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アプリケーションノート4122

単純なレギュレータによるハイサイド電流監視用定電圧の供給

要約:標準的なフォトダイオード電流監視アプリケーションでは、電流モニタとアバランシェフォトダイオード(APD)の間の電圧降下が温度およびそれを流れる電流によって変化するため、全体としての利得が変化します。このアプリケーションノートでは、電流モニタとAPDの両端で一定の電圧降下を維持することによってこの問題を解決するレギュレータ回路について説明します。

概要

電流モニタとアバランシェフォトダイオード(APD)の間の電圧降下は、温度およびフォトダイオード電流監視アプリケーション内を流れる電流によって変化します。したがって、ファイバおよび計測伝送システムなどのアプリケーションでは、平均フォトダイオード電流を検出できることが効率的なシステム管理にとって不可欠です。

標準動作回路

MAX4007/MAX4008は、フォトダイオード電流の監視用に特別に設計された高精度、ハイサイド、高電圧電流モニタです。これらのデバイスは、リファレンス電流用の接続点(REF)と、リファレンス電流に比例した信号を提供するモニタ出力を備えています。図1に示すように、適切なAPD (アバランシェフォトダイオード)またはPIN (positive-intrinsic-negative)フォトダイオードをICのREF端子に接続します。REF端子は、フォトダイオードのカソードにソース電流を供給します。

Figure 1. Typical application circuit using the MAX4007 high-side current monitor.
図1. MAX4007ハイサイド電流モニタを使用した標準動作回路

フォトダイオードのV-I特性は傾きが急であるため、フォトダイオード両端の電圧がわずかに変化しただけで電流が大きく変化し、それによってファイバアプリケーション回路の全体的利得が変化します。フォトダイオードの電圧降下は、温度およびそれを流れる電流によって変化します。MAX4007シリーズの標準的な電圧降下(VBIAS - VREF)は0.8Vであり、保証最大値は1.1Vです。

図2に、REF電流IREFの変化に伴うリファレンス電圧の変動を示します。このグラフから、従来の非安定化回路では、フォトダイオード電流1µA~4mAの範囲でVREFが0.4Vも変化することが分かります。アプリケーションによっては、VREF電圧のこうした変動を許容できない可能性があります。REF電圧を安定化する上で大きな問題となるのは、VBIASが最大で76Vもあるという点です。

Figure 2. Variation of the reference voltage with IREF.
図2. IREFの変化に伴うリファレンス電圧の変動

レギュレータ回路

図3に示すレギュレータ回路は、VSUPPLYからVREFへの電圧降下を一定に保つことによって、前述の2つの問題を同時に解決します。この回路は、2.048Vの安定したリファレンス(MAX6007)と、1.2Vのバッファ付き内部リファレンスを備えた低バイアス電流のオペアンプ(MAX4037)で構成されています。バイアス電流は抵抗R1で設定します。

オペアンプの電源には、5V~76Vの電源電圧範囲全体にわたって、常に3.248V (2.048V + 1.2V)の電源分の差が現れます。MAX4037オペアンプの出力はMAX4007のBIAS端子に入力され、MAX4007のREF端子がオペアンプの反転入力に接続されます。オペアンプは、この電圧を自分の非反転入力の電圧(VSUPPLY - 2.048V)に固定することによって、REF電圧の変動をすべて吸収します。MAX4037は、1µA~4mAのフォトダイオード電流の全範囲にわたって電流供給可能です。

Figure 3. Regulator circuit for the MAX4007/MAX4008 current monitor.
図3. MAX4007/MAX4008電流モニタ用のレギュレータ回路

図2に示した安定化出力のグラフから、1µA~4mAのフォトダイオード電流の変化に対して、REFの電圧(VSUPPLY - VREF)は2.047Vで一定していることが分かります。図4は、1mA、3mA、および4mAという異なるリファレンス電流について、電源電圧5V~76Vの範囲でこの電圧が一定であることを示しています。

Figure 4. VSUPPLY - VREF vs. VSUPPLY for different values of bias currents.
図4. 様々なバイアス電流値におけるVSUPPLY - VREFとVSUPPLYの関係

2つの誤差要因によって、わずかな電圧誤差が生じます。1つはMAX4037オペアンプのオフセット電圧ですが、これは非常に小さな値(±2.0mV)であり、温度ドリフトも動作温度範囲で、わずか100µV/℃です。第2の要因はMAX6007のブレークダウン電圧の変動であり、動作電流範囲での変化量は±1.3mV、動作温度範囲での温度ドリフトは75ppm/℃です。これらの誤差要因にもかかわらず、ここで提示したレギュレータ回路は、非安定化回路と比較して大幅な改善を実現します。

結論

このアプリケーションノートで提案した回路は、MAX4007/MAX4008電流モニタの両端におけるいろいろな電圧降下の変動をなくすことができます。それによって、ファイバアプリケーションのフォトダイオードに対し、負荷電流および電源電圧の全範囲にわたって、安定した、既知の電圧を供給します。


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