の設定に使用されます。DS2711/DS2712チャージャの他のもう1つの機能は、充電されるバッテリに障害があるかどうか、またはチャージャに充電式バッテリタイプではなく1次アルカリバッテリが誤装着されたかどうかを検出します。障害や誤装着がある場合は、チャージャはシャットダウンされます。
アルカリバッテリの検出方法とは?
新品の大容量NiMH充電式AAバッテリの標準内部抵抗は30mΩ~100mΩであり、アルカリバッテリの場合は通常200mΩ~300mΩです(ただし、充電状態に応じて最大700mΩ)。障害のある充電式バッテリの内部抵抗はこれよりはるかに大きくなっています。このため、DS2711/DS2712チャージャは測定されるバッテリ電圧(VP1およびVP2)と設定済みの充電電流を用いて、充電対象のバッテリの内部抵抗を計算します。
(セル試験、スレッショルド設定用の) CTST端子は、セルインピーダンスの測定を制御します。V
CTST
は、充電時のセル電圧から、充電電流がないセルのオープン回路電圧(OCV)を引いた差です。この値は、充電電流にセルインピーダンスを乗算した値に相当します。検出端子(VP1、VP2、およびVN1)がバッテリにケルビン接続されていない場合は、接触抵抗も測定されるので、V
CTST
設定時に考慮する必要があります。外付け抵抗R
CTST
の値を計算する式は、以下の通りです。
R
CTST
= 8000 [V
2
/A] / V
CTST
, where V
CTST
= I
Charge
* R
CELL
(式2)
たとえば、C/2レート(1.1A)で2200mAhのNiMHセルを充電し、セル除去抵抗スレッショルドとしてR
CELL
= 150mΩを選択すると、V
CTST
は以下の通りです。
V
CTEST
= I
CHARGE
* R
CELL
= 1.1A * 150m
= 0.165V
または
R
CTST
= 8000 [V
2
/A] / 0.165V = 48,485
(最も近い標準的な1%抵抗値では48.7kΩ)
V
CTST
レベルを超えると(この場合、0.165Vを超過)、ICは接触抵抗を加えた内部バッテリ抵抗が150mΩを上回ることを示し、論理または可視エラーメッセージ(LED1、LED2)をアサートして、充電手順を停止します(
図4
)。
図4. このフローチャートは、図3においてICに実装された充電手順を図示しています。
リチウムイオン充電式バッテリ用のスタンドアロン急速チャージャ
リチウムイオン充電式バッテリの充電は、電圧変動のレート(dV/dt)を監視する必要がないため、NiMHバッテリの充電より容易です。また、リチウムイオン充電式バッテリは過電圧に敏感に反応するため、充電プロセスには充電電流が一定で4.2V ± 50mVの高精度な電源が必要です。NiMHバッテリの場合は、チャージャは、1次電圧監視機能のほかに、2次監視機能(温度、タイマ)も搭載している必要があります。
リチウムイオン充電式バッテリ用のスタンドアロンチャージャである
MAX8601
は、V
BATT
と呼ばれる内部で制御される電圧源を備えています。この電圧源は+25℃で4.2V ± 0.021V、または40℃ < T < 85℃の範囲にわたって4.2V ± 0.034Vを示します。このチャージャは、V
BATT
との接続を通じてリチウムイオンバッテリを充電しながら、定出力電流を維持することができます(
図5
)。(SETI端子の)外付け抵抗と(CT端子の)外付けコンデンサは、充電電流および内蔵タイマを設定します。また、このチャージャはNTC抵抗を使って、充電式バッテリの温度を監視することができます。
図5. リチウムイオンバッテリ用のスタンドアロンチャージャMAX8601の標準動作回路
MAX8601チャージャの主な利点は、外部電源アダプタ(DC端子)またはUSBポートを通じてバッテリを充電する機能です(
図6
)。USBポートは、USEL端子の設定に応じて、100mAまたは500mA (標準USB出力電流)の充電電流を供給します。チップは外部電源(電源アダプタまたはUSB)を自動的に選択し、両電源が利用可能な場合は、電源アダプタを通じてバッテリを充電します。両電源とも、4.5Vの最低電圧を備えている必要があります。
MAX8601は、ローバッテリプリチャージ、電圧/電流制限付き急速充電、およびトップオフ充電などの制御アルゴリズムを用いて、リチウムイオンセルの充電を最適化します。また、パワーオンリセットも装備し、過電圧、温度過昇/温度過冷、および充電時間についてバッテリを常時監視します。
図6. このフローチャートは、図5においてICに実装された充電手順を図示しています。
まとめ
DS2711/DS2712 and MAX8601はスタンドアロンチャージャであり、その複数の監視機能(電圧、電力、温度、およびタイマ)にはマイクロコントローラや電力サージ保護付き電源アダプタは不要です。両デバイスとも、クリアで簡素な外部スイッチングを提供します。
一般的なQ & A
NiMHバッテリチャージャを使って、NiCdバッテリを充電することはできますか?
回答:充電式バッテリは様々なシャットオフ特性を備えているため、適度に成功する場合があります。NiCdバッテリはdV/dt = 0の場合にシャットオフされ、NiMHバッテリはdV/dt < 0の場合にシャットオフされるはずです。
機器に異なる容量の充電式バッテリを設置したり、新旧のバッテリの組合わせを設置することはできますか?
回答:それは実行可能ですが、機器の性能は最も容量が少ないバッテリで決まるために推奨されません。
充電式バッテリを使用すべきでない場合とは?
回答:リモコンや煙探知器などのアプリケーションでは充電式バッテリを使用しないでください。それらの電源要件は低く、機器が常用されていないためです。充電式バッテリは、通常バッテリよりも自己放電レートが高い傾向があります。たとえば、NiMHは毎日、容量の1%を喪失します。このため、その動作期間は通常バッテリよりもかなり短くなります。
その他リソース
マキシム(Maxim Integrated Products)
VARTA
Duracell
Battery University
Stiftung Gemeinsames und Rucknahmesystem Batterien [使用済みバッテリのドイツの共同収集制度]
同様の記事が、
Design and Elektronik
誌の2006年3月号に掲載されています。
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