お客さまのために製造競争力を高める

CEOからのレター、2008年5月
もうずいぶん昔のことのように感じますが、「本物は[ウェハの]ファブを持つ」というJerry Sanders氏(Advanced Micro Devices, Inc.の前CEO)の有名な言葉があります。ディジタルの世界ではファブの所有が成功の条件とは言い切れませんが、アナログとミックスドシグナルの市場では、マキシムをはじめとする主要サプライヤはいずれも、自社のファブを持つ必要があります。

アナログおよびミックスドシグナルの半導体製品の性質上、デバイスの性能を最適化するために多くのカスタマイズされたプロセスを使う必要があります。つまりファブの設備は貴重な資源として設計者に技術的な差別化を与え、通常のファウンドリプロセスでは実現することのできない性能を提供する、画期的な製品を生みだすことを可能にしています。

マキシムでは現在160近くの独自プロセスを所有しており、自社ファブで製造している製品の割合は90%を超えています。マキシムの場合、ファブレス戦略というものを採用して、ファウンドリなど、サードパーティのサプライヤに製造を委託して製造負荷を軽減させる予定はありません。

しかし、マキシムには社外のウェハファブを活用する2つのモデルがあります。1つは、必要な技術が外部で利用できる場合です。特にディープサブミクロンなど、1社では投資金額が大きくなりすぎる分野がその候補となります。もう1つは、ファウンドリと戦略的かつ排他的な契約を結び、マキシムの独自技術を移植することによって、柔軟性を高め、複数の製造拠点を確保することができる場合です。

昨年実現したセイコーエプソン社とのパートナーシップ契約がまさにこれであり、酒田市にある、セイコーエプソン社の高度な技術を持つサブミクロンの200mmファブ工場を活用します。このパートナーシップ契約によって、マキシムの誇る革新的なミックスドシグナル設計およびプロセス技術とセイコーエプソン社の誇る世界的な半導体製造技術が結びつきます。この結果、マキシムは、お客さまに対して新しいレベルの品質とサービスをお届けするとともに、サイクルタイムを短縮し、コスト競争力を高めることができます。

マキシムでは設備の効率と能力を継続的に評価し、維持すべきファブ、アップグレードすべきファブ、シャットダウンすべきファブを判断するとともに、市場の需要増加に対応するために、生産能力をいつ拡張すべきかの判断を行っています。 今年はまさにそれを行った年でした。ダラスにあるマキシムで最も古いファブを引退させ、ダラスに近いテキサス州サンアントニオにある大型・高効率の製造工場に製品を移管する決定についての発表を行いました。サンアントニオの工場は新しく、設置から20年を経過したダラス工場の何倍もの生産能力を持っています。新しい工場に生産を移管することによって、チップをより経済的に製造することができるようになり、製品を低コストでお客さまにお届けできるようになります。

生産能力の拡大に対する要求が高まった時には、サンアントニオ工場を増強し、現在、認定の最終段階にある他の製造設備を順次稼動させていきます。これは、お客さまのために続けていかなければならないプロセスです。

今後ともサービス向上に努めてまいります。
Tunç Doluca
President兼Chief Executive Officer


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