なお、シンプルなトランジスタ回路をバッファとして検出端子とマイクロコントローラ入力の間に入れることもできます。こうすれば、コントローラとの接続に必要なレベル変換もバッファ部分で行うことができます。携帯電話やPDAなど、スペースが限られている機器には、2~3ミリメートル以下という小型パッケージのトランジスタがいいでしょう。このバッファリングとレベル変換は、超小型パッケージの低コスト、低電力コンパレータで行うこともできます。1mm x 1mmというチップスケールのパッケージで消費電力はわずか1µAというMAX9060ファミリ製品などがあります。
この図のようにマイクロコントローラのリファレンス電圧(VMIC-REF)が3Vの場合、32Ωのヘッドフォン負荷を接続するとVDETECTが43mVとなります。これに対し、500µAの定電流が流れるマイク負荷では1.9Vとなります。ただし、このVDETECTを直接検出するのは基本的に困難です。一般的なマイクロコントローラのポートはCMOS入力では、ロジックレベルを0.7 x VCC以上と0.3 x VCC以下とする必要があります。つまり、電源電圧が3.3Vの場合、コントローラの入力ロジックは2.3V以上と1V以下にしなければなりません。
このヘッドセット検出アプリケーション用コンパレータは、ポータブル用であるゆえに小型で消費電力も少ないものとすべきです。図4に示すコンパレータはわずかに1mm x 1mmという大きさで消費電流も最大で1µAにすぎません。また、携帯電話で使用されている周波数の影響を受けにくく、高い信頼性で動作させることができます。内部にヒステリシスを持つとともに入力バイアス電流が小さいというのも特長です。このため、携帯電話や携帯用メディアプレーヤ、ノートパソコンなど、スペースと消費電流が大きな意味を持つバッテリ駆動のアプリケーションで使用するヘッドセットの検出に最適な回路だと言えます。
VDETECTの時点におけるDC電圧は2.52Vで(図6)、MAX9063の出力はローにアサートされています。フックスイッチを押してVDETECTをグランドに落とすと、外付けのプルアップ抵抗(10kΩ)によってMAX9063の出力がハイになります。このようにわずか1mm x 1mmという小型のCSPパッケージに収められたコンパレータMAX9063は、フックスイッチとアクセサリの検出に適しています。同じくコンパレータのMAX9028ファミリも利用に適しています。