従来のダイナミックスピーカの場合、効率は簡単に計算することができました。ボイスコイルは、固定抵抗器と高インダクタンスとの直列接続という等価回路で表せるからです。負荷に供給される電力(P)は、オームの法則とスピーカの電気抵抗値から、P = I²RあるいはP = V x Iです。スピーカに供給される電力の大半は、スピーカコイルで熱として放出されます。
容量性の性質を持つセラミックスピーカは、電力を消費しても放出する熱量は多くありません。セラミックスピーカの場合、「ブラインド」電力が放出されます。放出量はセラミック素子の損失係数によって決定されますが、量的には小さなものとなります。ブラインド電力放出時の発熱量はごく少ないものになります。ブラインド電力は、P = V x I1のように簡単には計算できず、次式が必要となります。
P = (πfCV2) × (cosΦ + DF)
ただし、
C = スピーカの静電容量
V = 駆動電圧実効値
f = 駆動電圧の周波数
cosΦ = スピーカを流れる電流とスピーカに印加された電圧の位相角
DF = スピーカの損失係数:非常に小さく、信号の周波数とセラミックスピーカのESRによって決まる