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アプリケーションノート 966

ローバッテリモニタによるシステムシャットダウンの遅延

要約:デュアルコンパレータを使用したバッテリモニタ構築の簡単なアプローチを紹介します。両方のローバッテリ出力(LBO)を使うこのアプリケーション回路は、バッテリ電圧とDCレギュレータの出力を共に監視します。コンパレータの1つは早期警告信号を提供し、パワーレギュレータをオフにする前にキーコンポーネントをシャットオフしてシステムの問題を回避します。

図1の回路は、バッテリ電圧の低下を事前に警報します。この回路を用いることで、システムシャットダウンを指定した時間だけ遅らせ(バッテリ電圧が、指定レベルに低下するまで待つのではなく)、レジスタデータの保存といった緊急処理を、制御プロセッサによって行うことができます。回路部品は自己消費電流の低いものを使用することで、シャットダウン時のバッテリ電流の流出を最小限に留め、放電したセルを保護します。つまり、IC1、IC2、およびR1/R2の自己消費電流は、それぞれ1µA、3µA、および3µAで、シャットダウン電流の合計は約7µAとなります。

図1. この12Vレギュレータはバッテリ電圧の低下を警報し、約1秒後にシャットダウンします。この時のシャットダウン電流は約7µAです。
図1. この12Vレギュレータはバッテリ電圧の低下を警報し、約1秒後にシャットダウンします。この時のシャットダウン電流は約7µAです。

また、ニッカドバッテリの平坦な放電特性を正確に監視するためには、IC2のコンパレータスレッショルドの許容範囲を狭くすること(±1%)がアプリケーションにとって重要です。この放電曲線のちょうど肩に低バッテリ警報を設定することで、バッテリ寿命を最大限にまで拡張できます。

IC1は低ドロップアウトのリニアレギュレータで、250mAの出力電流を供給し、200mAでのドロップは僅か350mVです。また、IC2はデュアルコンパレータと±1%精度の電圧リファレンスを組み合わせたものです。VBATTがR1およびR2によって設定されたスレッショルド以下になると、OUTB (IC2のピン8)がハイになります。R3を介してC1を充電している時は、このハイのレベルがローバッテリ警報の役割を果たします。ピン3のINA電圧が内部リファレンスレベル(1.182V ±1%)に達すると、OUTA (ピン1)はIC1にシャットダウンコマンドを送ります。

例えば、各セルの電圧スレッショルドを0.9Vに設定すると、6セルスタック(5.4V)の場合、5.4V[R2 / (R1 + R2)] = 1.182Vとなります。ここで、R1 = 1MΩとすれば、R2 は280kΩになります。この場合、287kΩを使用します。MAX923のデータシートで説明しているように、R4 = 49.9kΩおよびR5 = 2.4MΩに設定することで、±25mVのヒステリシスをこのスレッショルドに追加することができます。

R3を1MΩと仮定すると、C3は以下の式から求めることができます。

VTH = VOUTB (1 - e-t/τ)

ここで、VTHはスレッショルド電圧、VOUTBは内部コンパレータ(ここでは、4.9Vと仮定)の出力、τ = R3C1を示します。遅延を1秒(t =1)とすれば、τ = 3.6秒となります。従って、C1 = 3.6µFになります。

また、C1に3.9µFなどの標準値を適用することでも、約1秒間の遅延を達成することができます。このアプリケーションに適切な低リークコンデンサとしては、表面実装のNovacap (3.9µFでp/n 1825Z395K250)があります。ただし、全遅延を行うためにはC1を完全に放電する必要があります。C1はシステムのシャットダウン時に充電され、完全に放電されるまでに約6秒かかります。


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