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アプリケーションノート4086

低効率のMR16ハロゲンランプのLEDによる代替

要約:ハロゲンランプは、MR16互換のランプとして広く使用されていますが、低効率や制限された寿命など、その能力を低下させる不都合な点がいくつかあります。専用バックコントローラを用いたドライバ回路を使用することによって、ヒートシンク内蔵の白色LEDはMR16ランプの10Wハロゲン球を交換可能で、ハロゲンランプの欠点に対する不安を取り除くことができます。

このアーティクルはマキシムの「エンジニアリングジャーナルvol. 61」 (PDF、1.02MB)にも掲載されています。

MR16ハロゲンランプは専門店や家庭用装飾照明のアプリケーションに広く使用されていますが、このランプにはその可能性を制限する不都合な点がいくつかあります。最も一般的に使用されているMR16ハロゲンランプの消費電力は10W~50Wの範囲にあり、その光出力は150ルーメン(lm)から800lmです。これは約15lm/Wの効率、すなわち、15%の発光効率に等しくなります。通常のハロゲン球の寿命は約2000時間に制限されています。また、ハロゲン球の寿命の低下を防ぐためにフィラメントが高レベルの振動を受けないようにする必要があります。

現在のLED技術は、MR16互換で、ハロゲンランプに対して費用効果の高い半導体の代替品を提供します。たとえば、最新世代のLedEngin™の5W (シングルチップ、4mm x 4mmパッケージ)および10W (4チップ、7mm x 7mmパッケージ)のハイパワーLEDは、ジャンクション温度(TJ)が+120℃で1000mAにおける標準発光効率が45lm/Wです。実際の動作状態では、これらの仕様は、5Wパッケージの場合の標準的なルーメン出力レベルが155lm (1000mA、TJ = +120℃において)で、10Wパッケージの場合345lm (700mA、TJ = +120℃において)です。これらのLEDは、ハロゲン球と同じ輝度レベルで動作するとき、消費電力が約50%減少します。さらに、LedEnginは90% (100khr、TJ = +120℃において)の注目すべき光束維持率が期待されるため、製品寿命期間中のハロゲン球の交換が不要になります。

LEDによるMR16リファレンス設計

図1に示すMR16 LEDリファレンス設計に関して、マキシムはLedEnginの5W白色LED (WLED)を選択してMAX16820の1000mAでの駆動能力を検証しました。表1表2は、MR16リファレンス設計の部品リストと電気的仕様の詳細を示します。この電気的仕様は、多くのMR16アプリケーションにとって標準的な12VAC ±10%の入力電圧となっています。

Figure 1. The 5W MR16 LED lamp circuit is shown using the MAX16820 LED driver. The LEDs shown are the LedEngin 5W WLEDs.
図1. LEDドライバのMAX16820を使用した5W MR16 LEDランプ回路。図中のLEDはLedEnginの5W WLED。

表1. 5W MR16 LEDランプドライバ回路の部品リスト
Designation Description
D1–D4 Rectifier diodes
FBR130
C1, C2 100µF/25V tantalum capacitors or one
220µF/25V electrolytic capacitor
C4 1µF/25V ceramic capacitor
R1 0.2Ω ±1% sense resistor
IRC LRC-LR1206LF-01-R200-F
C3 1µF/6.3V ceramic capacitor
Q1 MOSFET
FDN359BN
D5 Freewheeling diode
FBR130
U1 MAX16820
L1 39µH/1.2A buck inductor
Sumida CDRH6D38NP-390NC

表2. 5W MR16 LEDランプドライバ回路の電気的仕様
VIN (min) 10.8VAC
VIN (max) 13.2VAC
VLED (min) 5V
VLED (max) 3.1V
ILED 1A
ILED Tolerance ±15%
Open-LED Protection Yes
Shorted-LED Protection Yes

MAX16820は、LEDドライバアプリケーション、とりわけLEDベースのMR16に目標を置いて特別に設計されています。それゆえ、このデバイスはMR16 LEDランプ回路のための正しい選択肢となります。MAX16820は、超小型、6ピンTDFNパッケージで提供され、4.5V~28Vの入力電圧範囲で動作し、広範囲のLED電流駆動能力に相応しい外付けの費用効果の高いMOSFETを駆動することができます。このデバイスは広い車載用動作温度範囲(-40℃~+125℃)での動作が保証されており、MAX16820をMR16照明器具の高温環境で安全に動作させることができます。MAX16820は最大25Wまたはそれ以上の電力レベルを制御可能で、また2MHz (typ)のスイッチング周波数では小型のインダクタとコンデンサを外付けするだけで済むため、ドライバ回路をMR16照明器具内に配置することができます。

図1は、整流器ブリッジ(D1~D4)、100µFフィルタコンデンサ(C1とC2)、およびバックコンバータ回路で構成される5W MR16 LEDランプドライバを示します。バックLEDコンバータは、MAX16820、バックインダクタ(L1)、パワーMOSFET (Q1)、フリーホイールダイオード(D5)、および検出抵抗器(R1)で構成されます。

5W高輝度LED (HB LED)は1Aの駆動電流を必要とします。バックLEDドライバは1AのDC電流を出力するように設計されています。ヒステリシス制御法がこのバックインダクタ電流の制御に使用され、これによってLEDに必要な1Aの電流が供給されます。MAX16820で行われるヒステリシス制御によって、LED電流精度が5%の簡素で強力なドライバを構成することができます。

5W HB LEDを全入力電源周波数範囲に対して1Aの定電流で動作させるためには、DCバスフィルタコンデンサを追加してDCバス電圧リップルを制限します。全容量は少なくとも200µFであるものとし、低コストで220µF/25V定格のタンタルコンデンサまたは電解コンデンサを使用します。

出力電流の精度を十分に高く保つために、インダクタ電流の最大ΔI/ΔTを0.4A/µs以下に制限します。図1に示すように、インダクタの最大電圧降下はVL1MAXです。次式を使用すると、インダクタL1の値を計算することができます。

Equation 1

Equation 2

VAC_IN = 12V、δ = 10%、およびVO = 3.6Vの場合、L1は37µHよりも大きくなければなりません。したがって、39µHはL1として選定する標準値です。ここで、δは許容されるAC入力の変動(%)で、VOはLEDの順方向電圧です。

設計は、LedEnginの5W WLEDベースのMR16照明器具を使用して試験しました。図2はそのセットアップを示します。この設計に関するベンチテストの波形を図3図6に示します。入力電圧は12VAC (公称)で、出力電流リップルは約10%です。

Figure 2. The LedEngin LED-based MR16 lamp has a very unique heatsink for dissipation of heat into the air. The MAX16820-based lamp driver board is placed just behind the heatsink.
図2. LedEngin LEDベースのMR16ランプは、空気中に熱を放散するための独特のヒートシンクを備えています。MAX16820ベースのランプドライバボードは、ヒートシンクのすぐ後ろに配置されます。

Figure 3. The first MR16 reference design bench test has the input AC current as CH1, and the output DC current as CH2.
図3. 最初のMR16リファレンス設計のベンチテストでは、入力AC電流をCH1とし、出力DC電流をCH2としてあります。

Figure 4. This detailed waveform has the output current ripple as CH2.
図4. この詳細波形では、出力電流リップルをCH2としてあります。

Figure 5. In this bench test, CH1 is the MOSFET gate-driver voltage envelope, and CH2 is the drain-source voltage envelope.
図5. このベンチテストでは、CH1はMOSFETゲートドライバ電圧の包絡線で、CH2はドレイン-ソース間電圧の包絡線です。

Figure 6. These detailed waveforms show the MOSFET gate driver as CH1, and the drain-source voltage as CH2.
図6. これらの詳細波形では、MOSFETゲートドライバをCH1とし、ドレイン-ソース間電圧をCH2として示します。

図4は、200µFのDCフィルタコンデンサを使用した場合に、DCバス電圧リップルが8.5Vであることを示します。MAX16820ベースのヒステリシス制御モードでは、非常に優れたラインレギュレーション性能が得られることが分かります。出力LED電流は、入力バス電圧の結果として変動がわずかです。5WのMR16 LEDランプドライバに関するベンチテストからは、AC入力のリップルと変動は8.5V以上になる可能性があるものの、出力LED電流は1Aの定電流に安定化されることが分かります。

図7に示すMR16ランプドライバのPCBは2層から成ります。2個のAC入力接続パッドと2個のDC出力接続パッド(LED+およびLED-と標識された)を含む、すべての部品は両面に実装されています。

Figure 7. The LED+ and LED- DC-output connection pads can be seen on the 5W MR16 LED lamp driver PCB silk screen (top layer).
図7. LED+とLED-のDC出力接続パッドは、5W MR16 LEDランプドライバのPCBシルクスクリーン(両面)にあることが分かります。

HB LEDアプリケーションでは、100khr後に長期にわたる90%の光束維持性能が求められるとき、5W LedEngin LEDのジャンクション温度を+120℃以下に制限することが最も適切です。ヒートシンクは、LEDジャンクションで発生した熱を空気に逃がす低コストのソリューションです。5W MR16 LEDランプは、5WのLED電力を放散するヒートシンクを備えています。5W MR16 LEDランプドライバのPCBは、5W MR16 LEDランプのヒートシンクの裏面に取り付けられます。

注目すべきは、5W MR16 LEDランプアセンブリの独特なヒートシンク設計です。ランプの熱が主に周囲に放射されるハロゲンベースのアセンブリとは異なり、LEDベースの設計では(図2に示すように)熱がヒートシンクに伝えられた後、対流によって周囲の空気に移動します。

結論

低電力(1Wと3W) LEDソリューションの高電力、5W MR16 LEDリファレンス設計は、他のソリューションと比べて、利用可能な光量を著しく増加します。このため、この設計では、MR16性能レベルの10Wハロゲンソリューションを満足するのに必要な複数の放射体が不要になります。

LedEnginはLedEngin, Inc.の商標です。

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