先日、私は、自宅で使っている機器のエネルギー使用量を計算してみました。その結果、なんと、メディアサーバだけで年間473ドル分もの電力を消費していることがわかりました。つまり、1年から2年でサーバ価格以上の運用費を使っているということです。この点についてサーバメーカーは何か考えているのだろうか、トータルの所有コストがこれほど高いことにサーバユーザは気づいているのだろうかと考えてしまいました。サーバのエネルギー消費を削減すれば、サーバ価格の実質的な引き下げとなるはずです。エネルギー効率の改善は環境への影響を小さくするだけでなく、競争力の強化にもつながります。
これこそ、我々エンジニアが直面している課題です。エネルギー価格の上昇と地球温暖化に関する意識の高まりを受け、市場では、環境に優しい製品を求める声が強くなっています。この声に対応するためには技術的に複雑な課題を克服する必要がありますが、これは同時に新しいビジネスの機会にもなります。効率の高い製品を提供できるメーカーは市場における競争力が高まるということです。
改めて考えてみると、これは、技術力のある設計者が評価されることを意味します。「グリーン」という言葉が繰り返されるようになる前から、低電力であることは優れた設計の証でした。電力効率が高いということは、電源は小さく、コストは安く、実装密度は高く、バッテリ寿命は長く、発熱量は少なく、信頼性は高くなることを意味するからです。
今まで効率というものは、消費者のニーズに合わせてトレードオフの対象となる数多くのパラメータの1つでした。しかし、世界がエネルギー問題に直面するようになったことから、効率を犠牲にするトレードオフは非現実的となったのです。マキシムは、25年以上にわたり、「グリーン」な製品の設計を行ってきました。その結果、高効率DC-DCコンバータ、バッテリマネージメントIC、アンプなどの低電力製品の分野をリードするようになりました。もちろん、製品の鉛フリー化をはじめ、有害物質の使用削減にも努力してきています。
マキシムなら、エネルギー効率の高い画期的なソリューションをお届けすることができます。そのためにマキシムでは、過去に開発した技術だけでなく、環境に優しい新しい技術の開発にも大量のエンジニアのリソースを投入しています。特にハイブリッド車や太陽光発電と制御、高輝度LED、ディスプレイドライバ、ノートパソコン用電源などの新たな分野に注力しています。
ウェブサイトもグリーンな設計リソースを見つけやすい形に再構成しています。今までマキシムでは2000件を超えるアプリケーションノートを書いてきましたが、その中には製品の効率改善に活用できるものがたくさんあります。このようなアプリケーションノートとその他の設計リソースを整理してマイクロサイトとして使いやすくまとめ、
japan.maxim-ic.com/green-designで提供するようにしました。
今後も、お客様の効率改善のために、設計のヒントやリファレンスデザイン、アプリケーションノートなどを提供していきます。グリーンなソリューションに対するニーズを満足するために必要な技術情報や製品情報については、今後もマキシムのウェブサイトをご活用ください。
今回の「
エンジニアリングジャーナル」には、最近、注目を集めているエネルギー課題への対応を迫られているエンジニアに向けた4本のアーティクルが掲載されています。これらのアーティクルが、省エネルギーのヒントとしてみなさんのお役に立つことを心より願っております。
今後も、みなさんとの緊密な協力を通じて技術的課題や事業上の課題を解決し、より良い世界を実現したいと考えています。これこそが「Engineering Success」です。