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アプリケーションノート 813

マキシムのシリアルインタフェースソフトウェアの読み込み速度の測定

要約:このアプリケーションノートでは、マキシムのソフトウェアが種類の異なるパーソナルコンピュータ上で動作する場合の、3線バス速度について説明します。テスト対象のプロセッサ速度の範囲は233MHz~933MHzです。また、Windows® 95およびWindows 98オペレーティングシステムを使用しました。シリアルバス伝送を記録するため、ロジックアナライザを使用してPCのパラレルプリンタポートを監視しています。MAX2361の24ビットレジスタは、オペレーティングシステムとプロセッサのクロック周波数に応じて、204µs~118.4µsで読み込まれます。

追加情報 マキシムは、3線SPI (シリアル周辺インタフェース)バスを使用して、多くの製品の内部レジスタをプログラミングするためのソフトウェアを提供しています。このソフトウェアは、パーソナルコンピュータのパラレルプリンタポート上で「ビットバンギング」¹することにより、バスの読み込み動作を実現しています。このソフトウェアに関してマニュアル等に書かれていない側面の1つに、シリアルバスを経由したデータの転送速度があります。多くのSPI ICは、10MHz以上のクロックレートをサポートしています。このアプリケーションノートでは、さまざまな種類のコンピュータ上でのシリアルインタフェースの性能について説明します。MAX2361に見られる24ビット長のレジスタに対する読み込み時間は、平均118µs~204µsです。このテストに使用したソフトウェアは、Maxim Interface Software Version 5.00.26」です。

テスト環境

4種類のIBM互換機を使用して、異なるプロセッサのクロック速度、メモリサイズ、及びオペレーティングシステムの影響を評価しました。

表1. ソフトウェアのテストに使用したパーソナルコンピュータ
Dell 4100
Desktop
IBM T20
Notebook
HP Pavilion 6470Z
Desktop
Sony Vaio PV220
Desktop
Operating System
Win 98 Second Edition
Win 98 Second Edition
Win 98
Win 95
Processor
(P = Pentium)
P III
PIII
PII
PII
Processor Speed
933MHz
750MHz
400MHz
233MHz
DRAM
128M
96M
96M
32M

各マシンに、パラレルプリンタポートをそれぞれ1つだけ取り付けました。プリンタポートに現れる信号を監視するため、図1に示すようにロジックアナライザを接続しました。


図1. ロジックアナライザとパーソナルコンピュータ間のインタフェース

テスト方法

各マシンにインタフェースソフトウェアを読み込んで実行しました。MAX2360の「Register View」画面を使用して、ソフトウェアが24ビットレジスタ値を送信するようにしました。選択したレジスタはRF R Dividerで、1968というデフォルト値を使用しました。送信されるバイナリパターンは、000000000111101100000001です。このレジスタの最初の7ビットは使用されず、次の13ビットが、位相ロックループのRF (無線周波数)基準分周器をプログラミングし、1968で分周します。パラレルプリンタポート上で送信される残りの4ビットは、MAX2360/2361内での宛先アドレスの値です。1968という値は、19.68MHzのVC-TCXO (電圧制御温度補償型水晶発振器)を10kHzまで分周するためにCDMAシステムで使用される標準的な値です。これにより、RF位相ディテクタの比較周波数が10kHzに設定されます。

使用したロジックアナライザはHP1653Bです。MAX2361でインタフェースソフトウェアを使用する場合、監視する必要のあるパラレルプリンタポートの3つのピンは、ピン2、3、及び4です。ピン2はSPIバス信号「Clock (クロック)」を、ピン3はSPI信号「Enable (イネーブル)」を、ピン4は「Data (データ)」を伝えます。ロジックアナライザを設定して、イネーブル信号のパルスの立ち下がりエッジで信号をトリガするようにしました。読み込みの合計時間は、イネーブル信号がLOWの間の合計時間と定義されます。図2は、HP1653Bから取り込んだ画面を示しています。


図2. HP1653Bによって捕捉されたSPIバス伝送

考察:ロジックアナライザの結果について

インタフェースソフトウェアの制御の下で多くのSPIバスの処理を調べた結果、明らかになったことは、単純な数値結果を理解するには若干の判断が必要になるということです。伝送の速度は主に次の2つの要因によって影響を受けます。
  1. プロセッサのクロック速度。高速なプロセッサ速度は、高速なSPI伝送をサポートします。
  2. オペレーティングシステムのオーバヘッド
Windowsは、システムオーバヘッドの割り込みに対応するため、表面上は不定期にアプリケーションプログラムの処理を一時停止します。処理によっては、SPI伝送の間隔が30%~50%延長されます。これは、今回のテストではあまり頻繁には起こりませんでした。

歴史的な留意事項:MS-DOSは、1秒間に18.2回発生するシステムタイマ割り込みを使用していました(約55msごと。割り込み08H)。Windows 9Xも、システムが中断されるような同様のタイマリソースを持つ可能性があるので、これらの各時点において、SPIバスの動作は割り込みが解除されるまで一時停止します。

異常に長いSPIの伝送時間はすべて廃棄しました。目的は標準速度を求めることであって、最も遅い速度を求めることではないからです。取り込まれた処理の大部分は、単一の値の周囲に集中しました。

結果

SPI伝送時間は、平均して118µs~204µsとなりました。「principle of minimum astonishment (思わぬ結果が出る確率は最小であるという原理)」²が示すとおり、最速のプロセッサ速度が最速のSPI伝送時間をもたらすということがわかりました。測定結果については、表2を参照してください。

表2. 種類の異なるパーソナルコンピュータ上でのSPI伝送速度
Dell 4100
(Maxim Machine)
IBM T20
Notebook
HP Pavilion 6470Z
Desktop
Sony Vaio PV220
Desktop
Operating System
Win 98 Second Edition
Win 98 Second Edition
Win 98
Win 95
Processor
(P = Pentium)
P III
PIII
PII
PII
Processor Speed
933MHz
750MHz
400MHz
233MHz
DRAM
128M
96M
96M
32M
2360 SPI Load Time
118.4µs
135µs
169µs
204µs

結果はグラフ形式で図3に示しています。また、グラフの下側には、多くのSPI ICがシリアルデータを受け入れることのできる速度を示しています。10MHzのSPIクロックでは、24ビットの読み込み動作は2.5µsで完了することになり、ビットバンギング法の50倍の速度になります。これは、PCのクロックが何と46GHz以上で動作する必要があることを示しているように見えます(しかし、これは誤った結論です。なぜなら、制限する要因はプロセッサのクロックではなく、PCのI/Oバスの対応速度である可能性が大きいからです)。


図3. PCクロックが速くなるにつれてSPI伝送時間が減少

参考資料
IBM Personal Computer Hardware Reference Library; Technical Reference 6025008 (First Edition August 1981) International Business Machines Corporation.


¹ビットバンギングとは、マイクロコントローラ上のピンを、ソフトウェアの直接制御により強制的にハイまたはローにする手法のことです。パーソナルコンピュータの場合、この手法は通常、パラレルプリンタポートのピンを直接操作するソフトウェアを指します。
² Taub and Schilling:"Principles of Communications Systems," page 249, McGraw-Hill Book Company, New York, 1971.


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