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キーワード:
車載エアバッグ, LDO
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APP 4364: Jul 30, 2009
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リファレンスデザイン4364
車載エアバッグ向け超低自己消費電流リニアレギュレータ
筆者:
Surya Prakash
要約:このアプリケーションノートでは車載用エアバッグの電源要求を満たすようにリニアレギュレータMAX15006/MAX15007の出力電流を増加する方法を示します。
はじめに
自動車の中で使用される電子機器が増加し続けているため、電力の余裕が益々限られた中で電子制御モジュールの設計で性能を上げるには困難が伴います。近年の自動車はステレオ、インフォテインメントシステム、ワイパー、ライト、エアバッグなどの安全装備、その他多様な電子システムを備えています。これらのシステムが自動車のバッテリに対する要求が累積するのであれば、設計者はできるだけ、特にイグニッションキーがオフの時や駐車中にそれぞれの電子システムの消費電力を減らさなければなりません。
多くの場合、自動車の電源がオフであってもバッテリは多数のシステムに対して静止電力を供給しなければなりません。この電源オフ期間で消費電力を減らすためにパワーマネージメントブロックに対しいくつかの省電力モードを導入します。マイクロプロセッサへのクロックをシャットダウンすること、コンバータ回路をそのイネーブル入力に通してディセーブルすることは2つの一般的な例です。しかしながら、電力がオルタネータあるいはバッテリのどちらから供給されているときでも、リモートキーレスエントリ(RKE)やセキュリティシステムなどの常にオンとなっているべきデバイスや機能が存在します。
図1
にエアバッグのための一般的なパワーサプライモジュールを示します。
このアプリケーションノートは車載エアバッグアプリケーションでの自己消費電流を削減した リニアレギュレータ
MAX15006/MAX15007
使用回路を示します。超低自己消費電流に加えて、これらのデバイスは45Vまでのロードダンプに耐えることができ、車載環境の厳しい動作条件においても最適です。さらに、これらの製品は車載用エアバッグのパワーサプライモジュールとして最適な、低電圧降下、広い入力電圧範囲、過熱や短絡保護、およびイネーブル入力を特長とします。
図1. エアバッグ用の典型的なパワーサプライモジュール
乗員保護補助装置(SRS)の動作
エアバッグシステムまたは乗員保護補助装置(SRS)はシートベルトの着用と併用した場合に、フロントシートの乗員を更に保護するように設計されています。電子制御され、機械的に動作するSRSシステムは次のように動作します。車両に取り付けられた衝突または安全センサにより感知される事故で起動されるまでこのシステムを見ることはできません。大きな衝突を感知すると、これらのセンサは電気回路の接点を閉じてエアバッグを膨らまします。起動していない時は、システムはエアバッグの診断モニタにより監視され、クラスター上のランプによってシステムの状態が表示されます。
診断用モニタが常時オンであるため、電源を供給するデバイスの自己消費電流は低くなければなりません。また衝突の間、オルタネータの端子がバッテリ端子からはずれロードダンプの状態となる場合もあります。電源の変動は通常の状態の間でさえ高くなるかもしれません。
MAX15006/MAX15007は超低自己消費電流、広い入力電圧範囲、そして45Vまでのロードダンプ保護などの多くの特長を持ち、車載用エアバッグのパワーサプライモジュールに最適です。これらは最大50mAの電流を必要とするほとんどのアプリケーションで外付け部品を必要とすることなく使用することができます。しかし、エアバッグのトータルモニタリングシステムは100mA以上の電流を必要とし、エアバッグイグナイターの動作確認のために200mA程度の電流を必要とします。したがって、MAX15006/MAX15007の出力電流を増やす必要があり、外部パストランスジスタを用いて実現することができます。
レギュレータの出力電流能力の増加
エアバッグの点火回路で点火を引き起こす最小電流は1.2Aです。エアバッグの点火回路の電源はスイッチングレギュレータ(降圧およびブーストコンバータ)とリニアレギュレータの両方によって提供されます。しかし、モニタリングシステム(センサ、ADC、点火状態の監視など)の電流要求量はおよそ150mAで、リニアレギュレータ(MAX15006/MAX15007)によって供給できる最大電流値を上回ります。
リニアレギュレータの電流能力は外部パストランジスタを用いることにより増加することができます。リニアレギュレータの出力電流の増加は、パストランジスタを以下の回路図(
図2
)に示すように入力と出力の間に接続することによって増加することができます。¹この回路により出力電流は150mAまで増加します。
図2. この回路はエアバッグモニタリングシステムに十分な出力電流(150mA)を供給するためにMAX15007に外部パストランジスタを追加しています。
消費電力を最小限に保つためにR1を1Ω、R3を2.2Ωとしてください。また、R1の値を1Ω以下に減少させると、PNPトランジスタの熱暴走を引き起こす可能性があります。最初に、出力電流がない場合、外部パストランジスタにも電流が流れません。電流が次第に増加していくと、ダイオード端子間におよそ0.6Vの電圧降下が発生し、ダイオードが通電し始めます。するとベース‐エミッタ間の接合部にPNPトランジスタを通電させるのに十分なだけの電圧降下が発生し、それにより負荷に必要な追加電流を供給します。R2の目的は低電流領域でのダイオードの持つ高いダイナミックインピーダンスを補償することです。負荷電流が25mA未満の時、外部パストランジスタはオフになりますので注意が必要です。抵抗値を変えることによってこの回路の電流供給量を増加することができます。
安定動作のための出力キャパシタの選択
回路に外付けトランジスタを接続すると、出力電圧はデータシートで指定されている2.2µFの出力キャパシタンスでは不安定になります。これはレギュレータのg
M
の増加によるものであり、結果としてユニティゲイン周波数が高くなります。高くなる理由は以下のとおりです。
ユニティゲイン周波数 ∝ g
M
ユニティゲイン周波数を安定した状態と同値に保つために、出力キャパシタはg
M
の増加と同じだけ増やさなければなりません。このg
M
の増加は追加した回路の電流利得から求めることができます。
外付け回路の電流利得は回路(
図3
)の小信号近似によっておおよそ計算することができます。
図3. 必要な出力キャパシタンスを求めるためには、外付け回路の電流利得を計算しなければなりません。
外部パストランジスタが接続されていない時、ΔIはレギュレータを通過する負荷電流の変動分と仮定します。外部パストランジスタが接続されている時は、PNPトランジスタを通る電流の変動分をK ΔIとします。すなわち、外部パストランジスタの負荷電流の総変化量はΔI + K ΔI、つまり(1 + K) ΔIとなります。したがって、g
M
は(1 + K)倍まで増加します。即ち、同じユニティゲイン周波数を維持するため出力コンデンサも(1 + K)倍まで増やします。
マキシムの回路では、Kの値は以下の式によって得られます。
寄生成分による現実的な問題を考慮すると、必要なキャパシタンスの値はデータシートに指定されている最小値の5.45倍です。すなわち、12.2µFのキャパシタンスがこの外部パストランジスタのシステムを安定させるために出力に接続されています。
下記の
図4
および
図5
は外部パストランジスタによって供給される電流を150mAの一定した負荷電流と150mAの過渡負荷電流のそれぞれの場合について示しています。チャネル1は出力電圧を示し、チャネル4は外部パストランジスタによる供給電流を示しています。チャネル2に示されるパラメータは負荷と直列に接続された1Ωの抵抗の両端に発生する電圧で、それゆえにそれは全負荷電流とみなすことができます。したがって、150mAの全負荷電流のうち、109mAは外部パストランジスタによって供給され、残りの41mAがレギュレータICによって供給されています。
図4. 150mAの定負荷電流での図3の回路の性能
チャネル1 : 出力電圧
チャネル2 : 負荷に直列につないだ1Ωの抵抗に発生する電圧に比例した負荷電流
チャネル4 : 外部パストランジスタによる供給電流
図5. 150mAの過渡負荷電流での図3の回路の性能
チャネル1 : 出力電圧
チャネル2 : 負荷に直列につないだ1Ωの抵抗に発生する電圧に比例した負荷電流
チャネル4 : 外部パストランジスタによる供給電流
結論
単一のICの中に自動車用アプリケーションに要求される複数の機能を取り入れることによって、MAX15006/MAX15007は最新の自動車用アプリケーションの多くのニーズに直接対応し、自動車エンジニアの活動を容易にしました。このアプリケーションノートでは最小限の外付け回路でこれらのICが高負荷電流要求に合致し、このようにアプリケーションの幅を広げられることを示しました。
参考文献
アプリケーションノート3333 「
Pass Transistor Enhances Regulator's Output Current
」(英文のみ)
関連製品
APP 4364: Jul 30, 2009
MAX15007
40V、超低自己消費電流リニアレギュレータ、6ピンTDFN/8ピンSOPパッケージ
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