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アプリケーションノート 523

ステップアップ・スイッチャ出力をバッテリへ送るクイックチャージIC

シンプルさと効率の高さでは、ステップダウン、スイッチモードのバッテリチャージャが他のどの構成よりも好まれますが、バッテリの端子電圧に対して電源電圧が低過ぎる場合もあります。このような例としては、バックアップバッテリをバックアップする電源から充電する場合や、直列に接続した多数のセルを自動車のバッテリで充電する場合などが挙げられます。

このようなアプリケーションには、急速充電コントローラと共にステップアップ・スイッチングレギュレータを適用することができます(図1)。この回路では、5V入力から5個以上のニカド電池またはニッケル水素電池を充電することができます。充電サイクル中のセルの電圧は大きく変化するため、VINを充電の対象となるバッテリの最大端子電圧より高くブーストすること(そしてブーストした後、リニアレギュレータで電圧をバッテリレベルに降下させること)は避けるべきです。このアプローチは効率が悪いだけでなく、熱も発生させます。

図1. ステップアップ・スイッチングレギュレータ(IC1)および急速充電コントローラ(IC2)は、複数のセルから成るバッテリを急速且つ効率的に充電します
図1. ステップアップ・スイッチングレギュレータ(IC1)および急速充電コントローラ(IC2)は、複数のセルから成るバッテリを急速且つ効率的に充電します

ここで示す回路は、バッテリの充電中に負荷にも電流を供給します。負荷電流はバッテリおよび検出抵抗R2をバイパスするため、充電電流には殆ど影響はありません。(放電中の効率を高めるためには、低Rds(on)のMOSFETを並列に接続することで、R2の電圧ドロップを大幅に低減することができます。)

図に示すIC1の接続ではフィードバック入力(ピン3)が内部設定点以下に保たれ、ステップアップコンバータが、最大出力電流を発生させる電流ソースとして動作します。ここで、外部電流検出抵抗をパワーMOSFET (Q2)で置換えることで、この出力電流は、Q2のゲート電圧およびオン抵抗を制御する電流ミラーQ3-Q4を介して、IC2のDRV出力によって設定されます。

異なる入力電圧範囲に対して回路全体を構成する時は、(必要に応じ) IC2のピン15の電流が5mA~20mA以内で保たれるようにR1 を調整します。この結果、IC2のシャントレギュレータには内部V+を約5Vに維持します。VINが16Vを超えた時は、IC1への直結接続を外し、チップへの電源はIC2のV+から供給します。この場合、デバイスQ1に対する出力電力が20Wを超えないようにし、充電電流をR2によって以下のように調整します。

ICHARGE = 0.25 / R2

直列に接続した6個のセル以外でバッテリを充電する時は、データシートの説明に従ってIC2をプログラムし直します。D1は、充電中にバッテリを取り除いた場合にコンデンサC1への過電圧を防ぎ、ツェナ電圧はセル数の約2倍(ボルト値)にします。C1にはIC1からの出力電流をスムーズにする働きがありますが、リップル電流定格値を超えないよう注意してください(リップル電流は、約ICHARGE + ILOADです)。


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