1) Q. MAX1464とは何ですか? A. MAX1464は、フラッシュメモリと温度センサを内蔵した、高性能、低コスト、低消費電力、マルチチャネル、マイクロプロセッサベースのディジタルセンサ信号コンディショナです。
2) Q. MAX1464信号コンディショナのアプリケーション例には何がありますか? A. MAX1464の典型的なアプリケーションは、センサの低レベル信号出力に対する補償、増幅、直線化を行うというものです。センサの種類としては、PRT、RTD、熱電対、歪み計などがあります。
3) Q. MAX1464に関して、どのような種類のサポートが利用可能ですか? A. 評価キット、ソフトウェアツール、サンプルプログラム、アプリケーションノート、オンライン/電話によるテクニカルサポートなど、様々な形式およびレベルのサポートが利用可能です。
4) Q. MAX1464の評価キットには何が含まれていますか? A. 評価キットには、評価用ボード(MAX1464信号コンディショナ、標準動作回路、およびMAX1464へのセンサ入力の役割を果たすポテンショメータを含む)、PCとのインタフェース用のMAX1464KEY、MAX1464のサンプル数個、および接続用ケーブルが同梱されています。
6) Q. MAX1464に関して利用可能なサンプルプログラムはありますか? A. はい。マキシムのWebサイトから入手可能なEVキットソフトウェアの一部として、サンプルコードが含まれています。アセンブリ言語のサンプルとして、2次補償アルゴリズム、LED点滅プログラム、および典型的なループ機能が含まれています。
8) Q. ADCサイクル開始時、サンプリングが始まるまでにどのくらいかかりますか? A. ADCのサンプリングは、ADCコマンドの実行とともに直ちに開始され、ADCサイクルの期間全体を通して続きます。
9) Q. 1つのADC変換が完了するまでに、どのような順番で事象が発生しますか? A. サンプリングは、ADCのクロック設定に従って、変換時間全体を通して連続的に行われます(ADCクロックの表はMAX1464のデータシート32ページにあります)。シグマデルタコンバータが、変換時間にわたって信号のビットストリーム出力を生成します。このビットストリームがディジタル式に処理され、16ビットの出力結果の形になります。これで、その入力チャネルのサンプリングが終了します。1つのADC変換の途中で入力信号が変化した場合、結果は経過時間に対する入力値の平均になります。
10) Q. ADCがサンプリングを行う際には、LSBまたはMSBから開始しますか? A. シグマデルタコンバータは従来のSARや積分コンバータとは異なり、LSBまたはMSBを最初に変換することはありません。ビットストリーム出力が、変換サイクル全体を通してフィルタリングされます。アプリケーションノート1870 「Demystifying Sigma-Delta ADCs」で、シグマデルタコンバータの概要を説明していますから、補足資料としてお読みください。
11) Q. MAX1464が損傷なしに動作可能な最大電源電圧は何Vですか? A. MAX1464に6.0Vを印加しても問題ないと思われます。何度かこのレベルの電圧をこのASICに供給したことがありますが、数分後に正常な電源レベルに戻した際に、何も悪影響は見られませんでした。ただし正式なデータとしては記録されていません。もちろん、5.5V以上の電源レベルでは、データシートの仕様通りには動作しなくなります。
12) Q. MAX1464はRTDまたはK熱電対の測定に使用可能ですか? A. はい。ただし、INMとINPの電圧レベルがVSS以上VDD以下であることを常に保証する必要があります。さらに大きな利得が必要な場合は、DOPのオペアンプを使ってアナログ増幅段を実装することができ、その結果として差動信号がシングルエンド信号に変換されることになります。その後この増幅段の出力をADCに入力して変換を行うか、またはADCループバック変換モードの1つを使用してオペアンプの出力をじかに変換することができます。
15) Q. MAX1463の内蔵温度センサはMAX1464のものと同じですか? A. いいえ。MAX1464の温度センサの出力は、MAX1463とは反対に、温度に対して正の傾きを持っています。さらに、MAX1464の温度センサ出力にはPGA利得機能を適用することができますが、MAX1463にはその機能がありません。
17) Q. 3線式と4線式のインタフェースにはどのような違いがありますか? A. MAX1464のシリアルインタフェースは、4線式のSPI™互換モードまたは3線式モード(通電時のデフォルト)での動作が可能です。3線式モードでは、DIとDOの2つのラインを1つに接続して、双方向のデータラインとしてください。
18) Q. ハードウェアデバッガプログラムは、3線式と4線式どちらの通信でも使用することができますか? A. はい。
19) Q. コントロールプログラムは、3線式と4線式どちらの通信でも使用することができますか? A. はい。
20) Q. EVボードを3線式から4線式の通信に、またその逆に切り替えるには、どうすればよいですか? A. 3線式または4線式の通信は、DIとDOの両端子を接続するか、または独立したままにしておくことでそれぞれ可能になります。これは、JU4のジャンパプラグを装着または除去することで行います。3線式モードでは、DIとDOの端子を短絡させることにより、単一のラインDIOを使用してMAX1464との通信を行うことが可能になります。
21) Q. 温度センサの出力はVDDに対してレシオメトリックですか? A. はい。温度センサの測定値はVDDに対してレシオメトリック、すなわち、VDDがMAX1464のデータシートの仕様を満たしている限り、VDD電圧に関係なく正しい温度が報告されます。
22) Q. INPxとINMxの入力電圧に関するコモンモード電圧の許容範囲はどのくらいですか? A. 入力電圧のコモンモードは、GND~VDDの範囲が可能です。ただし、GNDとVDDの信号がMAX1464のデータシートの仕様を満たしていることが条件です。
23) Q. コモンモードの範囲に関する仕様は、すべてのPGA利得設定について同一ですか? A. はい。
24) Q. MAX1464の入力インピーダンスは、PGA利得設定の違いによって変化しますか?どのように変化しますか? A. はい。PGA設定の関数としての入力インピーダンスは、下の式によって計算することができます。ここで、「f」はADCのクロック周波数、「Gain」はPGAの利得です。差動入力とシングルエンド入力の両方について、入力インピーダンスとPGA設定の関係の部分的リストが、MAX1464のデータシート2~7ページのElectrical Characteristics (EC、電気的特性)の表に示されています。
Gain = 1~64の場合、RIN = (4 x 1012) / (f x Gain)を使用
Gain = 80~128の場合、RIN = (8 x 1012) / (f x Gain)を使用
Gain = 160~256の場合、RIN = (16 x 1012) / (f x Gain)を使用
25) Q. センサの出力インピーダンスとMAX1464の入力インピーダンスはどのような関係にすべきですか? 相互にどのような影響がありますか? A. MAX1464の入力段はスイッチトキャパシタになっています。すなわち、ADCのサンプリングの間、周期的な充電パケットの形で電流がADCの入力端子に流れ込みます。実際には、各サンプル間隔の開始時に入力インピーダンスは小さな値から始まり(大きな電流がコンデンサに流れ込む)、各サンプル間隔の終了時に入力インピーダンスが非常に大きくなります(コンデンサがほぼ完全に充電され電流がゼロになる)。これは、INM-INPに対して適切なフィルタリング要素(RCフィルタ)を選択するか、またはADCのクロック周波数を低下させることによって実現することができます。
26) Q. 変換速度を変えることで、変換分解能はどのような影響を受けますか? A. 変換分解能は、変換速度には依存しません。0.256ms~262.14msの範囲の任意の変換速度を、選択可能な9ビット~16ビットの任意の変換分解能で使用することができます。MAX1464のデータシート33ページの「ADC Resolution and ADC Conversion Time(ADC分解能とADC変換時間)」の表をご覧ください。
27) Q. ADCのクロックをマイクロコントローラのクロックと独立して設定することはできますか? A. はい。一定のシステムクロック(内部または外部)に対して、MAX1464のデータシートに記載されている「ADC Clock (ADCクロック)」の表に従ってADCのクロックを設定することができます。
28) Q. ADCのクロック周波数と消費電力の関係はどうなっていますか? A. 消費電力は、ADCのクロック周波数にほぼ比例します。ADCのクロック周波数が低いほど、消費電力が小さくなります。ADCクロック1MHzとADCクロック7kHzにおけるADCの電流消費量が、MAX1464のデータシートのEC (電気的特性)の表に示してあります。これら2つのデータポイント間の直線近似を参照値として使用することができます。
29) Q. 消費電力と変換速度の間にはどのようなトレードオフがありますか? A. 非常に小さな消費電力で動作するシステムは、ADCのクロック周波数FADCを低下させることでそれを実現します。クロック周波数が低ければ、必要な動作電流が小さくなります。より大きな消費電力で動作する余裕のあるシステムでは、最も高いFADCクロック周波数を使用して、電力面の性能よりも速度面の性能強化を優先することができます。様々な分解能とクロック周波数の設定に対するADCの変換時間を、MAX1464のデータシートの「ADC Conversion Time (ADCの変換時間)」の表にまとめてあります。変換時間は、次式で計算します。
TCONVERT = (変換当りのFADCのクロック数) / FADC
「変換当りのクロック数」は、必要な変換分解能の関数になります。
30) Q. 温度の関数としてのMAX1464のデータ保持期間の定格はどうなっていますか? A. このデバイスのデータ保持期間の定格は、室温で100年です。定格動作温度範囲では10年となっています。
31) Q. MAX1464のフラッシュメモリ容量はどのくらいですか? A. MAX1464のフラッシュメモリは、2つのパーティションで構成されています。パーティション0は4KBであり、入力信号の補正、増幅、直線化のためにCPUが実行するプログラムの格納用です。パーティション1は128Bの大きさで、ユーザ情報の格納に使用されます。パーティション1には、CPUからアクセスすることはできません。
33) Q. MAX1464のマイクロプロセッサではどのような命令セットが利用可能ですか? A. MAX1464は、センサ信号出力の補償、増幅、直線化に必要なすべての計算を行う、16種類の命令を備えています。これらはMAX1464のデータシートで詳細に説明されています。
MAX1464の命令セット
OP-CODE (HEX)
MNEMONIC
OPERATION
0X
LDX
Load register X from program memory.
1X
CLX
Clear X-reg
2X
ANX
A-reg = A-reg AND X-reg
3X
ORX
A-reg = A-reg OR X-reg
4X
ADX
A-reg = A-reg ADD X-reg
5X
STX
X-reg = A-reg
6X
SLX
Shift left X-reg
7X
SRX
Shift right X-reg propagating sign bit
8X
INX
X-reg = X-reg + 1
9X
DEX
X-reg = X-reg - 1
AX
NGX
X-reg = NOT X-reg
BX
BPX
Branch positive I-reg by amount in X-reg
CX
BNX
Branch not zero I-reg by amount in X-reg
DX
RDX
A-reg = CPU port-X
EX
WRX
CPU port-X = A-reg
F3
MLT
A-reg | M-reg = M-reg multiplied by N-reg; register op code must be 3h
34) Q. MAX1464のプログラミングはどのように行うのですか? A. MAX1464のEVキットのソフトウェアツールにアセンブラが含まれており、それを使用してアセンブリ言語プログラムの開発とコンパイルを行うことができます。次にアセンブラを実行して、アセンブリ言語プログラムをコンパイルします。アセンブラが生成する.hexファイルを、提供されているツール(ハードウェアデバッガまたはコントロールプログラム)のどちらかを使ってMAX1464の内蔵フラッシュメモリにダウンロードしてください。
35) Q. ハードウェアデバッガは、どのWindowsプラットフォームと互換性がありますか? A. ハードウェアデバッガは、Windows® 95/98/2000/NT/XP上で動作可能です。
36) Q. MAX1464のDLLは、どのWindowsプラットフォームと互換性がありますか? A. MAX1464のDLLは、Windows 95/98/2000/NT/XP上で動作可能です。
37) Q. MAX1464のDLLは、どんなプラットフォーム上で開発されていますか? A. MAX1464のDLLは、C++プラットフォーム上で標準呼出し形式を使用して開発されています。
38) Q. MAX1464のDLLの機能をVisual Basicから呼び出すことは可能ですか? A. はい。このDLLは、任意のWindowsベースのOSから呼び出すことができます。マキシムが開発したコントロールプログラムは、C呼出し形式のDLLを使用しています。Visual Basicまたはその他の言語からDLLを呼び出すには、stdCall形式のDLLを使用する必要があります。EVキットとともに供給されるMAX1464のDLLは、C呼出し形式です。stdCall形式については、マキシムの技術サポートグループまでお問い合わせください。
39) Q. MAX1464は、どんな入力電圧範囲に対応していますか? A. 理論上は、MAX1464は1mVから5Vまでの範囲の入力に対応可能です。しかし現実には、入力範囲は必要なフルスケール出力と分解能に依存します。MAX1464は17段階で最大244倍のアナログ増幅を提供します。それ以上の増幅は、ディジタル方式によって実現することができます。信号をディジタル方式で増幅すると、出力の分解能が低下します。
40) Q. ハードウェアデバッガは、どのように使用するのですか? A. ハードウェアデバッガプログラムには、適切なレジスタやポートへのアクセス、ファイルへのフラッシュメモリ内容のロードなどを行うための、複数のタブが含まれています。ハードウェアデバッガプログラムを使用して、MAX1464の機能、レジスタ、およびポートについて学習してください。
41) Q. コントロールプログラムは、どのように使用するのですか? A. コントロールプログラムの主な役割は、センサの補償を容易に行うためのツールをユーザに提供することです。コントロールプログラムには、「Read the ADC(ADCの読出し)」、MAX1464の内蔵フラッシュメモリへのファイルのロードなど、あらかじめ定義された、より低水準な一連の操作をMAX1464に実行させるための機能ボタンが含まれています。コントロールプログラムを使用して、2次温度補償を実行することができます。
42) Q. MAX1464上のオペアンプを汎用オペアンプとして使用することはできますか? A. はい。MAX1464のそれぞれの出力チャネルに対応して、2個のオペアンプが存在します。任意の時点において出力端子に接続することができるのは、2つのオペアンプのどちらか一方だけであり、使用していないオペアンプはバッファとして、またはさらに大きな利得を提供するために使うことができます。
43) Q. MAX1464のフラッシュメモリのパーティション1はどんな機能を持っていますか?
A. フラッシュメモリのパーティション1は、シリアル番号、デバイス履歴、製造情報、日付コードなどのユーザ情報を格納するためのものです。パーティション1は、CPUからアクセスすることはできません。SPIインタフェースを通してのみ読み書きすることができます。
44) Q. MAX1464のフラッシュメモリのパーティション1 (ユーザ部分)に、CPUプログラムからアクセスすることはできますか?
A. いいえ。パーティション1は、SPIインタフェース経由でのみアクセスすることができます。パーティション1を、MAX1464の動作を制御するために使うことはできません。
45) Q. MAX1464は入力チャネルをいくつ備えていますか?
A. 差動入力2系統またはシングルエンド入力4系統およびループバック入力9系統です。
46) Q. 補償の際にADCの範囲を最大化するにはどうすればよいですか?
A. ADCの範囲は、ADC入力の粗オフセットとPGA利得の設定が適切に行われているとき最大になります。適切な粗オフセットとPGAを設定する手順については、MAX1460のデータシート7ページをご覧ください。
47) Q. 補償の際に温度センサの分解能を最大化するにはどうすればよいですか?
A. 温度センサの分解能は、温度センサ変換の粗オフセットとPGA利得の設定が適切に行われているとき最大になります。適切な粗オフセットとPGAを設定する手順については、MAX1460のデータシート7ページをご覧ください。
48) Q. コントロールプログラムに組み込まれている2次補償アルゴリズムを、実稼働において現実の補償に使用することはできますか?
A. はい。テンプレートファイル内の係数を、センサの実稼働モジュールに固有の係数に置き換える必要があります。